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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第79話」年末

 大晦日、佳代と彩菜の母は一足先に先生のところに行った。

 大輝と彩菜の父だけが1台の車で美雪の家に向かった。


 佳代と彩菜の母にさよが加わり、具を切る。


佳代「さよさん。包丁上手いわね〜。私より上手よ。」


長老「足が悪いから、手はもともと器用じゃな。あっという間に上達したぞ。」


彩菜の祖母「ても、おばあちゃんは昔から下手よね。」


長老「仕方あるまい。わしは妖力で切るから包丁要らないんじゃ。包丁上手くなる必要がない。」



美雪「こんばんは〜。やっぱり雪結構降るね。冬は靴考えないといけないな。」


弁護士「妖怪村はともかく、この辺りはそんなに積もらないよ。寒いのは間違いないけどな。さあ、そばをそろそろ茹でるぞ。先生始めようか。」


先生「そうじゃな。」



 美雪と彩菜が食器などの準備をしているうちに大輝と彩菜の父が到着した。


美雪「お父さん。何持ってきたの?」


大輝「いや〜。ノーマルタイヤは厳しかったかな。。保護回路だよ。ちょっと装置に入っていいか?」


美雪「大丈夫よ。危険はないから。」



大輝「美雪〜。発電装置切ってくれ。」


美雪「そっか。。危ないのあった。」



 美雪が発電装置を止めると大輝は保護回路を取り付けた。


大輝「美雪。発電装置起動して。先生。保護回路が働いた時に赤い点灯した場合は問題ある時ですから、私を呼んで下さい。赤い点灯してない時は、起動ボタン押せば大丈夫です。発電が安定しているから多分作動することはないと思います。」


美雪「そういえば、彩菜のお父さん。」


彩菜の父「何だ。」


美雪「お父さんだけ、妖力入ってないから入れるわ。」


彩菜の父「えっ!何で?」


美雪「お父さんだけ死者の村に入れないから。」


彩菜の父「行く機会あるか分からないけど。まあ、分かった。」


美雪「直接入れるのと、飲むの。どっちがいい?」


弁護士「私は飲むのをオススメする。」


彩菜の父「じゃあ弁護士さんに従うよ。」



 美雪はオレンジジュースに体液の氷を入れて渡す。


彩菜の父「な、なんだこれ。。ものすごいな。」


弁護士「元気がみなぎるでしょう?」


美雪「治癒妖力と愛情入りだからね。」


彩菜の父「やばいよ。これ。うわー。」


佳代「みんな知ってるわ。私とお母さんは直接入れてもらったけど、すごかったから。飲むほうがすごいのか。。」


美雪「減ったら飲む?けど減らないよね。」



長老「さよ。どうしたんじゃ?」


さよ「えっ?ああ。私、足が悪いから死者の村に行ったことないの。だから私。足が治ったら、お父さん達に見せるんだ。お父さん達ずっと悔やんでたから。。私、元気な姿見せたいの。」



大輝「いや〜。泣けるな〜。」


さよ「えっ!みんな。。涙?どうして。。」


彩菜の祖母「そのうち分かるよ。」



佳代「さあ!しんみりしないで。出来たわよ。食べましょう。」


先生「ああ大輝さん。悪いけど隣の部屋に寿司あるから持ってきてくれないか?」


大輝「いいですよ。取ってきます。」



 大輝が寿司を持って戻ってきた。


大輝「寿司。。すごい高そうですね。ああ、そうだ。先生。何か、お客さん来てたよ?」


先生「えーっ。こんな時に急患か?」


大輝「いや、何か挨拶って。」


先生「なんだ?ちょっと行ってくるよ。」



 先生が戻ってきた。


先生「彩菜さん。ちょっと。」


 彩菜を連れて行くと、何か話をして戻ってきた。



彩菜の祖母「どうしたんだい?」


彩菜「やけどの子とお父さんだった。餅いっぱいくれたよ。元気そうで良かったわ。」


彩菜の母「雑煮出来るわね。」


美雪「私、ぜんざい食べたいな。」


彩菜の母「いいけど明日にしましょうね。さあ食べましょうよ。」



さよ「寿司って。。美味しい〜。これなあに?」


長老「あっ。さよ!それは身体に悪い。わしが食べる。」


佳代「ちょっとおばあちゃん。そこまでして秘密にする?」


美雪「全く。。村で一番偉い人が情けない。」


長老「もう一番偉くはない。あと人じゃない。」


 長老が苦し紛れな言い訳をしているうちに、さよは食べてしまう。


さよ「うわ〜。美味しい〜。」


長老「あーっ。さよ!ダメと言っただろう。」


さよ「長老が食べるものが美味しくないはずがないですからね。ねえ何これ。」


彩菜「おばあちゃん。本当に食べ物はダメね〜。」


長老「う、うなぎじゃ。」


さよ「えっ!あの川のニョロニョロしたやつ?信じられない。」


先生「一応、専門の人が調理しないと美味しくはないぞ。自分で捕まえて調理しても美味くはない。」


彩菜の祖母「うなぎは栄養すごいから。正月明けに先生に連れてってもらいましょうか。前に行った店に。私が奢るわ。」


先生「いいぞ。7日くらいでいいか?」


さよ「あっ!私の誕生日。でも、身体に悪いって。。」


彩菜「誕生日なら決まりね。ねえ。私も。。」


大輝「金曜日か。夕方はさすがに間に合わないから、おばあちゃん達と子供達だけで行ってきて下さい。」


佳代「それもそうね。もー、おばあちゃんは食い意地がすごいから、こんなことになるんでしょう!」


長老「す、すみませんでした。」


さよ「村であんなに偉かったのに。。」


美雪「おばあちゃんは今のほうが幸せよ。だからいいの。」


さよ「ねえ、この赤いのは?」


彩菜「ん?ああ、海の魚。マグロよ。」


さよ「これもすごく美味しい。」


彩菜の母「どちらかというとマグロのほうが身体に悪いわね。」


長老「そうなのかい!」


佳代「そんなに気にしなくていいと思うけど、毎日食べると身体に悪いかもしれないわね。」


弁護士「さよさんは食べる姿もかわいいな。いっぱい食べるし、見てて幸せになる。奥さんにしたら幸せだろうな。」


先生「童顔でいい女。人間の世界だとモテるぞ。」


さよ「恥ずかしいよ。」



 大晦日も楽しい食事がいただけた。交替で入浴すると、宴会に変わる。



先生「皆さん。今日は泊まって下さい。診察室のベッドの布団を使うよ。別の部屋に移すから。」


大輝「布団酔う前に移動しますよ。」

彩菜の父「私も手伝います。」


美雪「いいわよ。私がやるわ。」


 美雪が瞬間移動の妖力で一気に布団を部屋に移動する。


さよ「すごい。」



かよ「美雪。梅酒あるわよ。」


彩菜「じゃあ。私達も参加するか!」


日付が変わるまで宴は続き、新年を祝うとお開きになった。


 さよのかわいさは、美雪達も理解したようだ。良い1年になるように願う美雪と彩菜だった。


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