「第68話」契約
無事村から帰還した美雪達は家に入って行った。
美雪「やったわ!これで温泉の働き手は確保したわね。」
長老「しかし、むちゃくちゃするな。。」
美雪「簡単よ。妖力一番強ければいいんでしょう?あら?おばあちゃん。妖力空じゃない。」
長老「極度の緊張で漏れてしまったわい。」
美雪「お漏らし!それ、どうやるのよ!」
長老「だから、分からないって。お漏らしって言うなと言ったじゃろう。」
弁護士「お婆様。ちょっと美雪さんのところ。。あれ?いるじゃないか。」
美雪「弁護士さん。村の者を押えてきたわ。労働者は確保したわよ。」
弁護士「へー。長老があんなに頭を悩ませてたのに。どうやって?」
彩菜「姿見せたまま、いきなり空から村に降りて、ナンバー2を一撃でやっつけたの。」
弁護士「むちゃくちゃだな~。そんなんで解決するのか。。」
美雪「んー。たぶんだけど、彩菜のおばあちゃんの言葉と彩菜の言葉のせいね。あれで雰囲気変わったから。」
長老「確かにあれはデカかった。」
彩菜「美雪に用事?外そうか?」
弁護士「大丈夫。美雪さん。土地の売買契約書だ。記入して、印鑑を。ああ印鑑登録。。そういえば融資受けないのか。適当な印鑑でいいよ。美雪さんが振り込んだら相手がサインするから、提出するよ。」
美雪「月曜日に振り込むわ。」
弁護士「それなら、来週中に名義変更を完了させるよ。」
美雪「印鑑取ってくる。」
美雪が戻り、押印する。
美雪「ボーリング来週の土曜日に依頼するって。大丈夫かな?」
弁護士「問題ないと思う。問題あれば連絡するから延期してくれ。」
美雪「あっそうだった。お母さんが、みんなで夕食食べる?って。」
長老「食べる!」
彩菜「おばあちゃんが返事するんじゃないでしょう。弁護士さんよ。」
弁護士「はは。まあ、長老に従うしかないだろう。先生呼んで、6時に行くよ。」
美雪「じゃあ、先に行ってるね。」
美雪達は先に大輝の家に行く。
美雪「ただいま。お母さん、月曜に振込みお願い。」
佳代「分かったわ。金額デカいからな。」
大輝「先に電話入れておくよ。」
長老「何で?」
佳代「金額デカいと、拒否される場合があるの。」
彩菜「そうなの!美雪のお金じゃない。」
彩菜の父「それが違うんだよ。銀行のお金なんだ。そういう世の中だ。」
美雪「なんか理不尽ね。」
彩菜の祖母「そういえば、ごはんの支度しないでいいの?」
大輝「土地が確保された。お祝いで寿司にしたから準備なし。」
長老「す、寿司。。いかん。また漏れてしまったわい。」
美雪「も〜。今日2回目じゃない。ねえ、緊張しなくてもお漏らしするの。どうやって?」
長老「だから、分からないし、お漏らしと言うなって。」
彩菜「はい。サプリ。」
長老「すまんのう。」
彩菜の母「1回目は何でお漏らし。。いや、なんていうのよ!」
長老「ああ、美雪が姿見せたまま、村に降りて暴れたからじゃ。火炎小僧が木っ端微塵じゃ。」
大輝「殺したのか!」
美雪「死にそうだったから、彩菜に治してもらった。私の治癒妖力では、あそこまで酷いと治せない。」
佳代「あなた達。むちゃくちゃし過ぎでしょう!村は大騒ぎじゃないの?」
美雪「最終的に、彩菜のおばあちゃんと彩菜の言葉で、妖怪村の者達は理解してくれた。お父さん。労働者確保したわよ。妖怪村の全員が協力してくれるって。」
長老「そういえば、スマホの電波入らなかったな。」
彩菜「ちょっと、ダメじゃない。何故スマホの電源入れたのよ!」
医師「お邪魔します。聞いたよ。村を押えたんだって?」
長老「大輝さん。テレビどれじゃ。Bluetoothで繋ぎたいんじゃが。。」
彩菜の父「は?これは驚いたな。。そんな使い方は母にも出来ないよ。」
長老「ググったんじゃよ。」
美雪「すごい!おばあちゃんって侮れないわね。。」
大輝「えーとね。。あった!これがテレビだ。」
長老「動画撮影してた。」
美雪が火炎小僧を倒すところから、帰るまでを撮影している。
美雪「もー。なんだそれー。。何かおばあちゃん動かないし、無口だと思ったけど全く気づかなかったわ。」
長老「隠し撮りじゃよ。」
佳代「ちょっと、おばあちゃん。あなた何やってるのよ!全く、悪いことを覚えて。。」
弁護士「しかし、これは見事だな。戦略としては完璧だ。あれで死なないのもすごいな。」
長老「あいつ、雪を2番目の女としてなら、もらってやると言いやがってな。あんな奴を助ける必要はなかったんじゃよ。」
彩菜の祖母「あら、素直でいい子じゃない。」
医師「その感性もなかなか立派だと思う。」
彩菜の母「ねえ、どれ?」
長老「何がじゃ。」
彩菜の母「いや。だから、火炎小僧の奥さんはどこにいるの?」
長老「いない。独り身じゃ。」
美雪「はー?なんだそれ。。それでお母さんを2番目って?頭にきた。助けなければ良かったわ。」
弁護士「まあまあ。殺したら、自分の心に残るぞ。良かったんじゃないかな?」
長老「あのう。。お腹空いたんじゃが。。」
佳代「あら。ごめんなさい。忘れてたわ。あなたが変な動画見せるからよ。しかし、見た目は人間とあまり変わらない人が多いわね。」
おばあちゃんは目の色を変えて、寿司を食べる。
全員で温泉の門出を祝いながら、楽しい夕食になった。




