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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
第12章…授業

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夜の学校はドキドキします

 蛾の発生トラブルが起きたものの、気を取り直して俺と楓ちゃんは再び夜の学校の廊下を歩く。


今、暗くてよかった。夜でよかった本当に。

だって今の俺は、大事な部分がありえないほど元気に膨らんでいるから。暗くなってる今なら前かがみになったりこっそり手で股間を隠しても目立たない。勃起してるのを気取られにくい。


俺の脳内は未だに楓ちゃんの胸でいっぱいいっぱいだった。さっきの出来事が刺激が強すぎて、柔らかい胸の感触が脳内に焼きつきすぎている。当分の間は消えない。



「涼くん」


「な、なんだ!?」


名前呼ばれただけで過剰反応すんな。平常心平常心、深呼吸しろ。少しずつでいい、精子で満たされているような脳みその流れを変えろ。



「私、学校のことは知り尽くしているとは言ったけど、実際に夜の学校を歩くのは初めてだよ」


「そ、そうか」


まあ普通に真面目にやってる生徒であれば夜の学校を歩くという機会はそうそうないよな。今回はたまたまうっかりなだけで。



「こうして歩いてみると、思った以上に夜の学校って雰囲気あるね」


「そ、そうだな……俺も初めてだよ、夜の学校」



暗くて、静かで、寒いわけじゃないのになぜか冷たい空気に満ちてて、昼間とは別の世界みたいだ。


誰もいない『無』の雰囲気が、人間に恐怖を与えるのだと思われる。

無駄に広い校舎、無駄に長い廊下。廊下が長くて奥が真っ暗闇で全然見えない。これ以上奥に進んだら別の世界に行ってしまうのではと思わせるほどだ。


怖くて不気味である。いいトシした大人の俺だが普通に怖い。楓ちゃんに夢中になっていたから怖さを意識してなかった。今さら夜の学校の怖さを自覚した。気づくの遅い。

しかし可愛い女の子と一緒にいるんだから怖くてもしっかりとしなくてはならない。俺は意地を張って必死に平静を装う。


まあ、怖いんだよ。すごく怖くてビビってるはずなんだ。

なのにやっぱり俺の頭の中は楓ちゃんのおっぱいのことばかり浮かんでくる。怖いという感情を押し潰してしまうほどに、それほどさっきのおっぱいプレスは刺激が強すぎた。


つばきちゃんのこと言えないな。俺も本当に空気読めない。集中力がない、緊張感が足りない。たとえ命の危機になっていたとしても俺は楓ちゃんのおっぱいのことばかり考えてるんだろうな。



「……なんだか、ドキドキしちゃうね」


「えっ?」


「夜の学校で涼くんと2人きり……すごくドキドキしてる、私」


「……!」



ちょうど月の光が、楓ちゃんを照らす。

楓ちゃんは俺を上目遣いでまっすぐに見つめて、頬をほんのりと赤く染めている。

雪景色のような白い肌が桜のように赤く染まる。雪、桜、月……なんて美しく、儚く、ロマンチックなんだろう。


心臓が強く高鳴り、楓ちゃんに見惚れて、自分の時間が一瞬止まった。



―――ヒュウゥゥゥ……



…………? なんだこの音。

謎の音が聞こえてきて、俺の時間は再び動き出した。



「楓ちゃん、今の音聞こえた?」


「うん、なんか吹いてるような音がしたね」



謎の音は、廊下の奥、暗闇から聞こえてくる。誰もいないはずなのになんだこの音。そんなにうるさい音ではないはずなんだが、とても静寂なのでよく耳に響く。



「もしかして、オバケかな?」


「ははは……やめてくれよ楓ちゃん」


軽い冗談だと思うけど俺は普通にビビるぞ。


「きゃー! 怖い、怖いね涼くんっ!」


なんか、楓ちゃん……すごく楽しそうじゃないか?

さっきの蛾にガチで怯えていた楓ちゃんはどこに行った。まあ虫以外は怖いものなしって感じなのかな。



むぎゅっ


!!!!!!



楓ちゃんは俺の腕に腕を絡めて抱きついてきた。

そしてまた柔らかい胸がむにゅっと当たる。今度は俺の腕を挟み込むように押し当てられる。



―――あああああああああ!!!!!!



ただでさえ極限まで勃起してたのにそこからさらに乳の刺激を与えられたらどうなってしまうのか。極限の極限に勃起した。楓ちゃんなら俺の勃起に限界はないような気がしてきた。さらにガマン汁まで滲んでくる感覚があった。


俺の心の中にいる俺は爆裂四散した。ドキドキするとか勃起するとかをさらに超えて自分を保てなくなり、跡形もなく塵となった。もう俺、腕を持っていかれてもいい。それだけの価値があると感じた。


この短時間で胸の感触を二度も堪能できるとは……顔で受ける胸の感触も腕で受ける胸の感触もどっちも甲乙つけがたい……どちらも良き。

心の中で狂喜悶絶しながら頭部から湯気が出るくらい興奮する俺だった。



「怖い、怖いよ……助けて涼くん……」


ああっ、スリスリと腕に頬ずりまでしてきた。破壊力が究極すぎるだろ。少しは加減してくれないか、俺のすべてが浄化してなくなりそうだぞ。



「ちょっ、楓ちゃん……そんなこと言って、本当は楽しんでるでしょ?」


「あ、バレた? もちろん楽しいよ。だって涼くんと一緒だから! たとえ命の危機だったとしても涼くんと一緒にいられたら絶対楽しいと思う」


あれ、もしかして俺の思考読んでんの? さっき俺が考えていたことと同じことを言ってるような気がする。

でも俺の思考なんてほとんどおっぱいのことばかりだから、それが楓ちゃんに知られたら生きていけない。いや読むまでもなく俺のスケベ心なんて筒抜けかもしれないけど。



「それに私、最近悔しいことがいっぱいあったから、その分いっぱい涼くんと楽しみたいんだ」


「悔しいことって?」


「秘密基地も、図書室の授業も、涼くんとの貴重な想い出を野田先輩に先越されてすごく悔しかった!

でもそれらにも負けないくらいの一大イベント、『夜の学校で2人きり!』

これを他の女よりも先に、この私が先行体験して独占できるのが何よりも幸せ!

私が最初! 私が一番! 私が唯一! 涼くんにとっての最初で一番で唯一が私であることが私のすべてと言っても過言ではない! 涼くんも夜の学校で女子と2人きりなんて初めてでしょ?」


「ああ、そりゃまあ……」


普通に生きてればまずそんな経験はないだろうと断言できる。夜の学校にいる時点で不良扱いされてもおかしくないからな。


「つまり、涼くんのハジメテは私がもらったということだよ!」


「……~~~っ……」


楓ちゃんはいつも、俺の心にクリティカルヒットなことしか言わない。


……貴重な想い出か……

確かに楓ちゃんとの想い出をこれからたくさん増やしていきたいという気持ちが、俺の中に芽生えていた。

未だに元カノが俺の中にいるくせに、こんな気持ちが存在することは罪だろうか。


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