「第73話」色々
美雪との研究を終え、美雪の家族と彩菜の家族がみんなで夕食を食べる。
佳代「みんな揃ったわね。では食べましょう!」
特別なものもない食事だったがみんなで食べる食事は何故か美味しい。
美雪「お父さん。来週妖怪村に行ってきていいかな?」
大輝「何か用事か?」
美雪「いや、特にはないんだけどね。今後のこともあるから、月に1回くらいは行こうと思って。」
彩菜「それだったら先生連れて行ったら?病気の人もいるかもしれないよ。」
美雪「なるほど。いいかも。でもそれなら土曜は診察があるから日曜になるわね。」
彩菜の母「弁護士さんは。。妖怪村では役に立たない仕事かな。」
美雪「毎月行くから、そのうちに連れて行くわ。お酒なら弁護士さんはかなりの知識あるし、楽しいとは思う。」
大輝「今週は実家には帰らないのか?」
美雪「今考えてるのをまとめたいから今週は行かない。先生に電話だけして約束しておく。」
彩菜「そういえば。温泉施設のことはずいぶん考えているけど、住む家は考えているんですか?」
大輝「いや、要るかな?温泉施設内に住めばいいかと思ってたけど。」
彩菜の父「これは私の意見ですが、仕事とプライベートの線引きがなくなるのはストレスになるんじゃないかと。私は別で建てるほうがいいと思う。」
佳代「美雪の家は大切な思い出だから壊すつもりはないわ。だから、別で住む場所なら。。あの家をリフォームするのがいいと思う。」
美雪「畑もあるから、あそこに住むのはいいと思う。リフォームもしなくてもいいんじゃないかな。」
大輝「まあ1度考えてみようか。」
彩菜「ねえ。美雪。。来週、私も妖怪村に行きたいな。」
美雪「えっ!あなたが行かないなんて、考えてないけど。妖怪村に活気が出たのは彩菜のおかげよ。あなたは必須よ。」
彩菜は何とも言えない雰囲気で嬉しそうだ。
彩菜の父「私らも来週行こうか。家や畑のこと考えたいし。」
大輝「それならせっかくだから、みんなで車で行きましょうか。」
美雪「えっ?移動装置使わないでわざわざ?」
大輝「村の人とも多少交流も出来たから、不自然なことは危ない。」
美雪「全く考えてなかった。そうだね。私も電車で行ったりもしたほうがいいかもしれない。あの子学校行ってるのかとか噂になるかもしれないわね。」
彩菜「ねえねえ。美雪。」
美雪「何?どうしたの?」
彩菜「今、先生に連絡したらさー。まだ2回だけなんだけど。先生さー、おばあちゃんの依頼で月に1回妖怪村に行ってるんだって。急病の時はこっそり連れて来てるって。ちょうどいいから日曜は大丈夫だって。いつもは水曜日の午後に行くらしいわ。」
大輝「皆さん温泉のためにいろいろ活動してくれてるんだな。ありがたい話だよ。」
彩菜の父「もうかなり寒いはずだから、暖かい格好して行かないといけないよ。」
彩菜の母「では来週は金曜日の夜に向かいましょうか。お母さんの様子も見ないと。」
美雪「おばあちゃん達、そういえば最近来ないわね。」
彩菜「ああ、おばあちゃん達は1週間妖怪村で生活してるって。冬の畑の準備あるから週末に帰るっておばあちゃんが言ってたよ。」
美雪「だからスマホ電源入らないのか。。ちょっとおばあちゃんのところに行って来週末どうするか聞いてくるわ。」
美雪が出かけて行き、程なくして帰ってきた。
美雪「今週土曜日の朝に帰ってくるって。畑を一緒に準備することになった。彩菜、私達は今週末も土曜日日曜日は一緒に畑作業よ。」
彩菜「来週平日もやる?」
美雪「テスト勉強しましょう。来週はテストだし。」
彩菜「テスト勉強いるかな。。私達、何もしなくても一番と二番だよ。」
美雪「目的は受験勉強よ。」
大輝「あと1年ちょっとで受験か。受かるといいな。」
彩菜「本命のあそこの農学部は既に受かるレベルはあるわ。問題は私の京都と美雪の東京。高校への恩返しだから、結構プレッシャーよ。まあ美雪は既に合格する力があるけどね。」
美雪「運悪いと落ちるわよ。日本最高峰だから、やっぱり厳しいのは間違いない。」
彩菜の母「農学部を受けるの?」
美雪「私は工学部です。もともと興味あったからいろいろ調べたりしてたから。受かるなら工学部が可能性高いと想いましたので。」
彩菜の父「専門で学んだ私と対等に話をするくらいだからね。受かるどころか、大学で学ぶことを既に理解していますね。だから行く必要がないだろうな。村に住むなら農学部は賢い選択だと思う。」
美雪「ただね。応用力とかは私より彩菜のほうが遥かに優れている。型にはまった勉強は私のほうがいいけど、世の中で活かせるのは彩菜だわ。そういえば、彩菜のおばあちゃんね、初めての妖怪村を楽しんでたみたいだよ。火炎小僧が弟子みたいについてた。」
彩菜の母「おばあちゃんはすごいなー。私達より前に妖怪とお友達なんだもの。妖怪村楽しんでるって。。呆れるというか。。」
大輝「しかし。2人ともそんな大学受けるならしっかり勉強しないといけないな。」
美雪「私も彩菜も今の勉強続けたら合格するわ。今のままで十分よ。」
彩菜の父「いつの間にか私を上回ったのか。ずいぶん勉強したけどな。最低でも本命さえ受かればいいだろう。」
彩菜「そんなことないよ。私は工学部はとてもじゃないけど受からない。もっと偏差値低い学部受けるわ。」
彩菜の母「もうこんな時間!そろそろ帰りましょうか。」
彩菜達が帰っていった。
美雪は夜布団に入りながら考える。。んー。やっぱり妖力を使った装置と世の中の機械はあまり繋がないほうがいいわ。胃カメラを装置ごとシールドで囲って電力だけ供給することにしよう。そのほうが周辺機器も繋ぎやすいし。カメラ性能は私が作ったところで上回れない。そうしよう。
週末の装置作りの方向性が固まると眠った。




