「第99話」街へ
さよが楽しみにしていた街に出かける日がいよいよやってきた。
いつの間にか弁護士さんに買ってもらったブレザーでキメている。
佳代「まー。今日はずいぶん大人ねー。」
美雪「出かけてくるわ。お母さん。お父さん1人だから、今日は向こうにいてよ。放置したらごはん食べないよ。」
佳代「分かったわ。」
さよは美容院で髪をカットした。終わると伊達メガネをかける。
彩菜「うわー。綺麗。今日は美雪より上だね。」
長老「3人とも変わらないと思うがな。。」
5人は電車で富士宮駅に向かう。
さよ「電車楽しいな。」
美雪「次は富士宮駅から新横浜。新横浜からはのぞみに乗り換え。」
さよ「あーっ。新幹線ってやつじゃない。」
初めて乗る新幹線。
さよ「すごく速くない?ねえ、すごい。車をどんどん抜いていくわ。すごい。」
美雪「ここは200キロくらいかな?車の3倍くらい速いくらいでしょうね。聞いた話だと豊橋から三河安城駅あたりが最高速で300キロ以上らしいわ。」
さよ「どうやって走ってるの?」
彩菜「電気でモーター動かしてるの。」
さよが感動しているうちに東京駅についた。ものすごい人にびっくりしている。
さよ、美雪、彩菜は次々とナンパやスカウトされるが、美雪が時間ないと伝え、スカウトの名刺だけ受け取った。
彩菜の祖母の案内で昔住んでいた場所に着いた。建物はすっかりビルに変わっていた。
彩菜の祖母「昔住んでたけど。残念ね。面影ないわね。」
長老「久美子。たこ焼き屋。建替しただけでまだあるんじゃ。。」
彩菜の祖母「本当だ。行ってみようか。」
長老「いや、わしはマズいだろ。4人で行ってこい。」
彩菜の祖母は話が弾んだようだ。たこ焼き5人分買ってきた。
彩菜の祖母「店員さん覚えてたよ。彩菜美味しいよ。」
公園のベンチで食べる。
さよ「うわ。熱い。。美味しい〜。なんか幸せ。」
美雪「もう人気ないけど。東京タワー行く?」
長老「いいな。」
東京タワーに登ると、おばあちゃん達は懐かしそうにしている。
長老「ん?さよ。どうした?」
さよ「怖い。高いの怖い。」
彩菜「あら。高所恐怖症なんだ。。さよさんの弱点発見ね。」
美雪「ウソでしょう?帰りは移動装置使うつもりだったのに。。4時には出ないといけないわね。」
彩菜の祖母「向こうの通りに店がいっぱい見えるから買い物したら?」
さよ「行こう行こう!とりあえず。早く降りましょう。」
5人で服を選ぶ。さよのビジネス服をいっぱい買うと東京駅に戻った。
美雪「お土産買わないと。」
みんなでお土産を買って、自宅の最寄り駅に着くと8時になっていた。
彩菜「ねえ。遅くなったからハンバーガー買おうか。家に帰って食べましょう。」
ハンバーガーを買って大輝の家に着くと、美雪の実家に戻った。
佳代「遅かったわね。」
彩菜「お母さん達どうしたの?」
彩菜の父「家の進み具合を見てたんだ。夕食は食べたのか?」
長老「今から。ハンバーガーじゃ。」
彩菜の母「あら。なかなかハイカラな食べ物食べるわね。」
美雪「お母さん達。土産よ。」
佳代「ありがとう。」
大輝「へー。食べるか。」
さよ「ハンバーガー。美味しい!何食べても美味しい。ポテト。。どうやって作るの?」
彩菜の母「冷凍買ってきて油で揚げるのよ。」
長老「美味いな。昔からあったのか?」
彩菜の母「おばあちゃんいた時はなかったかもね。」
彩菜の父「楽しかったか?」
彩菜「そうね。さよさんが高所恐怖症だって分かったから楽しかったかな?」
さよ「もー。。」
彩菜の父「よく見たら。さよさん。。むちゃくちゃ綺麗じゃないか!」
美雪「私6枚。」
彩菜「私は5枚。」
さよ「えっと11枚。」
美雪「いつの間に。。大人気ね。」
大輝「何?」
美雪「スカウト。あら。さよさん。AVの事務所が7枚じゃない。。困った大人ね。童顔は強いなー。」
彩菜の父「えっ。美雪さん。大手芸能事務所じゃない。すごいなー。」
さよ「AVってなあに?」
彩菜の母「ああ。この間の裸のDVD作る会社。連絡したら、出れるわよ。」
さよ「いや。いや。不潔。捨てる。」
大輝「さよさんは、そういう魅力あるってことだな。当然だろうな。」
さよ「私、知らない人となんて無理。」
彩菜「何言ってるの!私だって無理よ。」
美雪「良かった。減るもんじゃないって言わなくて。」
彩菜「減るどころか下手したら増えるじゃない。」
彩菜の母「コラ。馬鹿なことばかり言わないの!全く。」
美雪「私達は明日からは勉強するわ。」
長老「メロンはどうしたら。」
美雪「そうね。日曜に2つは採れると思う。来週末にみんなで食べましょう。」
長老「いよいよか。楽しみじゃのう。」
彩菜の母「佳代さん。どうする?」
佳代「来週食べるならいいか。」
長老「なんじゃ。」
大輝「先生にもらったんだ。」
長老「欲しい。た、頼む。」
彩菜の祖母「いじわるしないの。」
さよ「ねえ。そんなに美味しいの?」
美雪「そうか。食べてないか。」
彩菜の母「仕方ない切るか。」
メロンがテーブルに並ぶ。
さよ「ん。。。甘い。美味しい。。ちょっと長老。秘密にし過ぎよ。妖怪村の人達に失礼だわ。」
長老「わしだって知らなかったんじゃ。美雪が初めて村に来た時にくれたんじゃ。美味い!久しぶりで狂いそうじゃ。」
佳代「おばあちゃんのメロン食べる姿見ると幸せだわ。」
さよ「畑のも。。こんなに美味しいの?」
美雪「だといいわね。来週分かるわ。」
さよ「私、畑終わったら夜は弁護士さん手伝うわ。来週は1日だけ弁護士さんと街に行くわ。ビジネススーツいっぱい買ったの。」
彩菜の父「なんか大活躍だな。明日仕事だから、そろそろ帰るよ。」
大輝「たまには帰るか。もうコンクリート入れ始めるから、しばらくやることないからな。」
彩菜の父「家の売却どうする?」
彩菜の母「ギリギリまで待ちましょう。」
両親は帰っていき、5人は今日のお出かけの話で盛り上がるのだった。




