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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
第3章…学校

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学校には男子トイレがありませんでした




―――




 ザッザッ、ザッザッ


また掃除にのめり込んでいた。スマホを確認したところ、もうすぐお昼休みの時間。あっという間に時間が経った。


…………


……


ヤバイ、メチャクチャトイレに行きたくなってきた。

尿意が急に襲ってきた。急に来たし膀胱が悲鳴を上げているぞ。もっと少しずつ段階を踏んでゆっくり尿意が来てほしいんだけど、なぜか急に殺意MAXの尿意が襲ってくることがある。

それが今だ。緊急事態だ、大至急トイレに行かなくてはならない。


……トイレ……トイレはどこだ……!!!!!!


トイレどこ……俺の近くにはない。こんだけ広い学校なんだからトイレもたくさんあるはずなんだが、どこにあるんだ。しくった、楓ちゃんにトイレの場所を聞いておけばよかった。学校から出てトイレを探すか!? いやダメだ、学校広いし間に合わない。

ああ、考えている余裕はない。こうしている間にも膀胱がパンパンに膨れ上がっている。トイレ、トイレ、早く、早く……


あッ、ガチのマジでヤバイ。膀胱が破裂寸前。漏れる、漏れる……!

ここ女子校だぞ、ここで漏らすわけにはいかない。いや女子校じゃなくても漏らすわけにはいかないんだが、女子校では特に漏らすわけにはいかない。成人した大人の男が漏らすわけあるか。もし女子生徒に股間がびっしょりなところを見られたら本当に人生終わるぞ。とにかく早くトイレだ。


マジでトイレどこだ。どこにあるんだ。俺は死ぬ気でトイレを探す。速く走ることができずちょっぴり内股で必死に探す。



あっ! たまたま近くを通りがかった女性の姿が! メガネをかけてスーツを着ている、たぶん教師の人だろう。あの人にトイレの場所を聞こう!



「あ、あのっ、すいませんっ!」


「ひっ!? な、なんでしょうか……!?」


なりふり構わず必死の形相だったんで女性を怖がらせてしまった。ごめんなさい本当に余裕がないんだ。


「と、トイレはどこですか……!?」


「トイレ……? この学校に男子トイレはございませんが……」


「……―――!?!?!?」



え……ないの……!? 学校に男子トイレないの!?

そ、そうか、ここ女子校だった……いやいくら女子校でも男子トイレ一つもないんか!? 来客用のトイレとかないんか……!?


溺れかけているところを足を掴まれて水底に引きずり込まれるような恐怖の絶望が俺を貫いた。


女性教師は行ってしまった。トイレ、ない……俺、膀胱決壊寸前……詰んだ。

もうトイレを探す気力も残ってない俺に残された道は一つしかなかった。


もう、その辺でトイレを済ませるしかない。生い茂った草むらで隠れてこっそりトイレするしかない。

野外で立ちションなんて一度もしたことないのに。さらに女子校で立ちションするなんて変態すぎる。でももうそれしかない。


とにかく絶対に誰かにバレるわけにはいかない。もし誰かに見られたら本当に終わりだ。絶対に誰にも見つからない場所……


いい感じに木や草がいっぱい生えてる場所をなんとか見つけることができた。よし、ここなら……こんなところにわざわざ入ってくる人もいないだろう。


周りを見渡して誰もいないことを確認し、俺は草むらの中に入る。

草むらの中でも特に一番隠れられそうな場所に立つ。


できる限り音を立てずに、できる限り素早く、できる限り木や草にかけないように、用を足すのだ。



カチャカチャ

ジーッ……


ベルトを外す音、チャックを下ろす音が無駄に大きい気がする。心臓の音も学校中に響いてる気がする。気がするだけで実際にはそんなわけないのだが、小心者の俺はそのくらい緊張していた。


慎重に、チャックの隙間から陰茎を取り出す。

夢にも思わなかった。女子校の敷地内で生殖器を露出するハメになるとは。やむを得ない緊急事態とはいえあまりにも変態すぎる行為で羞恥心と背徳感が俺の中を渦巻いている。


渦巻いているがそれよりもはるかに巨大な排尿欲。陰茎を出した瞬間に決壊したようにとんでもない勢いで小便がブシュッと発射する。全く我慢できなかった。自分の意志で全く制御できないほど自身の膀胱は追い詰められていた。



ジョロロロ……


ちょっ、小便の音がうるさい。もっと静かに……いや無理だ。抑えられない。蛇口全開で締められない。自分でも信じられないようなとんでもない量と勢い。人生でも最大と言っていい飛距離の豪快な排尿。

木や草にできるだけかからないようにと思っていたが無理だ。どうしても広範囲に容赦なくぶっかけてしまう。ごめんなさい。


ジョロロロ……


時間がかかるし、音もすごいし、焦る。冷や汗がダラダラ出てくる。早く出し切れと必死で願うがなかなか止まらない。どこまで出るんだ、出すぎだろ。早く、頼むから早く終わってくれ。

焦燥感とともに排尿時の快感が無駄に伴い、俺は恨めしく思った。



―――ガサッ



!!!!!!


心臓がマジで止まった。すぐ近くで草むらをかきわける物音がした。

いやまさか、まさかな……人が来るわけないだろう。絶対に誰も来ないようなところなんだから。きっと犬や猫だろう。犬や猫でも恥ずかしいけど人間じゃなければなんでもいい。

大丈夫、人が来るわけない……



ガサゴソ


「涼くん……?」



「」



終わった。俺の心臓はグシャッと握り潰された。


なんで……? なんでだよ。

なんでよりによって楓ちゃんなんだよ。なんで楓ちゃんがここに来た? こんなところに来る理由なさすぎなのになんでここに来るんだ?


なんで来てんだよとか考えても仕方ない。実際に楓ちゃんが来てしまったんだから。考えうる限り最悪な展開になった。



「どうしたの涼くん、こんなところで何して……る……の」



ジョロロロ……


「……―――」



楓ちゃんの視線が下に行って、楓ちゃんはピシッと停止した。

俺の陰茎が露わになっている。先っぽからすごい勢いを保ったままの小便が汚い虹を作るくらいの重力に従った曲線を描いている。


俺も停止した。今すぐにでも性器をしまうべきなんだが今だけは絶対にできない。今でも絶賛放尿中なんだ。中断できない。尿を出し終えるまでこの状態を終わらせられない。


楓ちゃんの整った顔は一瞬の真顔の後、カーッと赤く染まっていった。



「―――~~~ッ……!」



悲鳴を上げられて他の人にもバレると思った。人生の終わりを覚悟したが、楓ちゃんは押し殺すような声を出して、後ろを向いて真っ赤になった顔を両手で覆って俯いた。


この反応……確実に完全に見られた。男の大事なアレを。実は見られてなかった、セーフなんて可能性はゼロになった。


ここでようやく尿を出し終えたが、今さら終わってももう遅い。もう見られてしまった。




 ―――数分後。

俺は体育座りで落ち込んでいた。楓ちゃんも気まずそうに俺から背を向ける。



「……ごめん楓ちゃん。大変見苦しいものを見せてしまった」


「ううん、私の方こそごめんなさい。でもこれだけは言わせて、決して見苦しくなんかなかったから。ホラ、ペットがトイレしてるところを飼い主が見るのは何もおかしくないから……」


何のフォローにもなってねぇよ……死にたい。



「……ところで涼くん、なんであんなところで……?」


「だって男子トイレがないって言われて……もう我慢の限界で仕方なかったんだよ」


そう言うと楓ちゃんはハッとした表情をした。



「そ、そういえばこの学校、男子トイレなかった……!」


今気づいたんか?


「ごめんなさい涼くん、トイレのこと全然考慮してなかった! 私のせいで涼くんを酷い目に遭わせちゃった……男子トイレもないところに涼くんを連れてきちゃって、本当にごめんなさい!」


「いいよ別に、もう終わったことだし……」


そんなしおらしく謝られると余計惨めになる。楓ちゃんはもっと毅然とした女王様みたいなキャラだろ。こういう時だけ優しくなるの反則だろ。



「わかった、私の権限で今すぐ男性用トイレ作らせるから!」


「えぇ? いいよそこまでしなくても」


「ダメだよ、涼くんには私が卒業するまでこの学校で働いてもらうんだから!」


「そ、そうなのか……」



気持ちは嬉しいけどもう最悪な事故起こっちまったしなぁ……ああ、こんなに可愛い女の子にチンチン見られてしまった事実に耐えられない。

俺は土の中に埋まりたいくらい落ち込んだ。



「元気出して涼くん! もうお昼休みだしさ、一緒にごはん食べようよ!」


「俺金ないし食い物も持ってないし……」


「大丈夫、私キミのためにお弁当作ってきたから」


「え、弁当!?」


「うん、私の手作り弁当」



楓ちゃんは布で包まれた弁当を俺に見せて、笑顔を作った。


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