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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第78話」病状

 さよの足を毎日観察する先生。少しずつ骨が広がってきた。


 2週間ほど経過し、美雪に連絡すると美雪がやってきた。


美雪「良くなったの?」


先生「今が理想的な骨の形だ。だがな。。」


美雪「問題でも?」


先生「引っ張るのやめると戻らないかな?」


美雪「じゃあ、一旦妖力を止めるから様子見ましょうか。止めたわ。勉強あるから帰りますね。」


さよ「あ、あの。。美雪さん。」


美雪「どうした?」


さよ「ごめんなさい。あと、ありがとう。」



美雪「ありがとうは治ってからね。また来るわ。」


※※※


 翌日の夜、大輝は大きな箱を持って帰ってきた。


大輝「ただいま〜。美雪。クリスマスケーキ。」


佳代「デカいわね。2つも?」


大輝「夕食後に彩菜さんのところと、村の仲間を呼んでる。」


美雪「そうなの!昨日村行ったけど何も言ってなかったな。」



 夕食後、続々と大輝の家に集まる。


佳代「おや?初めて見る子だね。かわいらしい。中学生?」


長老「人間なら25じゃな。」


彩菜の母「えっ!妖怪なの?人間界に連れて来て大丈夫なの?しかし。。うそみたい。すっごい童顔だわね。」

彩菜の父「えっ!立派な女性だったんだ。。ごめんなさい。お尻つかんじゃったね。」


彩菜の母「ちょっと、幼い子のお尻が趣味なの?」


美雪「違う違う。みんな誤解してるわ!冷静に。さよさんは足が悪くて先生に治してもらうために連れてきたの。治療中で歩けないから、おんぶしてもらったのよ。私の家まで運んでもらったの。だからお父さんは悪くないの。」


彩菜「さよさんは、今おばあちゃん達と生活してるわ。ねえ、お母さん。さよさんね、妖怪村に好きな男がいるらしいの。魅力的な女にしてくれないかな?」


彩菜の母「なるほど。。さよさん。ちょっと失礼。。んー。Bカップかな?でもあなた痩せ過ぎだから、太れば大きくなる可能性あるわ。」


先生「まだ治療に日にちかかるから、帰るのは1ヶ月以上先じゃな。」


彩菜の母「じゃあ。おばあちゃん。栄養あるものいっぱい食べさせてあげて。」


彩菜の祖母「分かった。私がしばらく作るわ。」


長老「そうじゃな。栄養を考えるなら久美子のほうがいいわい。」


さよ「ありがとう。」


弁護士「なかなかかわいいだろう?酔っぱらうとむちゃくちゃかわいいんだよ。」


美雪「先生。そういえば骨は?」


先生「予想通り少し戻ってるみたいだ。」


美雪「大変。引っ張らないと。」


先生「いや、戻るのが止まるのを見極めたいんだ。」



佳代「は〜い。皆さんクリスマスケーキよ。ロウソクはめんどくさいから無しね。」


美雪「雰囲気ないな〜。」



大輝「それでは皆さん。本日、契約交わしました。彩菜さんのお父さんの会社と210億円で契約しました。社員にも説明して。。まあ、いろんな質問出たけど条件悪くないし大企業のグループということで賛同は得られました。リタイアすることは前から話してましたから。」


彩菜の父「しかし予想外の高値ですね。」


佳代「やったわね!じゃあ食べましょう!」



さよ「すごく甘い。なんて美味しいの。。」


長老「これは。。う、美味いな。。」


大輝「有名な店だからな。滅多に食べないけど。。ん!美味いな。」



 みんなでケーキを食べると、やがてお酒の席に変わっていった。

 みんな、さよの飲みっぷりに感心し、かわいさも理解したようだ。



 契約がまとまり、かなり酒が入ったので危ないと判断し、全員大輝の家に泊まることになった。



※※長老達の部屋※※


彩菜の母「さよさん。本当にかわいいわね。見た目か。。気合い入れないとね。でもあの子は下着とメイクですごいことになるわよ。美雪さん上回るかは微妙だけどね。」


佳代「どう変身するか楽しみだわ。」


長老「あの子は雪とは違う形ではあるが不幸だったからな。幸せになってほしいわい。」


彩菜の祖母「いいもの持ってるから大丈夫よ。足治るといいわね。きっと自信もつくわよ。」



※※大輝達の部屋※※


弁護士「いや〜。かなり資金の余裕が出来ましたね。」


大輝「もらい過ぎですね。結局税金で持ってかれるから。」


彩菜の父「そこは弁護士さんの腕の見せ所じゃないですか?」


先生「超一流だからな。」


彩菜の父「しかし、さよさんはかわいいですね。」


先生「だろう?すごく魅力あると思うんだ。」


大輝「さよさんは確かに独特だね。さあ、ようやく始まるのか。頑張るか!」



※※美雪の部屋※※


さよ「ねえ、勉強って大変なの?」


美雪「あと1年だけね。」


彩菜「この生活いやね。」


さよ「何が書いてあるのか分からないな。2人ともすごいわね。あっ。ごめんなさい。邪魔だよね。」


彩菜「さよさん。スマホ貸してあげるわ。イヤホンで動画見てて。私達12時に勉強やめるから。」



 初めて見る動画にさよは夢中になった。彩菜と美雪が布団に入るが、さよは全く気づかない。

 仕方ないので彩菜がイヤホンを外す。


彩菜「さよさん。寝るわよ。」


さよ「えっ?ああ。寝るのね。」


 美雪が電気を消す。


さよ「うわ〜っ。彩菜さん。おっぱい大きい〜。いいな。」


彩菜「美雪のほうが大きいわよ。」


さよ「そうなの?。。うわっ!すごい。柔らかい。やっぱり勝てないな。。」


美雪「あなたにはあなたの魅力があるわ。ようやく妖力一番じゃなくなったみたいね。それが本来よ。愛が一番よ。」


さよ「はい。まだまだですけど気持ちはずいぶん変わりました。」


美雪「そういえば、さよさんは何の妖力なの?」


さよ「風です。私の風より美雪さんのほうが強いから。」


美雪「たぶん、私のほうが弱いわよ?私は空気中の妖力を使っているからね。私の妖力ではないから。」


さよ「えっ!空気中の妖力を使えるなら、美雪さんのほうが強いわよ。」


彩菜「まあ。確かにそうかもね。」


さよ「あの妖怪ね、妖怪の世界で一番強いって話だったのに。全くだったから。。びっくりしちゃった。」


美雪「妖力2つ以上使えるとすごく強くなるわ。」


さよ「そんなこと出来ないよ。どうやっても無理。」

 

美雪「おばあちゃん出来るじゃない。」


さよ「長老はものすごく訓練したそうよ。でも長老は同時には出せないよ。美雪さんは同時に出せる。そんな妖怪はいないわ。ねえ何が出来るの?」


美雪「ん〜。8種類かな。。混ぜ合わせるから、いっぱいね。そういえば、あの妖怪。距離離れるとまるでダメだったわね。」


さよ「それが普通じゃない。だから警戒する時は距離離れるのよ。あの距離で届くのはすごく強いってことなのよ。美雪さんだって近くに移動して凍らせたじゃない。」


美雪「後に回り込みたかったし、他の妖怪とかに被害及ぶ前に終わらせたかっただけよ。しかし。。そっか。あいつには混ぜれないもんなー。私、黒と闇を他の妖力に混ぜるから、どんなに離れても届くわよ。」


さよ「すごい!そんなこと出来るんだ。。あっ!でも、遠いと避けられますよ。私は足が悪いから逃げれないけど。」


美雪「ああ、それは大丈夫。あの時は、最初に闇の妖力粒をつけたから。かかってきなさい!って指を指したでしょう?あの時に闇の妖力粒を妖怪につけたの。」


さよ「えっ。つけるとどうなるの?」


美雪「私の攻撃が妖力粒に向かって飛んで行くから逃げても追いかけて必ずぶつかる。」


さよ「えっ!それって。。誰も勝てないじゃない。」


美雪「あのね。必要な時しかやらないわよ。私は火炎小僧みたいに年中火出さないから。でもさー。あなた、もったいないわよ。火炎小僧よりいい男を捕まえれるよ?」


彩菜「それは間違いないわね。もったいないわよ。童顔はモテるわよ。火炎小僧はな〜。。良く考えたほうがいいと思うわ。」


さよ「彼はみんなにひどいことした。けどね、小さい時から私だけは守ってくれたんだ。彼が助けてくれなかったら私は生きてない。だから、私。。一生を彼の幸せのために。。」


美雪「でもさー。私だけじゃなく、私のお母さんにも声かけてたらしいじゃない。浮気するんじゃない?私のことばっかりって怒ってた人が浮気許せるかな?」


彩菜「お母さんが言ってたわ。浮気しても、料理が一番なら離れないんだって。」


美雪「じゃあ。さよさんは料理を上手くならないとね。」


さよ「やったことないな。妖怪村では適当に作ってたから。長老の料理びっくりした。私、長老に教わろうかな。」


美雪「おばあちゃんも彩菜のおばあちゃんも料理の腕は一流だからね。学ぶべきよ。まあ、彩菜のおばあちゃんが昔教えたんでしょうね。」


さよ「長老と彩菜さんのおばあちゃんは何故仲がいいの?」


美雪「50年くらい前に友達だったんだって。おばあちゃんが人間の世界で何年か過ごした時に一緒に暮らしてたそうよ。」


さよ「そうなんだ。長老すごいなー。人間の友達がいたなんて。」


彩菜「友達は私のおばあちゃん1人だけらしいわよ。」


美雪「冬休みだからいいけど。そろそろ寝ましょうか。」



 さよは妖怪村の中でじっとしていた自分を後悔した。だが身体の不自由さもあり、それは仕方ないことだった。今からでも遅くない。自分が変わりたいと思わなければ変われない。みんな大切にしてくれる。


 頑張らないと。。


 あれ?また涙が。。何だろう。。


美雪「ん?眠れないの?ねえ、さよさん。涙はね。悲しい時しか出ないんじゃないわよ。これは幸せの涙よ。知れて良かったね。」


 さよは美雪に抱きついて泣きながら眠っていった。


 美雪は思った。あなたの幸せのために精一杯努力するわ。



※※※


 1週間ほど様子を見ると少し内側に戻り、曲がりは止まった。先生は年の瀬の昼間に美雪を再び呼び出す。


美雪「どうなの?」


先生「だいたい20%くらい戻ってしまったが戻るのは止まったな。」


美雪「難しいな。10%くらい余分に広げる?」


先生「戻る割合を考えると5%くらいにしたほうがいいんじゃないかな。」


美雪「じゃあ、引っ張るのを再開するわ。先生のほうがプロだから任せるわ。先生のいいと思ったタイミングで呼んで。」


先生「いや〜。世界中の医師で、こんなことやった人はいないから。私も美雪さんも同じだよ。だから美雪さんの意見も参考にしたい。」


美雪「分かったわ。」



先生「いかん。言い忘れた。全員、明日の大晦日の夜に私の家に来れないかな?」


美雪「何でよ。」


先生「そばを作るのと寿司を頼もうかと。」


美雪「連絡してみるわ。でも高くない?」


先生「あんな胃カメラは100億出しても作れないよ。」



 美雪は連絡する。


美雪「ねえ先生。そばは買った?」


先生「いや、明日買い出しに行くつもりだった。」


美雪「じゃあ、買わないで。お母さんと彩菜のお母さんが同じこと考えてたみたいでいっぱい買ったらしい。」


さよ「あのー。私もお手伝いしたいな。」


先生「足に負担かからない程度でな。では寿司だけ注文するよ。」


美雪「お酒は?」


先生「いっぱい飲む人が1人増えたから、弁護士さんが大量に入手してるよ。正月まで酒浸りじゃ。」


美雪「ダメね〜。お医者さんが。。明日5時くらいでいいかな?みんなで手伝うわ。」


 美雪は帰って行った。良い正月になりそうだ。

 彩菜と相談して31日から3日だけは勉強はやめることにした。


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