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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
第28章…ラブ

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楓ちゃんと遠くの島に行きました

 飛行機は飛ぶ。深夜の空をずっと飛んでいた。

俺たちは寝る。思ったよりかなり長時間飛んでいるが、カップルシートで楓ちゃんのとなりで寝るのは最高に幸せだ。



「涼くん、起きて……朝だよ」


「!」


「おはよう涼くん」


「おはよう楓ちゃん」



楓ちゃんに囁かれて、パチッと目覚める。楓ちゃんの甘い囁きで俺はすっかり元気いっぱい覚醒モードだ。



「目的地に着いたよ」


「あ、着いたのか」


「うんっ! クリスマスにふさわしい、最高のクリスマスを楽しめる場所だよ!」


「そうか、テンション上がってきたな」



スマホを確認すると、7時間も飛行機に乗っていたのか。日付が変わって今は朝だ。クリスマスイブではなくクリスマスになっていた。すごい遠距離を移動したんだな。

ここはどこなんだろうか。ワクワクしながら楓ちゃんと手を繋いで飛行機から降りる。



!?


暑っ!?



外の空気に触れた瞬間、熱気が。

ずっと冬モードでいたから身体全身が超ビックリしている。


靴も熱い。着地したのは灼熱の砂浜。

サンサンに照りつける太陽。朝でももうすでに太陽パワーハンパない。

前を見ると、辺り一面の海。どこまでも海。

そして後ろを見ると、何本も生えたヤシの木。ジャングルみたいな森。


今いるこの場所は、どこからどう見ても、()の世界。


え、あれ!? なんで!? 今日はクリスマス……だよな!? 今冬だよな!?

昨夜は雪がいっぱいの世界にいたから、寒暖差が激しすぎて開いた口が塞がらなさすぎて逆に口を閉じてしまう。



「それでは楓お嬢様、24時間後にまた迎えに来ます」


「はい、お願いします」



楓ちゃんはパイロットの人に丁寧に頭を下げた。パイロットの人は俺を見てなんか親指をグッと立てていた。

俺もぎこちなくも深々と頭を下げた。


パイロットの人が乗った飛行機は、再びブオオォと飛んでいった。



…………


で、どこだここは。

俺の脳内はグルグルと大回転している。混乱した俺では海だということしかわからん。

場所が全然わからんが、場所がどこだろうと楓ちゃんと二人きりなのは幸せです。


夏にも中条グループ所有のプライベートビーチに行ったが、冬にもこういうところに来るとは思わなかった。

プライベートビーチと比べると砂浜は少し狭いような気もするが、海の色は青というよりもエメラルドグリーンって感じの色で透明感が凄まじすぎる。海水の状態はプライベートビーチすらも凌いでいる。

とんでもなく美しい海だ。マジで世界が違う。



「……それで、楓ちゃん……ここはどこ?」


「南半球にある、中条グループ(ウチ)が所有している無人島だよ」


「無人島!?!?!?」



南半球って……南の島!? そんなに遠くに!? 赤道越えちゃったのか!?

中条グループはプライベートビーチだけではなく、島まで持っているのか!!

中条グループの支配力は南の島にまで届いている。俺の想像を絶する。中条グループマジで強すぎる。



「どう? 涼くん、この島は。プライベートビーチとはまた違った、すごい景色でしょ?」


「ああ、すごいよ。ものすごくすごいよここは。

……でも楓ちゃん、一つだけいいか?」


「なーに?」



「楓ちゃんさっきクリスマスにふさわしい場所だって言ってたよな。

…………クリスマス要素は……どこだ……?」



この島のどこをどう切り取っても、夏、夏、夏。夏全開である。クリスマス要素が1ミリも見当たらない。

あまりにも予想と違う場所で、頭の中はハテナマークでいっぱいである。



「えーっと……あ、これ見て涼くんっ!」


波打ち際を歩きながらキョロキョロと周りを見渡していた楓ちゃんは、ある部分を指差した。



「ホラこれ、トナカイの角! クリスマス要素だよ!」


「いやそれ木の枝じゃねぇか!」



砂浜に打ち上げられた木の枝だった。

細かく枝分かれしていて、遠くから見ると動物の角に見えなくもないが。



「これ見て涼くん! この岩に赤い血がついてる!

何かの動物がここでケガしちゃったんだと思う。この血の色、私が着てるサンタ衣装の色と同じ赤だよ。

クリスマスといえば赤! この血はクリスマス要素だよ!」


「お、おおう……ケガした動物は大丈夫なんかな……」


なんか怖ぇなこの島……ワクワクしてくるけど油断はできんな。



「……っていうか、暑いッ……‼︎」


この島の景観に圧倒されてしばらく感覚を忘れていたが、時間が経つとメチャクチャ暑いじゃねぇか! と自覚する。


そこまで着込んでないとはいえ、俺は今冬服なんだよ! そりゃあ暑いに決まってる。

昨日までと比べて寒暖差がエグいから余計暑く感じる。



「そうだね、暑いね~」


楓ちゃんは苦笑いしながら手をパタパタとしている。可愛い。


楓ちゃんはミニスカサンタ姿のままだからな。下半身はミニスカで涼しそうだが、上半身は長袖の生地が厚いサンタ服を着てるから当然暑いだろう。


灼熱のビーチにミニスカサンタ美少女……背景と服装があまりにも合ってないが、それが良い。ミスマッチなのもそれはそれですごく可愛い。結論、楓ちゃんは可愛い。



「暑いから脱いじゃおっか」


「!!!!!!」



『脱ぐ』という言葉に強く反応してしまうのは許してほしい。


楓ちゃんはサンタのブーツを脱ぐ。

ブーツを脱ぐ仕草もエロい。


そして、サンタの衣装もゆっくりと脱いだ。なんてエロい脱ぎ方……エロすぎて目が溶けそうだ。


大胆だ。ここは無人島で誰にも見られる心配がなくて、俺は彼氏だから何も問題はないけど。それでも大胆でイヤラシイ光景だ。

紳士を目指している俺はできるだけ見ないようにする。でもやっぱりチラチラ見てしまう。チラチラと飛ばす視線でもしっかりと目に焼きつけた。



……ん? それって……水着?



楓ちゃんはサンタ服の下に水着を着ていたようだ。

昨日の夜からずっと水着を着てたのか。そうか、水着着てるならそりゃ堂々と脱ぐよな。



水着もサンタバージョンだ。サンタビキニの楓ちゃんだ。

端に白いモコモコがついている、紐の赤ビキニだ。


ふわりと揺れる金髪。たゆんっと揺れる乳房。俺を見つめる美しく輝く瞳。

どこまでも俺を悩殺する。


サンタとビキニの組み合わせも破壊力が絶大だ。

プライベートビーチの時に着てた白ビキニと同じくらいの布面積のビキニで、俺の好みが完璧に把握されている。


白ビキニも赤ビキニもどっちも甲乙つけがたい。どっちも俺の心臓を焼き尽くして溶かし尽くす魅惑の姿。



まさか、クリスマスにビキニ姿の楓ちゃんを拝むことができるとは夢にも思わなかった。

すごく予想外の日になったけど、今日も最高の日だ。南の島に来られて本当によかった。

連れてきてくれて本当にありがとう楓ちゃん。パイロットさんありがとう。中条グループのすべての人ありがとう。


中条グループだからこそ実現した、夢のような時間。

俺たちだけの真夏の世界のクリスマスが開幕した。


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