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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第87話」図面

 両家は週末に美雪の実家に集まった。

 弁護士と先生も合流し、参加予定者全員で紙の図面を見ながら意見を交わす。


 意見を聞きながら、大輝はパソコンの3D図面で修正する。

 大輝の図面の完成度はとても高く、コンセントの位置やと品番はもちろんのこと、照明やカーテンに至るまで品番を選定済みだった。


 妖怪の働くエリアだけ空白になっていたが、胃カメラと同様にエリア内で発電し供給するほうが得策という結論になった。


大輝「色とかは後で決めても金額に影響はない。一旦全て配置し、品番も決めたから総費用は既に決まっている。ああ、一番右が価格だ。真ん中のは原価。会社の利益が乗った一番右が価格だ。」


弁護士「やっぱりプロだな。あまり意見ないな。」

先生「よくここまで考えたな。。」


美雪「今の価格は。49億4352万円。。」


彩菜の母「最初より高いわね。」


大輝「一旦絞って何とか50億を切った。けど、最終的には60億くらいになるんじゃないかと思っている。良い意見を取り入れるためのコストダウンだ。足場とか外構も含まれているけど。。外構がだいたいしっかり決まってないから、そこは価格上がる可能性はありますし、下がる可能性もあり、やや不明確です。だけど壁の防音で妖力使ったりするから。。相当安くなっています。温泉も含んでこの額はあり得ないですよ。」


先生「人数に合わせて壁を簡単に移動出来て、防音対策が出来るのは画期的だよ。」


彩菜「ねえ。看板は?」


大輝「看破はね。屋外は漏電とか困るから、電飾したり照らしたりはなるべく避けたい。だから最低限にしてある。幸い入口も非常に分かりやすいから、看板で目立つ必要がない。」


彩菜の父「既に完成度高いから、あまり口出しするのはやめますよ。もちろん決まったことに文句も言わないです。」


大輝「まだ発注まで4ヶ月ありますから、思いついたら教えて下さい。私も抜けがあるかもしれないです。あまりに大きな変更は難しい場合があります。」


彩菜の母「一応全家庭の居住スペースあるんですね。要るかな?」


大輝「分からないから、作りました。帰れないかもしれないし。。最低限の広さだから、ここにずっと住んだらストレスになるとは思います。」


弁護士「住めるスペースあるからと言って家をなしにも出来ないしな。」



先生「かなり考えられているな。心配は無用だろう。」



彩菜の祖母「あのー。私みたいな年齢の方は多く来る可能性があるから、駅から送迎は必要だと思うの。」


彩菜「それは大丈夫。駅の最初のバス停を温泉前に変更してもらう。助役が何とかするって。何か温泉事業は助役と村長しか知らない秘密みたいね。」


彩菜の父「ん~~。なかなかやるな。悪い子だ。」



大輝「でも非常にありがたいぞ。運転する人雇う必要ないし、事故起こすリスクを負わなくていい。ああ、そういえば美雪。汚水などを浄化する装置は入れたが、地下に流すパイプは妖力を使いたい。」


美雪「えっ。。それは、私が死んだら誰も治せないよ?」


大輝「そもそもパイプの寿命のほうが遥かに短い。60年とか建物はもつけど配管はもたない。だから、その時は新規で妖力じゃない配管を頼めばいい。十分利益出たら温泉を手放すのもアリだが。。妖怪の働く場は長く必要だからな。」


長老「さよ。将来を考えると。。お前が、複数の妖力を使いこなせるようになるしかないんじゃないか?」


さよ「そんなこと出来るかな。。自信ないな。美雪さんは何故出来るの?」


美雪「何故って。。分からない。たぶん最初から出来たんじゃないかな?」


長老「これは妖力粒を見分けることが出来ないと、やれない。」


さよ「私、全く見えない。」


長老「お前は頭がいい。きっかけつかめばたぶん分かるようになる。」


さよ「お二人に教わりながら努力してみます。」


長老「じゃがな。同時に何種類も妖力出すのはあきらめろ。あれは美雪しか出来ない。たぶん人間の血が入っているのが理由だと思う。これはどうやっても私達には出来ない。」


彩菜「そういえば。靴買ったよ。出かける時に使って。」


さよ「えっ。いいのかな。。」


美雪「いいわよ。畑仕事もやってもらうし。」


さよ「もちろん、それは頑張るわ。」



彩菜の父「皆さん。明日は地鎮祭ですので、私達は昼間は不在になります。」



弁護士「いよいよ着工ですか。。では、夜に派手に祝いますか。」

先生「そりゃいいな。」



美雪「私達は現場見ながら、温泉のイメージしてきますね。」


弁護士「本当は橋が欲しいんだがな。彩菜さんの家の向こうから回り込まないといけないからな。」


美雪「大丈夫。誰にも見えない透明トンネルを作って温泉施設のどこかに繋ぎますから。私達だけの秘密のトンネル。」


先生「まあ。バレないように上手く作るだろう。」


佳代「食材の仕入れもするから、スーパー行かなくても手に入るようになりますよ。」


先生「それは助かるな。」


彩菜の父「宿泊や仕入れのシステムは私が作ります。その分野の省力化はお任せ下さい。旅館みたいに1人ずつ案内しなくていいように建物作られていますから、人の手間は省けるところは省きます。」


 

大輝「それは非常にありがたい。」


彩菜の父「美雪さんの妖力も使って、徹底的に楽しますよ。」


美雪「一緒に考えないといけないですね。」


佳代「受験勉強は大丈夫なの?」


彩菜「たぶん大丈夫よ。もう高校の勉強は頭に入ってる。過去の問題をいろいろ解くだけなの。」


弁護士「えーと。2年じゃなかった?」


美雪「先生が3年の教科書くれたから、年末前には全て学習は終わったから。」


彩菜「まあ。私達だけじゃなく、さよさんも既に大学受かりそうだけど、入れないからな。。」


さよ「いや、あれは難しいよ。自信ないわ。」


彩菜「あれ、私達行かない大学よ。日本で一番難しい大学だからね。」


さよ「受けるって。。」


美雪「高校の要望で受けるだけなの。行きたい大学は別だし、もっと簡単。それに農業学ぶのが目的なの。」


さよ「そうなの!つまり要らない勉強ってこと。。」


彩菜「まあ。そうかもね。」


美雪「私は、数学、物理、化学。。あと経済は大学で学ばなくても既に学び終わってる。彩菜も結構なレベルよ。」


彩菜「農業のノウハウはなかなか学べないんだ。大学で学ぶ価値は農業しかないかな。」



彩菜の祖母「お父さんより優秀なのかい。」


彩菜の父「まあ。。たぶん。」


彩菜の祖母「それはすごいな。。」



彩菜の母「そういえば、さよさん。明日、帰ってきたら私に時間ちょうだい。」


さよ「分かりました。」



 すっかり夜遅くなり、交替で入浴すると、みんなはいつものグループで眠った。


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