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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第63話」驚き

 温泉の報告の2週間後、2台の車で一路実家に向かう。途中で彩菜達が目指す大学を彩菜の父が母親に見せながら説明し、実家に到着した。

 

 弁護士さんと先生は先に来て、食事の準備をしていた。


弁護士「ようこそ。もうすぐ食事が出来ますので、ゆっくりして下さい。彩菜さんのお婆様。はじめまして。」


医師「はるばる遠くにようこそ。」



彩菜「おばあちゃん。私のおばあちゃん連れてきたよ。」


長老「これはこれは。はじめまして。遠くからよく起こし下さいました。」



彩菜の祖母「お、おばあちゃん!。。」


長老「ん?なんじゃ。。」


彩菜の祖母「もう会えないと思ってた。変わらないわね。妖怪って本当に歳取らないのね。」


弁護士「えーっ!どういうこと?」

医師「よ、妖怪って。。」



長老「まさか、久美子か!。。お前さんもすっかり似たような姿になったものじゃな。。」


彩菜の母「妖怪って。。何故?」


彩菜の父「ひょっとして。。前に長老が言ってた。。50年前に。。」


長老「そうじゃ。山で迷った久美子を助けて仲良くなったんじゃよ。久美子は都会で一緒に暮らしてたんじゃ。わしは村を出たかったから久美子のところに行ったんじゃ。10年経たないくらいで嫁に行くことになったから、わしは村に戻って村長になったんじゃよ。」


彩菜の祖母「おばあちゃん。あの時より、いっぱい魔法使えるの?」


長老「お前。魔法と言うなと言ったじゃろう。まさか、また会えるとはな。。長生きするもんじゃわい。」



彩菜の祖母「何故人間界に?あの時にもう来ないって。。」


長老「実はな。最近知ったことなんじゃが、私のひ孫が美雪なんじゃよ。今年の夏に美雪がお前さんの孫と一緒に訪ねて来てな。。」


弁護士「へー。つまり。妖怪を知る人間の全てが集まったのか。。」


彩菜の父「母さん。妖怪の話なんて一度もしなかったじゃないか。」


彩菜の祖母「当たり前じゃない。おばあちゃんとの約束だからね。誰にも言ってないわよ。あなた達だって隠してたじゃないの。」



佳代「まあ。。結果的には隠す必要なんて無かったのね。」


大輝「何だよ。分かってたら、車じゃなくても良かったな。」

 

彩菜の祖母「どういうことだい?」


彩菜「隣の部屋に美雪の部屋と繋がっている装置があるから、すぐに来れるの。」


彩菜の祖母「そうなのか。。おばあちゃんはすごい魔法使えるようになったんだね。」


長老「それは違うぞ。作ったのは美雪だ。美雪は、私なんか比べものにならない能力があるんじゃ。ずっと悩んでた妖怪村の引っ越しをあっという間に解決してしまった。おかげで、わしは村長を引退出来たんじゃ。みんながいなくなるまでは、ここに住むことにしたんじゃよ。」



彩菜の祖母「つまり。。すぐに美雪さんの家に行けるのかい?」


彩菜の母「ええ。私達の家まで5分もかからないわ。隣の部屋から行けるわ。」



彩菜の祖母「だったら、私は残りの人生はおばあちゃんと過ごす。ここに住む。子供にも孫にもすぐに会えるなら、ここに住む。決めたわ。家は売り払っていいから。結構高く売れるぞ。」



 彩菜の父が相談する必要もなく難問は解決してしまった。


彩菜の父「じゃあ、私達も引っ越しだな。あとはタイミングだけだな。弁護士さん、先生。彩菜と美雪はここに来る途中にある大学を目指すらしい。ここからなら自転車で通える。」



医師「田舎とはいえ悪い奴もいる。夜は真っ暗で人も少ない。スーパーの近くに駅がある。1駅で大学。電車で行くべきだな。2人とも、あまりに美人過ぎる。あまりに危険だ。」


彩菜「まあ、電車でもいいよね。美雪が氷で相手倒すから、問題ないとは思うけど。」


大輝「帰り登りだから自転車は厳しいと思うよ。それに外で妖力を使うのはできる限り避けたほうがいい。」


美雪「やっぱり電車にしようか。」


彩菜「そうね。そもそも、まず合格しないとね。」



医師「さあさあ。食事をいただこうか。」



 食事を食べ、長老とおばあちゃんの思い出話をすると、みんな初めて聞く話を楽しそうに聞いた。



弁護士「そういえば長老。先日、見せてもらった昔のお金。ほんの一部売ったら100万円以上になったよ。まだまだかなりあるから、一旦はこのお金で生活して下さい。お金なくなったら。。また考えましょう。残りは返しますよ。」


彩菜の祖母「これって。一緒に生活してた時に集めたやつじゃない。おばあちゃん小銭好きだったからな。あの当時の新札も。。大切にしてたんだね。」


長老「そもそも使い道が無かったからな。ウイスキーやウナギが食べ放題じゃないか。」



美雪「ダメよ。大事に使わないとあっという間に無くなるわ。おばあちゃんは畑のお金で生活しなさい。」


長老「は、はい。。」



佳代「おばあちゃん。美雪には素直ね。」


長老「わしが30年かけても全く出来なかったことを2日でやってしまったんじゃぞ。しかも、考えてもいなかった方法でじゃ。わしは頭が上がらんわい。」



彩菜の祖母「へー。圧倒的妖力で頼られるのが嫌で、妖力村を脱出したおばあちゃんが全く敵わないなんてね。いいひ孫さんなのね。私、結婚するか、おばあちゃんと生活続けるか悩んだの。。でもね。私が先に死ぬのよ。おばあちゃんは1人になってしまう。だから、結婚を選んだ。両方は無理だったから悩んだの。けど、また会えたから、あの時の後悔は消えたわね。」


医師「そうだな。ここにいるみんなが死ぬのを長老は見送る可能性は高い。つらいかも知れないな。」



美雪「そんなことを悩んで関われないほうがもったいないわ。一番幸せになる道を選ぶのが人生よ。」


弁護士「いや〜参ったな。。」


長老「わしもいい歳じゃ。案外変わらないかもしれんぞ。さあ、とっておきのを飲むか?酒が一番強いのは彩菜のばあちゃんだよ。」


彩菜の父「あまり見たことないけど、昔から飲んでも酔わないとは思ってた。」


佳代「ねえ。結婚するまでは、おばあちゃん達はどこに住んでたの?」


長老「東京の東京タワーが見える場所じゃったな。途中で建設始まったな。東京タワーは何回か行ったな。」


彩菜の祖母「助けてもらった後、住んでる場所は教えたんだよ。東京で1人暮らししながら働いてた時におばあちゃんがやって来たのよ。すごい音がするから窓から外を見たら、夜中におばあちゃん空飛んでた。私と目が合ったから家に入って来て、そのまま2人の生活が始まったのよね。」


彩菜「ねえ。おばあちゃん。美雪なんか比較にならないくらい無茶するわね。東京で空飛んでたなんて。。見られたらどうするのよ!」


長老「まあ。。その、なんだ。若気の至りというやつじゃよ。」



彩菜の母「いや、長老なら人間で言えば5年前でしょう?若気の至りではないわよね。」



彩菜の祖母「そうそう!東京タワーより高く飛ぶって、2人で飛んだわよね。妖力が足りないの気づいて慌てて降りたけど、妖力切れで川に落ちたのよ。」



彩菜の父「いくらなんでも、むちゃくちゃし過ぎだよ。」


長老「人生で一番楽しかった時期かもしれないな。主人が亡くなり、村を出たかったからな。けどな、東京も今ほどじゃないぞ。オリンピック前からだからな。。ただ、みんな活気に溢れてたな。。すごく楽しかった時代じゃよ。もっとも今の東京はニュースや動画で見るだけじゃがな。」



大輝「美雪の高校卒業を区切りに移るか?会社も売却したらかなりのお金は入るだろう。こちらの土地はかなり広いから、いろいろ建てれるだろう。」


彩菜の父「お金は大輝さんほどではないですが、自宅と実家を売却したら、ある程度のお金は作れる。私達も来るか。」


彩菜の母「いいわね。それ目標で動きましょうよ。」


彩菜「でも、せっかく繋いだから、美雪の家は残すほうがいいと思う。おばあちゃんが心配する噴火がもし起きたら、全員逃げる場所はあったほうがいい。」


美雪「それもそうね。。やっぱり、危機管理は彩菜が圧倒的に優れているわね。」



弁護士「すっかり遅くなったな。例の話は明日の朝から話すか。今日は、お祝いしよう。」



 大人達は、純一の好きなウイスキーと日本酒の雪を飲みながら昔話しに花が咲いたようだ。


どんどん投稿するといいながら、しかもまあまあ盛り上がってきたタイミングで申し訳ありませんが、あまりに年末年始が多忙なため、投稿をしばらくお休み致します。

当然ながら、皆様も多忙なようでアクセス激減していますので、投稿するのに向かない時期ですし、予約投稿はしない方針なので申し訳ありません。

次回投稿は1/7予定です。良い年末年始をお過ごし下さい。

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