表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖女 美雪  作者: ぴい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/131

「第74話」装置

 平日勉強を終えると、週末に実家に向かった。


彩菜「今日は電車で行くのね。」


美雪「畑作業するから、村の人が見るかもしれないし、一度行ってみたかったの。」


 電車は移動は早いが、駅までの時間も合わせると1時間以上かかった。


彩菜「車なら1時間以内だけど、時間かかるね。」


美雪「引っ越ししたら関係ないからね。ねえ。大学の駅出発から実家まで25分よ。」


彩菜「案外近いわね。駅から家が15分くらいかな?」


美雪「抵抗なく通えるね。高校まで歩くのと変わらないじゃない。」



彩菜「おばあちゃん達来ないわね。始めましょうか。」


美雪「そうね。」



 2人で畑の準備をしていると先生がやってきた。


先生「あれ?来週じゃなかった?」


美雪「そうですよ。私達はただ畑の準備だけ。」

彩菜「こんにちは。私も来週行きますのでよろしくお願い致します。」


先生「良かった。ボケたかと思った。」



長老「お前達。ずいぶん早かったのう。」

彩菜の祖母「私達もやりましょう!」


先生「昼どうするの?わしが作ろうか?」


彩菜「えっ!いいの!食べる!」


先生「じゃあ、後で。」



 4人は懸命に畑の準備をして、かなり進んだ。


美雪「ねえ。私、昼から先生の使う装置作るから畑作業抜けていいかな?」


彩菜「明日には十分終わりそうだし、いいよ。おばあちゃん達、来週に苗植えをお願いね。」


長老「任せな。」

彩菜の祖母「楽しみだわ。」


美雪「そろそろ先生のところ行こうか。」


彩菜「区切りいいし1時過ぎたら患者さんもいないでしょうから行きましょう。」



 みんなで男の料理を食べる。鍋なので誰が作ろうが似たようなものだが。


彩菜の祖母「やっぱり鍋の季節ね。」


長老「この黒いのは何じゃ。醤油か?」


彩菜「醤油だと味が濃くて合わないわよ。ポン酢っていうの。醤油も混ざってるんじゃないかな。。普通に売ってるから、自分で作らないから分からないな。」


美雪「ポン酢はとりあえず何でも無難に合うからね。私、ポン酢で白菜食べるの好き。」


長老「あの白い四角のは。。」


彩菜の祖母「豆腐ね。豆で作るの。味はあまりないかな。」


長老「美味いのう。先生すごいな。」



先生「ん?わしが?たぶんポン酢がすごいんだ。適当に作ったらポン酢が何とかしてくれるからな。」


 鍋を楽しむと美雪以外は畑作業に戻った。



美雪「先生。私考えたけど、胃カメラの装置を丸ごと入れる異空間を作るわ。1階の空き部屋の空間と入れ替えるけどいいかな?」


先生「あの部屋なら使わないから大丈夫だ。」


美雪「ただね。今日は完成しないの。電力を装置内で作って交流100ボルトに変換する装置をお父さんが作ってくれるから、それが出来たら使える。そういえば、お父さんに言われた。何アンペアなの?」


先生「20アンペアの専用回路だったから20アンペア以内だ。」


美雪「もしもし。お父さん。20アンペアの専用回路だって。。あっ。そうなんだ。。ふーん。分かった。」


先生「何だって?」


美雪「20アンペアの変圧器はものすごくデカくて重くなるから、こっち来た時に電流値測るって。良く分からないけど2kVAはトランスだけでかなり重いとか。」


先生「まあ、専門の人に任せよう。」


美雪「囲む空間だけ作るわ。内部にボタンつけるから、ボタン押した時だけ異空間モードになるから。通常は空き部屋の空間がこちらにきただけ。ボタン押す瞬間だけはどちらの空間もまたいだ状態にはなれないから、空き部屋は入れないようにしてね。胃カメラの装置側は扉を閉めて入った状態じゃないとボタン無効化するから。」


先生「通常は閉鎖しないなら顔だけ入れて押せるんじゃないか?」


美雪「大丈夫。ボタン押す場所に。。いわゆる重力センサー付けるから。。そうね。30キロ以上。。安全装置足りないな。。そうだ!温度が35度から40度の物体がボタンの前に立った時に作動するようにして、ボタン起動のための暗証番号の入力もつける。」


彩菜「足りないわ。患者さんや先生が大切にしてる猫が横切ったら大惨事よ。装置をまたいでないか感知センサーも必要よ。」


美雪「何しにきたの。確かに必要ね。」


彩菜「先生。お茶飲もう。休憩よ。」


先生「分かったけど、私だけは休憩しっぱなしだが。」



 3人で美雪の家に行き、お茶を飲むと再び戻り装置を完成させた。



 突然急患がやってくる。


患者の親「せ、先生。」


先生「どうした。」


急患の親「子供がやけどを。。どうしたら。」


 目を覆いたくなるくらい、ひどいやけどだった。


急患の親「助けて下さい。お願いします。」


先生「出来る限りのことはするが。。厳しいかも。」


急患の親「先生。何とか。。」



 美雪は離れて彩菜に電話する。


美雪「先生が治療しますので、状態が悪すぎますから集中する必要がありますので終わるまで外で待機して下さい。」


 患者の親と入れ替わりで彩菜がやってくる。


彩菜「美雪。どうした。。。大変じゃない!先生助かるの。」


先生「やけどの広さがひどい。やがて酸欠で。。もう助かる見込みはない。」


彩菜「まだ死んでないじゃない!死なせないわ。美雪入れて。」


美雪「でも。」


彩菜「そんなことで村から変な目で見るなら、見ればいいわ。子供がこんな状態を見過ごすなんて私はいや。」


美雪「分かった。入れるよ。」


 美雪の妖力粒が彩菜の能力で変換され、瞬時にやけどは全て治ってしまう。



先生「どうだ?痛いところあるか?」


患者「ありがとう。。怖かったよー。」


彩菜「泣かなくて大丈夫。気をつけようね。」

美雪「ジュース飲む?あっ。。」


患者「うん。」


美雪「。。。」


彩菜「美雪?ちょっと美雪!。。先生!サプリ!」


先生「おお。持ってくる。」


彩菜「美雪。寝て。」


 美雪をベッドで横にすると先生が戻ってくる。


先生「美雪。飲め。」


 美雪はサプリを飲むと眠っていった。



彩菜「体内の全部使ったのね。」


先生「何故空中のを使わなかったんだ。。」


彩菜「生きるか死ぬかよ。考える余裕なかったんじゃないかな。」


先生「さて。どうする。意識なかったから子供にはバレてない。だが。。」


彩菜「こうしましょう。先生は超能力の研究してて、私は超能力者。美雪は子供の姿見てショックで倒れた。先生が本来なら助かることはない状態だったのを助けたんだから、このことは決して話をしてはいけない。ってね。話したら国に消されるとか言えばいいんじゃない?名演技頼むわ。」


先生「むちゃくちゃ言うね。まあ、超能力なのは間違いないしな。そうするか。」



 先生が患者の親を呼び、説明する。患者の親も助からないだろうことを察していたようで、全て承諾した。


患者の親「ありがとうございます。本当にありがとうございます。」


彩菜「家族全員を守り、幸せに生きたいなら、絶対に口外してはいけないですからね。本当に消されるからね。いい?何もなかった。分かった?」


患者の親「分かりました。代金は?」


彩菜「だから!何もなかったでしょう?」


患者の親「いや、命を助けて頂き、そういう訳には。。」


彩菜「じゃあ。私達、来年先生の隣に引っ越ししてくるから、もし村の人が敵にまわった時に味方になって下さい。」


患者の親「そんなことは村長に逆らってもしますよ。」


先生「助役の立場でするの?」


患者の親「私、次の村長選に出るつもりですし。」


先生「それは強い味方だね。」


彩菜「元気になって良かったねー。」


患者「うん。ジュースありがとう。」



彩菜「夕食の支度しないといけないから、診察終了。解散ね。」



 患者と親は手を繋いで帰っていった。


先生「しかし、医者要らないな。」


彩菜「要るわよ。美雪を守るためには必要不可欠。それに毎回こんなことしたら本当に国に消されちゃうわ。美雪起きたら連れて来てね。」



 先生は美雪を見守り、目を覚ますと健康状態を確認して、美雪の家に向かう。


 弁護士さんも加わり、派手に宴が繰り広げられた。



 彩菜は人の役に立てて嬉しかった。美雪の力のことは一切バレずに済んだことにも安堵した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ