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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
最終章…遺伝子

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最終話 中条グループの未来は明るいです

最終話です。


 現在妊娠7ヶ月の楓ちゃん。安定期に入って落ち着いている。

お腹はすっかり大きくなり、お腹の中の赤ちゃんは元気いっぱいによく動いている。

俺は仕事を頑張りながらも楓ちゃんのそばに寄り添ってサポートし続けている。中条グループのみなさんもたくさん支えてくれて、順調に育っている。


楓ちゃんは大きくなったお腹を優しく撫でながら慈しむ表情をする。

その姿はまさに聖母。生命の神秘をこの上なく表現している。尊い。尊すぎる。


お腹を撫でる妻の手に、そっと俺の手も重ねる。

赤ちゃんの暖かさが伝わってくる。わずかな動きも伝わってきて、俺は目を細めた。



()()()()()()()もいますよ」



俺をお父さんと呼ぶ幼い少年。


俺と楓ちゃんの息子だ。

()()()()()、長男の白兎(はくと)。4歳。


俺たちが結婚してすぐに授かった子だ。楓ちゃんは19歳の未成年で子を産んだ。



「ん? ああ、わかっているよ。おいで、白兎」


俺が白兎の名前を呼ぶと、素直に駆け寄ってくる。

白兎の頭をよしよしと撫でてあげた。白兎は嬉しそうな顔をしている。俺たちの子可愛すぎかよ。


髪色は楓ちゃんと同じ金髪。目や耳は俺にそっくり。

中条グループの血を受け継いでいる子なので、使用人たちによって凄まじい英才教育を受けている。

まだ4歳だけどすごく頭も良く、丁寧な言葉遣いをしている。頭脳は楓ちゃんに似てよかった。



「お母さんも撫でてください!」


「うん、もちろんだよ。おいで、白兎」



次は楓ちゃんのところに駆け寄って、楓ちゃんに頭を優しく撫でてもらう白兎。

明らかに俺に撫でられるよりも楓ちゃんに撫でられる方が嬉しそうにしている。まあ無理もない。ママの楓ちゃん可愛すぎるからな。ママの方が懐かれるのは当然、俺も超納得している。


白兎は楓ちゃんに撫でられ続けてすごく顔が赤くなっていた。お母さんが可愛すぎるから照れちゃってるんだな。気持ちはわかるよ。俺も未だに楓ちゃんにデレデレしまくっているから。

女の子に弱いところは俺に似てしまったな、すまん白兎。



白兎は()()()と言った。

この場にいる子どもは白兎だけではない。


楓ちゃんが座るガーデンチェアの近くにベビーカーがある。


これは5年前に楓ちゃんが作らせた俺専用のベビーカーだ。俺の身長に合わせて作ったものなので普通のベビーカーよりもかなり大きいサイズ。俺と赤ちゃんプレイをする機会があるかもしれないのでその時に備えて用意していたものらしいのだが。



このベビーカーに、子どもが眠っている。それも3人も。

俺のサイズに合わせて作ったベビーカーなので子ども一人では大きすぎるのだが、3人でちょうどいい大きさになっている。

赤ちゃんプレイの用途で使うことはあまりなかったので現在子どものために使っているのだ。



3人とも、俺と楓ちゃんの娘。そして白兎の妹。



()()()()()、長女の(さくら)。2歳。

()()()()()、次女の胡桃(くるみ)。2歳。

()()()()()、三女の(あずさ)。2歳。


この子たちは()()()だ。

長女の桜は楓ちゃんと同じ金髪。次女の胡桃は俺と同じで黒髪。三女の梓はなんと黒色と金色のツートンカラーな髪色となっている。

3人ともすごく元気で可愛い子たちだ。楓ちゃんにそっくりで可愛い。俺に似ている部分があってもここまで可愛いのは、楓ちゃんの遺伝子がすごく優れているからだろう。



現在、楓ちゃんのお腹に宿っている赤ちゃんは、()()()だ。



6年前、女子高生だった頃の楓ちゃんは学校の全校集会で言っていた。


『最低でも子どもは3人欲しいです!』


……と。


『涼くんの子なら、10人は余裕で産めるよ』


……とも言っていた。



楓ちゃんは23歳の若さでもうすでに4人を産み、さらに1人を身籠っている。最低でも子ども3人欲しいという願いは無事に達成された。

さっき()()()()()()と言っていたが、それは妊娠出産に慣れたという意味。


23歳で5人も作っているのなら、本当に10人産みそうな勢いだ。

10人は余裕で産めるという宣言を、楓ちゃんは有言実行することになりそうだ。



……まあ、5人も作らせたのは俺なんだけどさ。俺の生殖能力も超絶好調で、5年で5人も楓ちゃんを孕ませた俺の精子元気すぎるだろ……それとやっぱり相性もあるのかな。俺と楓ちゃんは本当に相性が良い。

俺もう30になったけど、俺の方は何の問題もない。子どもが10人いても養える経済力はつけたし、精力的にも体力的にもあと5人とかあまりにも余裕すぎる。


当時の俺は楓ちゃんのことすごく愛が重いと思ってたけど、俺も大概だな。



「お父さん! 僕とキャッチボールしましょう!」


「ん? ああいいぞ」



楓ちゃんにナデナデされて照れている白兎は恥ずかしさを紛らわそうとしているのか、キャッチボールを提案してきた。持っているボールはビーチボールだ。


ビーチボールでキャッチボールか……昔……もう16年前になるか、幼い頃の楓ちゃんとビーチボールでキャッチボールした想い出を思い出し、懐かしい気持ちになった。



「いきますよお父さん!」


「よし、さあ来い!」



白兎はビーチボールを投げた。


―――ビシュッ!!!!!!


!?


速ッ!?


バシッ!



俺はなんとかキャッチした。危ない、取り損なうところだった。昔の俺だったら無様に顔面にぶつけられていたであろう。4歳とのキャッチボールでこんなに余裕のないキャッチになるとは……


速い。マジで速いぞこれ。ビーチボールってもっとふわっと投げるものじゃないのか。野球ボールみたいな速さで投げたぞ白兎の奴。ちょっと手が痺れてるぞ。ビーチボールで大人の手を痺れさせるとかどんだけだよ。



その後も何度かキャッチボールを続けた。さっきのは決してマグレではなく、白兎は何度も凄まじいボールを投げてきていた。ビーチボールって普通ポーンって感じじゃない? なのに白兎のはブオオオンッ!!!!!! って感じで来るんだけど。

えっ……マジかよ。お父さんたまげちゃったよ。白兎ヤバくないか? 4歳でこれ? 4歳でこんな剛速球投げるの? 自分の息子ながら、天才か? 怪物か?


白兎の背後にドラゴンのようなオーラが見える。楓ちゃんや賢三さんも持っている、最強無敵オーラが。

中条グループの遺伝子、恐ろしい……黄金の遺伝子だ。



キャッチボールは白兎が疲れるまで続いた。白兎は体力はまだまだだがとんでもない潜在能力をひしひしと感じた。俺も疲れた。



「お疲れ様、涼くんっ」


「ありがとう楓ちゃん」


イスに座ってキャッチボールを見ていた楓ちゃんは俺を労ってくれた。白兎のボールを取るのに苦労してたことバレバレだな。



「白兎マジですごいな……」


「当然だよ。だって私たちの子なんだから!」


楓ちゃんはそう言ってすごく嬉しそうに微笑んだ。

楓ちゃんは白兎の潜在能力を見抜いていたみたいだな。さすがだ。



「ふむ……確かにすごいな、白兎は。さすが儂の曾孫だ」


「あ、おじい様」


「あ、賢三さん」


いつの間にか賢三さんも来ていてキャッチボールを見物していたようだ。



「ひいおじいちゃん!」


白兎は賢三さんに駆け寄って抱っこしてもらった。

普段はクールで怖い賢三さんも、曾孫を抱っこする時はすごく笑顔になっている。



「見てたぞ。すごいな、白兎」


「ありがとうございます。ひいおじいちゃんに褒めていただけて光栄です」


「本当に逸材だ。このまま順調に育てば、この儂をも超える存在になれるだろうな」



マジで!? 賢三さんよりも強くなるの!? そんなに!?

俺今でも修業続けているけど未だに賢三さんの足元にも及ばないんだぞ。その賢三さんをさらに超えるとか……俺の息子はスーパーサ◯ヤ人だったのか?



「ははは、中条グループの未来は明るいな」


そう言った賢三さんは白兎をたかいたかいしてとても幸せそうだった。



「私もいるぞ」


「あ、お父様」


「あ、社長!」



声がした方向に俺と楓ちゃんが同時に振り向くと、そこには楓ちゃんのお父様で、俺の義理のお父様で、さらに俺の上司でもある中条グループ社長がいた。



「ふふふ、孫に会いに来たのだよ」


社長はそう言って、桜、胡桃、梓の3人が眠るベビーカーを起こさない程度にそっと優しく抱きしめた。

社長はギリギリ40代のアラフィフ。40代で孫ができてとても嬉しそうだ。



「可愛いなぁ、私の孫たち……3人とも楓にそっくりだ。将来必ずとんでもないべっぴんさんになるであろう……ふふふ、中条グループの未来は明るいなぁ」


「あの、社長。お時間は大丈夫なんですか?」


社長は超忙しく国内を飛び回っており、この家に帰ってくることはほとんどない。仕事は大丈夫なんだろうかと思って俺は恐る恐る尋ねた。

すると、社長は俺に穏やかな笑顔を向けた。



「ん? 大丈夫だよ。涼馬君が優秀だから私も以前より自由時間が取れるようになったからね」


「そ、それはよかったです」


褒められた。あの中条グループの社長に。優秀と言われるのに慣れてなくてなんかむず痒いものがある。

かつて無能すぎて会社に捨てられた俺。あの頃の俺はもういない。



「涼くん、おいでおいで」


「ん? どうした楓ちゃん」



楓ちゃんが穏やかな笑顔で手招きして俺を呼ぶ。

俺はすぐに楓ちゃんのところに行く。楓ちゃんはイスに座っているので目線を合わせるために俺はしゃがむ。



「お父様の言う通り、涼くんはすっごく優秀だよ。涼くんと結婚してから、私もすごく楽させてもらってるし」


「愛する楓ちゃんのためなんだから、このくらい当然だよ」


「ふふっ、いつもありがとね、涼くん。大好きだよ」



チュッ



子どもたちも賢三さんも社長もいるけどお構いなし。

楓ちゃんは俺の頬にキスをした。


ぷるんと柔らかい唇の感触で、ボンッと爆発するように俺の顔は紅潮した。


楓ちゃんの唇で、俺は無限に頑張れる。どんな試練も乗り越えられる。完璧に躾けられている。



楓ちゃんと結婚して、子どももいっぱいできて、お父さんになって、社長の側近になって。

それでも今も変わらず、俺は楓ちゃんの従順なペットだ。




『彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました』



―――END―――




―――――――――

作者です。

『彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました』

略して『デレ乳』、これにて完結となります。


読んでくださった方、本当にありがとうございました。


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