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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第91話」退任

 ゴールデンウィーク前日に大輝は株式の全てを譲渡し、役員登録から外れた。

 実は彩菜の父の会社から役員として残る要請があったが、温泉に集中するために辞退した。代わりに顧問契約をして月に一度役員会の後の会合に参加することになった。


 終了時間に全員が集まり、大輝は最後の挨拶をした。


大輝「皆さん。縁があり、良い仕事が出来ましたことを感謝致します。学もなく、がむしゃらにやってきました。従業員も139名まで増え、技術も高い。私はやりたいことがありましたので先にリタイアします。みんなが幸せになるように会社の売却先は決めました。来月からは上場企業の一員になります。決して悪い方向にはいかない立派な会社です。誇りを持って働いて下さい。約25年。創業時から助けて頂いた方もいます。さらなる成長を期待して応援させて頂きます。ありがとうございました。あと、来月にデカい仕事依頼しますので、よろしくお願い致しますね。」



 拍手で見送られ、帰宅した。


佳代「あら。お疲れ様。」


大輝「帰らないと誰も動かないから。。いろいろ話したかったけど。。まあ、去る人間だしな。のんびりするのはゴールデンウィークだけ。温泉で忙しくなる。」


美雪「まあ。。温泉なくても数年以内に辞めてたでしょうね。会社に利益ももたらして。いい社長だよね。」


佳代「私は今日は美雪と寝るから、お父さんは1人で過ごして。明日は美雪の実家よ。」


美雪「ゴールデンウィークは間は学校休むことにしたから、ずっと向こうにいるわ。学校初めて休むから許してくれた。お父さんの会社売却も利用しちゃったけどね。」


大輝「5月1日に入金あるから、ゴールデンウィーク明けに発注する。」



 大輝は1人でウィスキーを飲んで、今までの会社の歩みを思い出した。1時間くらい思い出に浸ると、美雪の部屋に来た。


佳代「あら。どうした?」


大輝「いや。美雪が初めて家に来た日が一番の思い出だったから。3人で寝たなって。。」


佳代「美雪。大輝がお風呂に入れたら、喜んで私のところに抱きついてきたのよ。あなたの笑顔に私達は救われたのよ。」


美雪「そう。。役に立って良かったわ。川の字で寝る?」


大輝「そうだな。あの時はつぶすといけないって美雪は離したんだよ。血は繋がってなくても家族さ。どの家族より幸せだ。美雪もいい家族を作るんだぞ。」


美雪「今は考えられないな。けど、2つの最高な両親の家族だから。。負けないくらいの家族にしないとね。お母さんは赤ちゃん欲しかったんでしょう?」


佳代「まあ。あなたが来るまではね。あなたが来てからは、そんなことはどうでも良かった。それに。。あなただけでいいって決めたの。」


美雪「決めた?」


大輝「美雪を先生のところに連れて行った時に、言われた。子供が出来ないのではない。通った医者が悪かったって。」


美雪「どういうこと?」


佳代「妊娠出来ないようにして、お金稼いでた。」


美雪「ひどい。信じられない。私頭にきた。どこよ。」


大輝「もうない。先生が医師会に報告して潰れた。先生の圧力でその医者は精神病院に送り込まれて一生薬漬けだ。」


佳代「先生は日本の医学会ではすごい力があるわよ。怒らせたら怖いわよ。子供は美雪だけ。決めたの。」


美雪「しかし。。許せないわね。」


大輝「あの病院の人間の全てが医療関係で働くことが出来なくなるように圧力かけて資格も全て剥奪したらしいよ。すごい権力だよ。」


美雪「お父さん達がいいなら何もしないし、言わない。しかし爆発に巻き込まれて、災難ばかりね。」


佳代「爆発は辛いのは見たけど。。私達は人生変わるきっかけだったから災難でもないわね。最悪と最高の両方ね。雪さんと会えないのだけが辛かったけど。。まさか会えるとは。だからあれは辛くないわね。」


大輝「そうだな。やり切れない気持ちはあるけど。雪さん以外は誰も助けることは出来なかった。足のやけどの跡はいい思い出かな。巨大スーパーには行きたくない気持ちだけは残ったけど、不自由しないからな。」


 美雪は大輝に抱きつく。


美雪「おっぱい大きくなったでしょう?」


大輝「これはヤバいな。。雪さんには負けてるな。」


佳代「雪さんは完璧だったわね。でも綺麗さは美雪のほうが上かもね。しかし、雪さんといい、さよさんも。妖怪ってものすごく頭いいのかしら。」


美雪「んー。見た感じ。。たぶん。あの子は特別だよ。おばあちゃんもだけど。後は普通じゃないかな。火炎小僧は頭悪いし。妖力強い奴は努力しないから頭悪いのかな。」


佳代「火炎小僧は美雪の子分みたいだったわね。」


美雪「あいつ。お母さんにも2番目にしてやるって言ったらしいわ。」


大輝「1番目は誰?」


美雪「いないらしい。」


佳代「まあ。。それはかなりの馬鹿ね。美雪も2番目なの?」


美雪「知らない。ならないから聞かない。2番目って言われたら腹立つし。1番は彩菜かな?それなら仕方ないか。でもあいつは無い。」


大輝「さよさんの本命なんだろ?」


美雪「もう本命じゃないらしいわ。」


佳代「死者の村に何をしにいくの。」


美雪「んー。。いずれ分かれば言うけど。。人間と妖怪が何故10倍歳の取り方が違うのか調べたいの。さよさんのために知る必要があるから。闇の妖力が関係しているのは間違いない。あと。。いろいろ。使わないけど、時間を巻き戻すことは出来たわ。もう少しで理由が分かるかも。彩菜のお父さんと話したけど、もし、先生や弁護士さんに命の危機が来たら10年時間を巻き戻す。それはするつもり。特別によ。彩菜のおばあちゃんもみんなにはどうしようもない時はする。」


大輝「まあ。。技術は使い方が間違いじゃないならいいと思う。」


佳代「賛成とも言えないけど。。私がその力あったらすると思う。ねえ。10年の経験も消えるの?」


美雪「実験出来ないから分からないけど、たぶん経験は残ると思う。身体だけ10年戻ると思う。」


大輝「俺を1日戻したら分かるんじゃない?」



 美雪は電気をつける。


美雪「大切な人にそんな危険なことは出来ないわよ。非常時にやむを得ない時だけよ。見てて。1円玉5年前のやつね。4年戻すわよ。」


佳代「なんかピカピカになったわね。」


美雪「更に2年戻すわよ。」


大輝「えっ。アルミの固まり。。」


美雪「正確に戻せる。けど、未来には進めることは出来ない。出来たら、さよさんが人間と結婚しても合わせられる。」


佳代「人間を定期的に戻したら合わせられるじゃない。」


美雪「そうだけど。何が起こるか分からない。危険過ぎて出来ないわ。」


佳代「危険性を理解しているみたいだから、何も言わないわ。そういえば、私達はどうするの?ゴールデンウィークから田舎暮らし?」


大輝「いや。繋がってるけど学校あるし。こちら中心だろう。」


美雪「宅急便屋さんもあるから。」


大輝「それは恐らくテナントにコンビニ入ると思うよ。」


美雪「便利だけど。。運ぶ距離がね。玄関までは重量無効化してるからなー。こちらのほうが都合いいし、鮮度が大事なのよね。宅急便屋さんは夜7時まで当日扱いになるから。」


大輝「この家の処分は最後の手段だからな。今のところ売らない。街に出かけたい時は便利だしな。」


佳代「明日は朝から出かけるから、そろそろ寝ましょうか。」


 久しぶりの3人での睡眠。美雪は幸せを感じた。大きな節目になった大輝も佳代も同じ気持ちだった。


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