夏に詰まっている思い出、家族との時間
娘が属する小学校では、今年から夏休みのラジオ体操が復活した。
昨年まではコロナの影響で中止となっていたのだ。
LINEで連絡が届き、頭と終わりで3日くらいずつ。
時間も7時ということで驚いた。
私が小学生の頃は毎朝6時。お盆をのぞく期間以外、ずっと集合していた記憶がある。
これが時代!
用いられるのはラジオではななく、スマホの動画だし。いつでも体操可能なので、もういっそラジオ体操なくていいんじゃ……と思いつつ、これも夏休みの貴重な思い出となるかもしれないので、そこは方針に従おう。
さて、今回のエッセイ・テーマは参加企画に準じて「夏の〇〇が好きだった」である。
だから私の思い出話で展開するが、私の時代のラジオ体操。
これは今とは違い、かなりの強制力を持っていた。
毎朝6時集合、夏休みの間中。はっきり言って面倒。
せっかくの夏休みなのに早く起き、眠い中、身支度をして集合場所に赴き、登校班の仲間とともに身体を動かす。
なにせ子ども。身体は柔らかく、よく稼働する。ラジオ体操で負荷がかかることもなく、「なぜこんな無意味なことを」と思っていた。
大人になると、その体操がなかなかハードなものに感じるのだが、当時は知るはずもない。
で、体操してカードにハンコ貰って帰宅すると、家ではイチジクが待っていた。
祖父の家にイチジクの木があり、夏ともなれば日々美味しい実がなるのである。
かじると、ささやかにプチプチした食感が口に広がる、栄養豊富な果実。
食物繊維や鉄分、カリウム、ポリフェノール等など、いろいろ含まれていて「不老長寿の果物」と呼ばれる果実は、古代より大活躍。葉っぱはアダムとイブの大事な部分も隠した(と、される)。
うちの家族は、この実が大層好きだった。
私としてはそんなに……だったのだけど(だって摘み取る時も、皮をむく時も手がベタベタになる)、毎日たくさんの実が出来て、それを収穫するのは好きだった。
ラジオ体操から帰って、実を採り家に持ち込むと、イチジク好きの祖母や母が大喜びする時間。
夏の何が好きだったかと問われれば、その体験は確かに「好き」だったと思う。
祖父母が他界し、イチジクの木がなくなった今でも、母はイチジクが大好きなので、産直などで見かけると届けたいなと思う。
が、しかし、彼女はイチジクへの要求が高く、目利きの出来ない私が買ってもあまり高評価は得られないので、本人に任せるしかない。
夏はやっぱり、子どもにとって輝く時間な気がする。
夏休みの昼に、タオルケットで身を隠しながら怖いテレビ番組を見たり、吹き荒れる台風を室内から眺め、大きく揺れる木々に慄いたり。
まだ明るい時間帯に入るお風呂。夏祭りで見かける青いかき氷。
さて我が子はと見ると、冷房の部屋でシャーベットを手に、ゲームに勤しんでいる。
彼女が好きな「夏の〇〇」は、何になるのか。
わからないけど、とりあえずこの前、花火は見に行った。
夏の夜の空気が、娘の思い出に刻まれたら良いなと思いながら、私もまた家族で見る花火を「夏の好きなもの」に加える。
夏は、家族で過ごす時間が増えるのが、好きかもしれない。
お読みいただき有難うございました!
こちら、武 頼庵(藤谷 K介)様主催の『夏○○が好き企画』参加として書きました。
うっかりしておりましたが、今日が締切りだったのです! なんてこと、7月終わるの早すぎでは?!(いま慌てて書きました。間に合いそうでホッ)
ちなみに本文に入らなかったので、ここで呟きますと、夏の何が好きかって、旅行に行くときの荷物の少なさと、帰宅してからの洗濯がすぐ乾くあたりが好きです。←
大人になり、主婦になって、この効果をすごく感じてます。冬の旅行は大変。
あとは夜中に作業しても手がかじかまない点が良い!
冬は指先が冷たくなりやすいので、夜中に絵を描きながら何度も指を温めてました。夜更かしに適している季節、それが夏! 良い子は真似しないでね(笑)
ドライ・イチジクとレーズンはトルコ産が好きです。上記のパッケージはイラン産のイチジクだけど(*´艸`)
---
【おまけ】
イチジクの白い汁が手につくと痒くなったりしますが、これは「天然ゴム(ラテックス)」だそうです。あ゛あ゛あ゛! 私、キウイ食べると舌がピリピリして苦手なのですが、それもどうやらラテックスらしく。
…今になって不得手な理由がわかりました。イチジクの汁が嫌だと思っていたら、軽くアレルギーを感じてたかもしれないですね、もしかしたら。
ちなみに我が母はキウイも大好物です。母親というものは自分にとって美味しいものを子どもに勧めたくなるらしく、イチジクとキウイをやたら推してくるので、私は都度、断ってたのですが…。なるほどなぁ。ややアレルギー気味だったのか。
美味しいとは思うし、食べれるんですけどね。
そしてゴム…。イチジクから作れないかな?(笑)