「第71話」停滞
母と別れて、美雪の家に彩菜はやってきた。
佳代「彩菜さん。冬休みはどうするの?」
彩菜「決めてないけど、美雪と一緒に過ごすのは確かね。」
美雪「村は寒いから、おばあちゃん達をこちらに連れてきたほうがいいかな?」
佳代「寒いのは向こうのほうが強いけど、こっちだって寒いのは変わらないわ。」
美雪「それもそうか。」
彩菜「おばあちゃんって氷の妖力が基本でしょう?寒いって気にならないんじゃない?」
美雪「私、寒いから。部屋に行きましょう。」
彩菜「最近使ってなさそうだから研究室に行こうよ。」
美雪「分かった。けど何にもないよ?」
2人で研究室に入り、火と風の妖力で一気に暖める。
彩菜「快適ね。」
美雪「どうして研究室?」
彩菜「最近、研究が止まってる気がしたから。。」
美雪「。。。まあ。確かにそうね。温泉に気持ちいったし、あまり極めてもな。。人間社会で役に立つこともないから。」
彩菜「ねえ。先生とか弁護士さんが役に立つものなら価値あると思う。」
美雪「聞いてこようか。」
2人で出かけると弁護士さんは外出中だった。先生のところに行くと暇そうにしていた。
美雪「こんばんは。」
医師「どうした?調子悪いのか?」
美雪「調子悪いなら彩菜が治してくれるわ。」
医師「それもそうだな。」
彩菜「ねえ先生。美雪に作ってほしい装置とかない?」
医師「そうだな。。注射しなくても血が抜ける注射器とか。。口から入れなくても見れるカメラとか。。でもな。患者が怪しむよな。」
美雪「なるほど。じゃあ、胃カメラを異空間で閉鎖して、装置で見れるようにしようか。温泉見つけた装置に似てるけど、胃カメラの装置をそのまま囲むしかないわね。」
彩菜「でも電源が囲めないよ。」
美雪「そうか。。妖力で電源供給すればいいかも。お父さんに聞かないと分からないな。」
弁護士「先生いるか?今日夕食。。美雪さん達。何してるの?」
彩菜「あーっ。探してたんだよ。」
弁護士「なになに。」
彩菜「あのね。美雪に作ってほしい装置とかないかな?」
弁護士「んー。人と接する仕事が多いからな。。処理能力が高いパソコンほしいとは思ってたけど、買えばいいしな。。」
美雪「パソコンより遥かに性能いい装置は作ったけど、データをパソコンに送れないからな。それが出来たら何でも出来るわね。紙を読み取って自動入力だって。そうだ!ポストとかに行かなくても入る装置とか。」
弁護士「それはいいね。役所とポスト遠いからな。車で10分くらいだけどな。」
医師「わしは毎日郵便物が来るから、配達員に渡すからな。」
弁護士「私は夜に書類作るし、昼間は出かけるからな。夜中に出せたら、ありがたいな。」
美雪「今度の土曜日に弁護士さんが繋げたい場所に連れてって。繋ぐから。2人に役に立つ装置を作るぞ!」
彩菜「土曜日の午後に来ますね。」
医師「何だか。。嵐みたいな2人だ。」
弁護士「パソコンより高性能って。。」
医師「彩菜さんのお父さんが言ってたけど、量子コンピューターより性能上とか。。何か良く分からないけど、今世の中にあるコンピューターより遥かに性能上なんだって。」
弁護士「んー。それは性能が全く活かされないな。確かに美雪さんの装置がパソコンと通信出来たら様々な入力が可能になるな。繋がないと周辺機器もみんな自分で作らないといけないからな。」
医師「まあ、静かに待つか。わしらは何も出来ない。」
弁護士「そういえば夕食どうする。」
医師「患者さんがいろいろくれたから、家で食べるか。」
弁護士「じゃあ。私が作らせていただきましょうか。」
医師「雪。まだ残ってるから熱燗にするか。」
弁護士「いいね~。」
男だけの食事は盛り上がったようだ。




