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彼女に捨てられて仕事もクビになった俺は、ヤンデレ金髪巨乳女子高生に拾われました  作者: 湯島二雨
第24章…デート

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ショッピングデートで楓ちゃんに焦らされました

 カフェの時間、とても幸せだった。とてもおいしかった。


俺たちはカフェを出た。


あの日と同じルートを辿るのであれば……次は、ラブホテルということになるが……

果たして本当にラブホテルに行くのか……


楓ちゃんはあの日と同じ道を歩いている。

この方向は、やはりラブホだ。やはりラブホに行くのか。


心臓の鼓動が太鼓を鳴らしている。

あっ、あの日行ったラブホが見えてきた。ピンクの看板が見えた途端、心臓の太鼓を鳴らす自分自身が気合いを入れやがった。呼吸の速度が上がっていく。



しかし、ラブホを目の前にした寸前で、楓ちゃんはクルッと方向転換した。どんどんラブホから離れていく。俺も慌ててついていく。


あれ……? ラブホじゃないのか?

チラッと楓ちゃんを見ると、ニコニコしながら俺を見た。



「いい天気だし、こうして2人で歩いているだけでも楽しいね!」


「そうだな」



確かに楓ちゃんの無邪気な笑顔を見れるならなんでも楽しい。いい天気ならなおさら。

あの日のルートとは異なる道を歩き始めて戸惑いの気持ちもなくはないが、楓ちゃんのそばにいれるのなら急な方向転換でも文句などあろうはずもない。戸惑いなどよりも幸せの気持ちの方が圧倒的に上回っていた。



むぎゅっ


「!!!!!!」



「カップルで歩くなら、やっぱりこうしてくっついていたいよね!」


「そ、そうだなっ……!」



楓ちゃんは俺の腕に腕を絡めて密着する。

俺の腕を挟むように、楓ちゃんの柔らかい胸の感触がむにゅっと押し当てられる……腕がなくなっても悔いがないと断言できる幸せの極致だ。

心臓の太鼓も棒が折れるくらい強く鳴らされるし、股間の方にある太鼓もドンドンッと強く刺激されてスイッチが完全に入ってしまった。


現状ラブホは回避しているが、こうして俺に抱きついているとなるとそういうことを拒否しているわけではないのは間違いない。

焦らしているのかな……俺がラブホを意識しているのをわかっててわざとすぐには入らずに焦らしているんだろうか。


ラブホ焦らし、これはかなり俺に効く。楓ちゃんはいつだって俺の心を乱していく。こんなにも乱されているのに、たまらなく心地良かった。




 俺たちはデパートのアパレルショップにやってきた。

アパレルショップに入ってみると、何か違和感を感じる。


店内に誰もいない。俺たち以外誰もいなくてシーンとしている。

店内放送は流れているから閉店状態ではないはずなんだが、店内放送だけはあるのが逆に誰もいない静寂さを際立たせているような気がする。



「楓ちゃん、この店誰もいないみたいだな……」


「うん、いないよ。だってこのお店貸切にしたから」


「え!?」


「私がちょちょいと電話して、30分くらい貸切にしてもらったんだ。涼くんとじっくり買い物デートしたかったから」



中条グループの権力……!

ちょちょいと電話しただけで貸切状態にするとはさすが大企業のお嬢様といったところか。



今だけは俺たち専用の空間で、ショッピングデートが始まった。

楽しそうにいろいろな洋服を見て回る楓ちゃんがすごく可愛い。楓ちゃんが洋服を手に取る度、洋服になりたいなんて思ってしまった。



「ねぇ、涼くん」


「どうした?」


服を見ながら俺に話しかける楓ちゃん。



「涼くんはホテルに行きたいの?」



「!!!!!!」



俺をジッと見つめる楓ちゃんの表情はクスクスと微笑する小悪魔的な魅惑の表情だった。小悪魔な楓ちゃんも可愛すぎる。


バレてたか。そりゃバレるか、どこからどう見てもホテルに行きたがっているの丸出しだったからな俺。

そしてやっぱり焦らしているのか楓ちゃん。その焦らしに俺は釣られたままエサを与えられずに踊らされている。



「私も、凉くんとなら行きたい」


「!」


「というかこれは上書きデートなんだからもちろんこのあと必ずラブホテルは行くけど……」


楓ちゃんは指先で俺の鼻先をツンッとつつく。



「せっかくだからお楽しみはあとに取っておきたいなって。それにラブホテルなら夜に行った方が楽しそうじゃん。

凉くんはペットなんだからちゃんと『待て』ができるよね?」


妖艶な微笑で『待て』をされる。ペットが抗えるわけがない。



「はい、待ちます」


「ふふっ、いい子いい子」



楓ちゃんによしよしと撫でられる。

これは上書きデートだし休日を最大限に楽しむためのデートでもある。お楽しみをあとに取っておくことに異論はない。



 ショッピングデートを初めて10分くらい経った頃。ある程度の服を確認できたようだ。



「よし、じゃあ試着してみようかな」



気に入った服を何着か持ち、試着室に移動する俺たち。

試着室という言葉にも、俺は意識せざるを得ない。実際に試着室を目の前にすると、ドキドキと心臓が跳ねた。



「涼くん、おいで」


「!?」



シャッ!


カーテンを閉める音が店内に響く。



俺は楓ちゃんと2人きりで試着室の中にいた。

あれ、試着室って普通は1人で利用するもんだよな……2人で入るもんじゃないよな普通は……


楓ちゃんは頬を赤らめてモジモジしている。

狭い空間、大きな鏡、2人きりで閉じ込められているみたいな世界、なんとなくピンクな雰囲気になってくる。



「……ホラ、涼くん。そのね、せっかく貸切にしてもらったんだし、誰もいないからちょっとくらい刺激的なことをしてもいいかなって思って」


「刺激的な、ことって……」


「たとえば、キミの目の前で、着替えたりとか……」


「!?!?!?」



普通に考えて、なんでわざわざ俺の前で生着替えをする必要が!? それじゃ試着室の意味があまりないのでは?


……しかし……

楓ちゃんの美しく滑らかな鎖骨や、ちょっとだけ覗かせる谷間の始まりに視線が行くとゴクリと生唾を飲み込み、思考回路が止まって溶ける。



真っ赤な顔で俯いて、ゆっくりと服に手をかける。

本当に今ここで脱ぐのか……!? 俺は瞬きするのを忘れて呼吸をするのも忘れて凝視した。



ドキドキ……

ドキドキドキドキ……



「―――っ、ごめん涼くん! やっぱり恥ずかしいから1人で着替える!」


「え!?」



俺はグイッと背中を押されて試着室から追い出され、カーテンをシャッと閉められた。


…………

これも焦らしか……!? なんという焦らしプレイだ! これはヘビの生殺しだ……


カーテンは完璧に閉められていてどんなに目を凝らしても中を見ることはできないが、服の布が擦れる音が俺の耳を敏感にして、さらに情欲を煽られる。中を見ることができないからこそ、想像力が強く働いて性的興奮を掻き立てられる。


自分でも引くほど股間が熱く硬くなっていて、両手を当てて隠した。

落ち着け、臨戦態勢になるにはまだ早い……




しばらくして、カーテンがシャッと開いた。


「お待たせ。どうかな、涼くん……」


試着完了した楓ちゃんが出てきた。



「あ、ああ、すごく可愛いぞ、楓ちゃん……」


「あれ? 涼くんどうしてしゃがんでるの?」


「……これは、気にするな……」



楓ちゃんはその後も何度かいろんな服を試着した。どれも爆裂級に可愛い。

俺はしばらく立てなかった。


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