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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第82話」住宅

 金曜日の夜から、彩菜の一家と美雪の一家は実家に集まった。


彩菜「明日は住宅の契約だから、1日いないわ。」


美雪「分かった。上手くいくといいわね。ん?さよさん。何してるの?」


さよ「経済学の勉強。」


彩菜「文字読めるの?」


さよ「足固定して退屈だったから、彩菜さんの小学校の国語読んだら覚えた。」


佳代「そういえば、こっちに持ってきたわね。捨てるか迷ったから一旦持ってきたんだった。」


彩菜の父「えっ!わずか数週間で?信じられない。」


大輝「は?複式簿記?分かるの?」


さよ「今日勉強したの。理解したわ。」


彩菜の母「ウソでしょう!ちょっとちょっと、これって。。すごいんじゃない?」


美雪「ねえ、その本どうしたの?」


さよ「弁護士さんが貸してくれたんだ。」



美雪「ねえ、これ出来る?」


 さよは1時間かけて美雪の渡したプリントをやった。


さよ「出来たよ。これ難しいね。」


美雪「うわ〜。。ほぼ満点じゃない!」


彩菜の父「どれ?えっ!英語の試験じゃないか。」


美雪「私の受験する東京の大学の3年前の入試問題よ。」


さよ「ねえ、何でわざわざ経済の話を英語で書いてあって、英語で答えないといけないの?何か意味あるのかな?」



彩菜の父「いや〜。これはとんでもないなー。。そりゃ時期社長なわけだよ。」


美雪「やっぱ。妖怪みんな頭いいのかな?」


長老「それは違うぞ。美雪とさよが特別なんじゃ。他の妖怪はここまではない。しかし。。さよがな。。まさかじゃな。さよ、お前は人間界に合っているぞ。」


弁護士「こんばんは。ああみんないるのか。先生呼ばないと。」


さよ「弁護士さん。別の本ない?」


弁護士「えっ?やっぱり難し過ぎた?」


美雪「全部理解したらしいわ。」


弁護士「なになに。ウソでしょう?水曜日に渡したんだよ。そんなことある?これ簿記2級だよ。もう1級しかないぞ。」


佳代「さよさん。お願いだからお父さん誘惑しないでね。私、一番無理になる。」


さよ「それは大丈夫。2人のお父さんには手出さないこと。これが彩菜さんと美雪さんが仲間に入れてくれた条件だから。」


彩菜の母「これは。。さすがに私も負けるわね。」


さよ「私ね。料理はお母さん絶対に超えられないよ。勉強は出来るのかもしれない。けど料理はお母さんみたいに上手なんて無理。だから勝つことはありません。身体も勝てない。若さだけ。でも253歳だけどね。」


美雪「しかしさー。妖怪村に帰っても退屈じゃない?どうするの?」


さよ「一度は帰る。けど、いろいろ学んだ今はこちらで皆さんと一緒が幸せな気がします。私。。私。初めて大切にされた。家族みたいに。こんなこと経験したことなかったから。。」


彩菜「火炎小僧はどうするの?」


さよ「村長の許可もらったら、人間界に行くと火炎小僧に伝える。もし、私を止めてくれたら。。女として見てくれたら。。叶わない時は、こちらでお世話になりたい。もちろん。温泉の利益に協力しますし。全員見送る覚悟です。」


長老「まあ。さよはそのほうが幸せかもな。わしはさよの味方じゃ。だがな。絶対に妖怪とバレてはいけない。つまり、私達以外とは関われないことになるんじゃぞ。結婚相手は別じゃが。。結婚出来なかった場合は。。殺らなければならなくなる場合も。。とにかく結婚するまで妖怪とは言えない。難しいぞ。」


さよ「もちろん。分かっています。それでも、今までと比べられないくらい幸せです。村を捨てるわけではないから。戻ることも出来ます。あっ。先生来た。私の話はいいから飲みましょう!」


 宴が始まり、楽しい時間が過ぎていった。


※※※


 翌日、彩菜の一家は土地を見ながら図面を見て、内容を確認する。

 午後からは先生の一室を借りて、壁材などの詳細を決める。全て決まると金額が確定し、彩菜の父が建てたメーカーのため、割引サービスされたため案外安くなった。


 彩菜の一家は、納得して住宅の契約をした。住宅ローンを組まないため、一括払いの先払いで契約締結した。

 弁護士さんの知恵で引き渡しが完了しない場合は全額返還する条件を加え同意となり、メーカーや工務店の倒産リスクも回避出来た。



彩菜の父「ただいま。弁護士さんありがとうございました。リスク回避出来ました。」


弁護士「一括払いなら強気で出れるからね。まあ、あの住宅メーカーなら倒産することはない。だが工務店は危ないからな。」


大輝「そちらは私が工務店を指定しましたから大丈夫ですよ。仕事の発注先であの住宅メーカーの仕事もやってる工務店にしましたから倒産リスクも小さいし、腕が一番信用出来る工務店なので。」


彩菜「工務店指定したら住宅メーカーの営業、あきらかに。。こいつらヤバいって感じだったわよ。むちゃくちゃ緊張してた。」


彩菜の祖母「とにかく無事完成するといいわね。」



 非常に疲れたようで、夕食の後の宴はささやかになったようだ。

 美雪と彩菜は勉強をして、さよは勉強の姿を眺める。


 夜も遅くなると3人で眠った。



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