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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
最終章…遺伝子

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楓ちゃんと結婚します




―――




 季節は春。

楓ちゃんは星光院学園を卒業した。


それと同時に、俺もこの学校の勤務をやめることになった。

これからは正式に中条グループの一員になって楓ちゃんを幸せにするために頑張っていくことになる。



俺は楓ちゃんと結婚する。

楓ちゃんが高校を卒業してからすぐに。



結婚式が行われる場所は、海外だ。

しかも式場はお城だ、お城。でっかいお城。ファンタジーの世界だろって思わせる幻想的なお城。

ここで大好きな女の子と結婚するんだと思うと、俺を構成するすべての物質が沸騰しそうだ。


式場にはものすごく大勢の人が来てくれた。俺たちの結婚式の招待客は、なんと1000人以上。

さすが中条グループのお嬢様、祝福してくれる人の数のケタが違う。超大規模結婚式だ。



「新郎入場」



新郎、俺が入場する。

やっぱり人が多すぎる。これだけの多くの人に見られるとどんなに心を鍛えててもやっぱり緊張でガチガチになるな……だから俺はロボットみたいにぎこちなく歩く。



「新婦入場」




花嫁の楓ちゃんが入場した。

楓ちゃんの姿を見て、たくさんの勇気と元気をもらった。1000人以上の人たちに見られててももう関係ない、だって楓ちゃんしか見えないから。



ウエディングドレス姿の楓ちゃん……

―――キレイだ……


俺の脳内ではこの究極の美しさを形容する言葉を必死に探しているが、『キレイ』の一言だけでいい。それ以上の言葉は一切出てこないくらいに見惚れた。


花嫁の楓ちゃんは妖艶に微笑む。その表情も俺の心臓を射抜いた。


純白ドレスと楓ちゃんとお城。すべてが完璧に似合っている。

このお城は楓ちゃんのためだけに存在する、そう思わせる。



神父さんの前で、俺たちは向かい合った。

キレイだ。なんてキレイなお嫁さんだ。俺の嫁だ。俺だけの嫁だ。

心の中は大暴走してしまっていた。



「では、誓いのキスを」



ぷるんと潤った、艶やかな楓ちゃんの唇を、そっと塞ぐ。

俺たちは誓いのキスを交わした。



…………


……


……キスを交わす時間がちょっと長いかもしれない。でも俺的には長さを感じない。

楓ちゃんの柔らかい唇が気持ちよすぎて、キスが止められない。

1000人以上の方に見られていることはもうすっかり忘れていた。楓ちゃんとの誓いのキスは、最長記録目指してんのかってくらい時間が長くなってしまった。


しっかりと、愛を誓い合った。




―――




 楓ちゃんと結婚してから、5年後。

俺は30歳、楓ちゃんは23歳。



現在の俺たちのフルネームは、()()()()()()()となっている。

俺は今も中条家に住んでいるが、婿入りはしていない。名字は安村のままで妻の実家に住むという、マスオさんみたいな感じになっている。


結婚して俺たちの名字はどうするかと楓ちゃんとよく話し合った結果、楓ちゃんが安村姓を名乗りたいと熱望したことで安村という名字を選択することになった。中条の方が圧倒的に格上の名なのに安村を選んでくれた楓ちゃん。すごく嬉しかった。

中条楓は安村楓になったが、今も中条グループのお嬢様であることに変わりはない。



名字を同じにしてますます絆が深まった俺たち夫婦。5年経ったって俺たちは新婚ホヤホヤの気持ちでイチャイチャするラブラブ夫婦である。

これまでも、これからも。



現在の俺は、楓ちゃんのお父様、中条グループ社長の側近をやらせてもらっている。

周りからも認められ、次期社長と言われているがお父様は今も現役バリバリで社長をやっているので次期社長の話とかが出るのはまだまだ当分先のことだろう。


死ぬほど多忙だが、今も賢三さんの弟子として修業は続けている。

まあさすがに山にはもう行ってない。かつてのトラウマな山だったがもうすっかり慣れたし、忙しいからいちいち山に行ってられないし。


賢三さんもまだまだ元気だ。本人は年には勝てずに最近かなり衰えたと言っているが、俺から見れば賢三さんはまだまだ最強、俺の100倍以上強い。



 今日は貴重な休日。俺は賢三さんと修業していた。家に賢三さんの道場があるので、そこを使わせてもらっている。



「ふむ……また腕を上げたな、涼馬」


「いえ、俺はまだまだですよ。仕事がどんなに忙しくても、鍛錬は欠かしません」


「そうか、それは良い心がけだ。でも今日はもう終わりでいいぞ」


「いいんですか?」


「今日は休日だろう? 楓とゆっくりするといい」


「そうですね、ありがとうございます」



賢三さんに一礼して、道場を出る。

そしてすぐに楓ちゃんのいるところに向かう。




 鯉がいる池のある、中条家の庭園。

鯉もすごく元気だ。すごく元気にでかくなっている。エサもめっちゃ食う。そんなでかくなった鯉が何匹いても狭さを感じさせないほど、庭の池は広い。


庭園は、初めてここに来た時からずっと変わらず美しい景色。今日はいい天気だからさらに美しい。

そして庭園のほぼ真ん中、立派なガーデンチェア。

昔、楓ちゃんに跪いて足の甲にキスをした大切な場所だ。大切な想い出の一つな場所だ。



そこに、最愛の嫁で最愛の妻である楓ちゃんが座っていた。



「涼くんっ!」


「楓ちゃん!」



楓ちゃんは笑顔で手を振った。可愛すぎる。

俺も笑顔で手を振り返した。


イスに座る楓ちゃんのそばにしゃがみ込んだ俺は、楓ちゃんとチュッとキスをした。



楓ちゃんはずっと変わらない。常に極限に美しい。Gカップ巨乳の最強無敵の美少女だ。

昔、髪型を褒めた。すごく似合ってて可愛い、俺としては変えてほしくない、って言った。

そしたら楓ちゃんは『涼くんがそう言うなら絶対に変えない。ずっとこのままの髪型でいるから』と答えた。


その言葉通り、楓ちゃんは今も全く髪型を変えていない。

ゆるふわな長い金髪。ふわりと揺れていい匂いがする。ずっと大好きな匂いだ。



「楓ちゃん、調子はどうだ?」


「すごく元気で絶好調だよ! ()()()()()()から全然平気!」


楓ちゃんはピースを作って満面の笑顔で答えた。可愛い。



「そうか、それはよかった」


すごく元気そうな楓ちゃんを見て、俺も穏やかな笑顔が零れた。



楓ちゃんは、お腹が大きくなっている。


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