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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第64話」会合

忙しい日々が落ち着きましたので、予定より早く投稿再開致します。本年もよろしくお願い致します。

 土曜日の朝から美雪宅に集まり各自の課題報告を行った。


弁護士「南のエリアの土地は所有者は1人だった。エリアの倍くらいを所有していて、全て買い取るのを条件に坪1万円の2500万円なら売却するそうだ。北側は所有者が判明して、村を出た息子さんが所有者だった。確認したら、国有地との境で無価値だから500万円なら売るそうだ。」


美雪「それなら私が買い取る。先生の隣の土地は?」


弁護士「それが、息子さんと連絡が取れなかった。が、所詮農地だ。畑やる人しか建てられない。森林よりは高いだろうが300万円もあれば十分だと思う。」


彩菜の父「それなら土地買って家建てるのは十分可能ですね。」


弁護士「あと、酒の販売の免許は取れる。土産屋と酒や食品。なんなら皆さんが作った野菜販売も施設内で出来ると思う。」


医師「医者は片手間だ。私も手伝えるぞ。」


彩菜「先生ってさあ。薬剤師の資格あるよね?薬の販売。ドラッグストアみたいなのも入れたらいいんじゃない?」


大輝「知り合いに頼んだ設計図だ。コの字型に温泉旅館を建てて真ん中に温泉を作る。」


医師「これは相当大規模だな。。大丈夫か?」



大輝「この辺りには温泉はないからね。鉄筋4階建て。一階は店や食堂、調理室、店舗用の部屋、従業員控室と、建物を維持する設備を配置した。2階、3階は全く同じ作りで宿泊部屋。12畳と8畳を交互に配置した面が中央一面。両サイドは8畳と6畳を交互に配置している。全ての壁は収納すると部屋が広がるし、8畳と6畳は仕切り壁を引き出すと1人用にも変更出来て、効率的に部屋が自在に変えられます。」


佳代「それって。。騒音とかでトラブルにならないかな?」


大輝「それは大丈夫。美雪が異空間の壁で遮断出来るからね。」


彩菜「へー。そこは妖力利用するんだ。」


大輝「妖力使わないと実現出来ないよ。あと、四階は両サイドは下の階と同じ。中央の面は大研修施設で3部屋確保した。もちろん宿泊部屋にも壁を引き出せば変更出来る。全部で各階100部屋くらい。8畳以上の部屋は風呂が付いているが水道水で温泉の水ではない。」


美雪「何で?せっかく温泉あるのに。」


大輝「温泉の水は建物が傷む。だから建物には温泉の水は入れない。あと、全ての水を川に流すのはヤバいから、完全にろ過してきれいな水に戻して地下の水脈が落ちていくところに流す。」


彩菜の父「さすがだな。。これはすごい。同じ部屋の構造にしてコストダウンしているから安価に考えてある。。とは言え、これは高いでしょう。」


大輝「見積もりは44億円。私の会社が10%利益を取る。消費税もあるから50億近い。だが、最も工事が信頼出来て、他より安い。もちろん駐車場整備とか全て含まれている。」


佳代「いくらなんでも、お金足りないじゃないの。会社で作るってこと?」


大輝「会社のお金で作るなら利益乗せないよ。」


弁護士「しかし、これだけのお金を融資受けたら返済が非常に厳しい。お客さんが来なかったら破産するよ。」


大輝「私だけの考えだけど、朝夕食事付きで1人1泊税別15000円〜20000円。最大収容人数は思い切り低く見積もり400人として。。毎日満員はあり得ないから、平均200人来たとして300日と仮定しましょう。年間10億近い収入がある。もちろん販売などの上乗せも。税金や給料払っても4億は可能性ある。これでも相当低く見積もっているから。10年で償却も不可能じゃない。村も税収考えたら1億円補助金だすそうだ。」


医師「見事だ。スターマイン取り返したな。ただ、見積もりが甘いな。」


大輝「平均が多いですか?」


医師「1泊の見積もりが安すぎる。つまり、もっと利益がある。」


美雪「最大は低く見積もらなくていいんじゃないかな?6畳2人、8畳3人、12畳4人でも少ないくらいじゃないかな?1000人くらいの収容能力よね。。けど、得するのは村じゃないかな?」


大輝「駐車場は1000台で設定している。日帰りも多いだろう。予想外の出費はあるだろうから、最悪建設費は70億円とみてる。つまり税込みで20年で償却出来る。妥当じゃないかな?しかも相当低く見積もってるからね。あと、日帰りで温泉だけ楽しむ人は2500円で考えてるが、敢えて今の計算には含まなかった。土産とかバーとか上手くやれば更に収入も増える。」


弁護士「んー。集客次第ではあるがビジネスとしてはかなり優れていると思う。わざわざ関東に行かなくてもいい。ライバルも近くにはいない。どう考えてもお客さんは来るだろう。ああ、大輝さん。あなた資産は?」


大輝「10億円くらいです。」


弁護士「俺達3人合わせても建設費に届かないな。融資受けるしかないな。」


大輝「いや。私、会社を売却してリタイアするつもりですから。融資受けないつもりです。融資受けたら金利分が見積もりに入っていませんよ。」


彩菜の母「思いきったわね。。確かにこちらに住むなら不要ね。というか社長のかけ持ちは不可能よね。」


彩菜の父「大輝さん。会社の業績と資産は?」


大輝「毎年の利益は20億円程度。資産は土地、設備、証券含めて70億円。ただし、借入金が20億円。」


彩菜の父「一般的に利益の5倍プラス資産額じゃないかな?つまり150億円くらいが売却相場になる。そうですよね?弁護士さん。」


弁護士「一般的にはそうですね。ただ、頻繁にある訳ではないし、相手の希望にも左右されるから、上にも下にも行くね。」


彩菜の父「じゃあ。私のサラリーマン最後の仕事として私の会社に買収してもらう動きを取りましょうか。150億は死守する。建設業に手をのばしたがっているから、今はチャンスです。」


大輝「あなたの会社なら信用出来るし、巨額な資産があるからな。」


弁護士「一つアドバイスすると、会社売却したら、大輝さんは納税額が半端ない。半分無くなる。だから、大輝さんは個人事業主になるか法人を作り、温泉施設の発注と支払いを会社売却と同じ年にすると節税になる。」


大輝「なるほど。すごい額の節税になるな。。80億かかっても30億は残るかな?赤字でもつながるな。償却考えたら法人一択だな。」


医師「お客さん0でも給料分と設備維持費だけしかかからない。年間3億円くらいしか赤字にならないんじゃないか?」


美雪「お父さん。資産が10億円以下になった場合は直ちに手放しましょう。そこまで採算合わない場合は辞めたほうがいい。畑だけでのんびり過ごしたら十分生きて行けるから、そのラインは守って。」


佳代「私も美雪の案に賛成よ。」


彩菜の父「区切りとしては妥当だと思います。そこで辞めれば生きて行ける。美雪さんの案に従うのを条件にするなら、私も協力します。」


弁護士「妥当だな。私も乗る。」


医師「じゃあ。わしも。」



大輝「分かりました。そこを温泉経営の失敗のジャッジするラインにします。建物の案は、私の考えですから、皆さんの意見も取り入れて年内に固めましょう。来週に詳細設計して、再来年発注を目指しましょう。」


彩菜の父「再来年か。準備や交渉考えたらベストかもしれない。私は会社売却の1年後にリタイアするよ。」


彩菜の母「彩菜達が大学に入る年よね。完成は?」


大輝「発注から2年弱になるかな?そうだボーリング。土地を購入したら、ボーリングして管をはわせて止水弁をつける。美雪ボーリング当日は音遮断してくれないか。」


美雪「分かった。透明化して、遮断するわ。」


弁護士「振動は?」


美雪「地下1300メートルまで囲うから大丈夫じゃないかな?」


弁護士「そこまでは、必要経費だな。ダメでもかかるのは防げない費用だ。土地は美雪さん名義だな?建物は大輝さん名義か法人だな。」


彩菜「法人と個人事業主でどう違うの?」


弁護士「まあ、大輝さんが分かってるよ。よほどの理由がなければ法人だね。経費が複数年で償却出来る。美雪さんの土地を借りる形式にしたら、賃貸料を変えれば、いろいろ節税もやりやすい。理想的かもしれないな。」


医師「なあ。かなり人が要るんじゃないか?力仕事を私達だけで400部屋も無理だぞ。温泉の清掃とか。かなりの人が必要じゃないか?この村では集まらないぞ。」


美雪「妖力で何とか出来る部分はあるわよ。。考えるわ。」



彩菜の祖母「あなた達。賢いわりに。。力持ちならいっぱいいるじゃないの。」


佳代「えっ?どこに?」


彩菜の祖母「妖怪村によ。」


長老「お前。何ということを。。妖怪が働く温泉に誰が来るんじゃ。」


美雪「確かに!人と区別つかない妖怪は結構いたし、姿が違う妖怪は裏方で仕事ある。必要なら透明化するし。」



大輝「じゃあ。この妖怪の存在を知るメンバーと妖怪のみで温泉をやろう。建設費を回収して、年間4億円の黒字になるまでは申し訳ないけど、全員月40万円。ボーナス60万円の年収600万円にさせてもらうから。それ以上の稼ぎになった場合は利益の半額を均等に分配する。半分は温泉の保守費用とかのために会社の資産として貯める。ああ、妖怪の方たちは月30万円でボーナス45万円で年収450万円です。」

 

長老「なんじゃ。。大輝さん。お前も妖怪を差別するのか。。それが原因で妖怪は人間から離れたんだ。江戸時代に半額にされたんじゃ。それよりはマシじゃがな。。」



美雪「何を言ってるの?おばあちゃん。大きな勘違いしてるわよ。いい?人間が600万円稼ぐということは、税金を20%取られるの。更に年金と健康保険と雇用保険。介護保険。現金としては、どうだろ。27万円くらいしかもらえないんだよ。妖怪は非課税よ。分かる?人間より多いのよ。それに江戸時代って後半は破産寸前で80%とか引かれたらしいから、あなた達は江戸時代でも優遇されてたの。しかも、裏金に出来ない場合は経費の一部になるから会社はあなた達の給料を利益として扱われるから税金取られる対象よ。だから、土地の貸し借りで工面して、私の利益から妖怪の給料を分配しようとかいろいろ小細工考えないといけないの。」



長老「。。。そんな。。わしらはいったい。。長く勘違いしてたのか。。情けなくて消えたいよ。」



彩菜「謝って人間を許す。妖怪さん達の誤解を解くのがおばあちゃんの仕事よ。消える暇があったらやりなさい。ウナギ食べさせないからね!」



長老「は、はいっ!申し訳ございませんでした。」



彩菜の母「あなた。言い過ぎよ。」


彩菜の祖母「ウナギ食べれないのはつらいから、謝るしかないから仕方ないだろう。」


長老「孫もおばあちゃんも相変わらず失礼じゃな。」



医師「妖怪の方たちは力仕事では、非常に重要な労働者だから、長老の責任は重大だぞ。」


美雪「話ついて、建物出来たら、妖怪村と繋がないといけないわね。」



弁護士「人生最後のビジネスプロジェクトとしては悪くない。楽しみだよ。2年以内に、街の仕事はクローズするかな。」


医師「わしはどうしたら。。」


美雪「お医者さんは、今まで以上に重要よ。出来る範囲で手伝ってくれたら、誰も文句言わないわよ。それで気に入らない人いる?」



医師「分かった。ありがたく参加させていただくよ。」



大輝「社長は美雪。副社長は彩菜さんだ。私は会長か顧問になる。弁護士さんは監査役。後はまた考えるけど、給料は同じ。美雪が本格的に社長としてやっていけるようになったら、全て美雪に任せるよ。」


美雪「えーっ。私が社長なの。。」


彩菜の父「長く続くなら、私達の世代がやるべきではない。適切な配置だと思う。」


彩菜「学生の経営者か。。すごいなー。」


美雪「緊張してきた。親の資産食い潰す馬鹿者にならないようにしないと。。」


医師「税率まで知ってて、物理も研究者レベルの人と対等に話す人が出来ないはずがない。副社長もナイスアシストには優れた人物。。これは相当行くんじゃないか?」


彩菜「美雪。SNSだけ始めてフォロワーつけておきましょう。未来の準備。私達にはおっぱいがある。」


佳代「ルックスあるから、おっぱいは強調しなくても。。」


彩菜「いいじゃない。減るもんじゃないから。」


彩菜の母「だから減るもんじゃないって思考はやめない!」


彩菜の父「全員で十分な準備はしましょう。」



 新しい挑戦に結束する仲間達だった。


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