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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
第25章…プライベートビーチ

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1年後になりました




―――




 ―――1年後。

賢三さんに弟子入りしてから1年が経った。


この1年間、俺はみっちり修業を積んできた。

あまりにも地獄だったが、なんとかこうして生きている。

楓ちゃんがいるからどんなに地獄でもなんとか生きてこれた。俺がなんとか1年頑張ってこれたのは楓ちゃんのおかげだ。俺1人だったらもうとっくに死んでると断言できる。


楓ちゃんも学校や習い事で忙しいため毎日というわけにはいかないが、俺の修業を何度も見に来て応援してくれている。本当にこの応援に何度助けられたことか。


とにかく楓ちゃんのおかげで1年頑張ってきて、少しはマシな男になれたのかなと思っている。



学校の仕事も始めて1年になる。

いろいろやらされたがもう慣れてきて、だいたいのことはそれなりにできるようになってきた。


楓ちゃんは3年生になった。

今も変わらず生徒会長として星光院学園のエース的な存在として大活躍している。


つばきちゃんは卒業した。

あの全校集会以来、一度も会話することはないまま卒業していった。

でも卒業前に友達ができたみたいだ。仕事中に楽しそうに生徒と話しているところを見たことがある。その姿を見て俺はホッとした。

たぶんもう会うことはないと思うけど、幸せになってほしい。


堀之内さんは楓ちゃんと別のクラスになって、ほとんど会うことはなくなった。

今まで通り仲間とつるんで不良をやっているらしい。楓ちゃんがちゃんとシメてるのでそんなに悪いことはしていないと思うが。



 早朝。今日も朝の修業が始まる。場所はいつもの山。かつてはトラウマだったこの山でずっと修業をしてきた。


俺、賢三さん、楓ちゃんの3人が山に入った。

今日は楓ちゃんが応援に来てくれた。いつも以上に気合いが入る。



「では修業を始めるぞ」


「はい、よろしくお願いします!」



まずは賢三さんとの山中の鬼ごっこだ。賢三さんが山の中を逃げるので俺が追いかけて、賢三さんにタッチできたらクリア。この修業をずっと続けている。



「涼くん頑張って!!」


「ありがとう楓ちゃん」



楓ちゃんは今日も完璧に究極に可愛い。

楓ちゃんと再会して拾われたあの日からずっと、楓ちゃんは完璧で究極で不変な可愛さだ。



賢三さんは走り出す。俺は追いかける。楓ちゃんもついてきてくれる。

山の中をすごいスピードで駆けていく賢三さん。俺も必死で追いかける。


修業を始めたばかりの頃は全然追いつけなかった。惜しかったことすら一度もなかった。賢三さんのすごさと自分のダメさを痛いほど痛感してきた。

それから1年経った今は!



「ハァ、ハァ、ハァ―――ッ!!」


―――ピトッ!



全力で気力を振り絞って、なんとかギリギリで賢三さんの背中に触れることに成功した。

タッチした瞬間、賢三さんはピタッと止まった。



「ふむ……指先でかすっただけだが、タッチはタッチだな。よかろう、鬼ごっこクリアだ」


「あ、ありがとう、ございます……ゼェ、ゼェ……」



賢三さんは涼しい顔をしていた。賢三さん的にはあくまで軽いウォーミングアップ程度の運動だ。

対して俺は死ぬ気で全力で走った。それでようやくギリギリのギリギリでタッチできた。


最初は届く気配すらなかったレベルだった。絶望を感じるほどの格差だった。俺は死ぬ気で修業を続けて、初めて鬼ごっこクリアできたのは3ヶ月くらい前だったかな。それから5割以上の確率でタッチできるくらいにはなった。

ギリギリでもかすっただけでも、俺的には大きな成長なんだ。この1年で、俺は大きく成長したんだ。



「わぁ! すごいっ涼くんっ!!」



楓ちゃんはぴょんぴょん飛び跳ねながら俺を褒めてくれた。

楓ちゃんのたわわな胸がいやらしく揺れる。すごいのはキミの胸だよ。


楓ちゃんとお付き合いを始めてから1年。楓ちゃんの胸はGカップであることが判明した。

Gカップ……なんて良い響きなんだ。


というか楓ちゃんも俺の走りにピッタリとついてきて、それでいて息一つ切らしてないよ。俺は膝に手をつかないといられないというのに。胸もGだし能力もグレートのGだしすごいなぁ楓ちゃんは。


この1年で成長した俺は、賢三さんと楓ちゃんの強さのヤバさが以前よりもよくわかるようになった。

本当にすごい、追いつける気がしない。それがわかるだけでも成長の証とポジティブに捉えて拳を強く握りしめた。



 次の修業! 紙ヒコーキを飛ばしてキャッチする修業!!


俺は折り紙で紙ヒコーキを折った。この1年、修業の日は毎日紙ヒコーキを折り続けてきた。

おかげで紙ヒコーキを折るのも上達したような気がする。



そして静かに紙ヒコーキを飛ばし、飛ばした瞬間走り出す。

不規則な飛び方をする紙ヒコーキを全力で追いかける。


紙ヒコーキが地面に落ちる寸前、ギリギリのところで紙ヒコーキをキャッチすることに成功した。

本当にギリギリだ。スライディングキャッチをした。石や木の枝とかでちょっと痛いが、紙ヒコーキを取れた喜びの方が大きかった。


俺はすぐに立ち上がり、掴んだ紙ヒコーキを高々と掲げた。



「うむ、紙ヒコーキを取る修業もクリアだな」


「ありがとうございます!」



紙ヒコーキをキャッチする修業も、5割以上の確率でクリアできるようになっていた。

成長を実感し、俺はまた自信をつけてガッツポーズをした。



「やったね! さすが涼くんっ!」


むぎゅっ


「っ!!!!!!」



楓ちゃんが飛びついて俺に抱きついた。

柔らかいGカップ乳がふにゅんと当たってて、力強く掲げたはずの紙ヒコーキをポトリと落としてしまった。

柔らかい胸の感触で俺の肉体も力が入らなくなってふにゃふにゃになってしまった。でも股間だけはビンビンに硬くなっていた。



「…………」


ハッ! 賢三さんがジッとこっちを見ている。

楓ちゃんの乳で興奮しまくっている俺を見ても賢三さんは一切表情を変えることはなくてものすごく真顔なのがとても怖かった。



「……ふむ……楓がいると集中できなくなるのではないかと思っていたが、むしろ楓がいる方が高いパフォーマンスを発揮しているようだな、涼馬」


「そ……そうですか?」


気が抜けちまって怒られるのかと思ったら、むしろ褒められた。



「当然ですよおじい様! 私と涼くんの2人が揃えばいつだって無敵ですっ!!

ねっ、涼くんっ!」


「あ、ああ、そうだな!」



上目遣いの楓ちゃんに見つめられ、すっかり復活した俺は活力全開で拳を握りしめた。

が、楓ちゃんの柔らかい胸で腕を挟まれて、またしてもふにゃふにゃにやられてしまったのだった。


1年一緒に過ごしていても、どんなに修業を重ねても、楓ちゃんの胸にだけは絶対に勝てない。一生勝てる気がしないと確信した。


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