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金髪巨乳美少女のペットになりました

 「楓ちゃん、それは一体どういうことだ?」


「もう失うものはないんでしょ? だったら私のペットになってよ」


何を言ってんだいきなり……なんでそうなるんだ。



「あのさぁ楓ちゃん、俺は真剣に考えているんだけど」


「私だって大真面目に考えてるけど?」


大真面目に考えてペットなのか……



「その……楓ちゃんのペットって職業なのか……?」


「ううん、私の趣味だけど」


「なんだよ、仕事の話じゃねぇのか!? やっぱりふざけてるだろ!?」


「ふざけてないよ、これでも私はちゃんと考えているよ。涼くん真面目すぎてこの家に住むのに負い目を感じてるみたいだからさ、キミが納得できるような交換条件をつけようと思ったんだ」


「交換条件……?」


「仕事だって、私が紹介してあげてもいいよ?」


「ほ、本当か!?」


女子高生の楓ちゃんが仕事を紹介してくれるのか? 女子高生とはいっても彼女は中条グループの令嬢だしいい仕事の話はたくさん持っているだろう。



「ただし、私のペットになるのが条件」


「……そういうことか」



楓ちゃんは俺に住む場所を与えてくれた。食事も与えてくれた。さらには仕事まで紹介してくれる。

受けた恩がでかすぎる。奴隷のような扱いをされても文句は言えない。


ペット……か。雲母にフラれた時にも言われた言葉で、ハッキリ言ってトラウマワードなんだが、トラウマと正面から向き合うことも大事だよな。



「……わかった。キミのお役に立てるかどうかわからないが、俺頑張るよ」


「そんなに固くならないでよ。キミは義務で私のペットになるの?」


「義務っていうか、俺なんかでいいのか? って気持ちが一番だな。

キミほどの美少女なら多くの男に需要ありまくるだろ。たとえペットでも、人権無視した扱いを受けるとしても、キミとお近づきになりたい男はいくらでもいると思う」


「他のペットなんていらないよ、私はキミがいいの。私はペットが欲しいんじゃなくて()()()()()()()()()()の。

()()()()はどうなの? 私のペットになりたくないの? 私のペットに興味ないの?」


「えっ……」



なんかすげぇ返答に困るんだが。


興味あるかないかと言われたら、そりゃ……あるに決まってる。

美少女、金髪、巨乳、女子高生だぞ。男の理想を詰め込んだ、世界の頂点に立つと言っても過言ではない女の子だぞ。そんな女の子のペットになったらどんなことされるのか……興味がありすぎる。想像するだけでドキドキしてくる。


興味はあるけど、言えない。言えるわけがない。しょうもない男のプライドだけど、年下の女の子に主導権握られるなんて肯定できるか。

結果、俺は何も答えられない。



俺が答えられずにいると、楓ちゃんが俺の頬をツンツンとつついた。


「な……何?」


「ごめんごめん、ちょっとからかっただけ。とりあえず契約成立……ってことでいいんだよね?」


「ああ、男に二言はない」


実は興味津々だってのは秘密だけど、彼女には大恩があるからな。彼女がそれを望むなら全身全霊で応えるだけだ。



「じゃあ改めてよろしくね涼くん」


「よろしく楓ちゃん」



楓ちゃんとガッシリ握手を交わした。

握手した瞬間、楓ちゃんは妖艶に微笑する。彼女のこの笑顔は、俺の股間にグッと刺さるものだった。これは楓ちゃんには絶対に内緒だ。


俺の息子は一体どうしたんだ……俺の心にはまだ雲母がいて、あれだけハッキリとフラれてもなお、俺は雲母を想い続けているのに……

楓ちゃんに狂わされる下半身を恨めしく思った。




―――




 「それじゃ私は学校に行くけど、涼くんは今日はずっと家にいていいからね」


「あ、ああ」


「じゃあ行ってきまーす!」


「い、行ってらっしゃい」



楓ちゃんが学校に行く時間になった。俺は玄関で彼女を見送った。

楓ちゃんは俺に手を振りながらウインクをした。そのウインクに心を撃ち抜かれながらも俺はなんとか手を振り返した。俺が手を振る動き、ロボットみたいでぎこちないな。



……楓ちゃんが学校に行ってしまった。なんでこんなに寂しい気持ちになるのか。たった今出かけていったばかりなのにもう早く帰ってきてほしいと願う自分がいた。



「おはよう、安村君」


「っ! お、おはようございます!」



いつの間にか背後におじいさんがいて超ビビった。この人威圧感すごくて超怖い。ヤクザが相手でも勝てそうなオーラ、さすがは大企業の先代社長。


ハッ……楓ちゃんが学校に行ったということは、おじいさんと2人きりになるのか!?

まだほとんど話したことないし、超気まずい。早く帰ってきてくれ楓ちゃん。



「じゃあ儂も仕事で出かけてくる」


「は、はい。行ってらっしゃいませ」



おじいさんも出かけるのか。ホッとしたような、寂しいような……



…………

静かだ。こんなに広い家に、俺1人……


正確には1人じゃないか。使用人の人たちもいるが、別の棟にいるっぽいし俺の相手をしてくれるわけもない。広い広い家だからいろいろな管理で忙しそうだしな。


……どうするかな。すげぇヒマだ。

こんなにヒマなの久しぶりだ。仕事もかなり忙しかったし雲母にもたくさん振り回されたから大変だった。


大変だったが、充実していた。その充実した日常が突然失われ、喪失感がハンパじゃない。

こうしてヒマな時間を過ごしていると、ああすればよかった、こうすればよかったみたいな後悔が次から次へと出てきて辛くなる。


ああもう、ネガティブになるのはやめよう。たまにはヒマなのもいいだろう。このヒマを楽しもう。


庭を散歩したり、池を眺めたりしてみる。

立派な大きさをした鯉が寄ってきた。エサをくれると思っているのかな。俺エサ持ってないんだ、すまん。


庭を歩いているだけでもヒマつぶしになる。広いっていいなぁ。



 昼食が用意されているみたいなので、それを食べて縁側に座り休憩する。


……平日の昼間に何もせずぐうたらしてるなんて、どうにも落ち着かない。俺にはニートの才能はない。


午後は何かやろう。穀潰しにはなりたくない。

この広い家。広いのはすごく良いことだけど掃除とかするのすごく大変だろう。普通の家より何倍も時間がかかるだろう。


掃除くらいはやっておくか。全部キレイにするのは厳しそうだができる範囲でできるだけ頑張ろう。


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