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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第62話」思惑

 彩菜、美雪それぞれが、希望の大学は正式に村に向かう途中にある大学の農学部に絞った話をした。

 どちらの両親も、今や新しい生活に変わろうとしている状況であり、本人達の希望で将来進む道として良い選択と考え、特に異論は無く賛成してくれた。

 通い方についても美雪の実家から通うならば遠くはないし、今や一瞬で帰ってこれる状況においては、通う方法は問題ではなかった。



 秋の気配が深まりをみせるようになった時期に、彩菜の両親にとっては唯一生きている親である彩菜の父方の祖母が彩菜の家に泊まりに来た。


 彩菜達との同居を考えるためだった。

 彩菜の両親にとっては、早期に村に移るには同居し、実家を売却しないと資金面の不安が大きく、母が同意してくれるかは非常に大きな問題であった。

 一方の祖母は旦那さんを見送った後、1人で住む生活に寂しさを感じていた。母は、こちらのほうが都会だが、1人よりはいいと感じた。家族と一緒のほうが魅力を感じていた。



彩菜「おばあちゃん。週末にみんなで、美雪の実家に行きましょうか。田舎で雰囲気いいよ。」


彩菜の父「ちょうど良かった。僕も行きたくなってたんだよ。」


彩菜の母「いいわね。大輝さんに相談しましょう。」


彩菜の祖母「私は田舎のほうが好きだから、是非行ってみたいねえ。」



 大輝に相談すると、一緒に行くことになったが、一つ問題があった。


 相談の結果、妖怪と妖力の話は一切しないことが条件となり、そのことは弁護士、医師、おばあちゃんにも伝え、今回は車で向かうことになり金曜日の夜に出発することになった。

 今回の最大の目的は温泉について話し合うことと、彩菜の一家が移住に必要な資金確保のために親の実家の売却を認めてもらうことだった。



 翌日、美雪と彩菜は、学校で進路相談をした。学校の結論としては、その大学の農学部ならば、わざわざ推薦しなくても合格するだろうということで、2人とも受験で合格を目指すことになった。


美雪「先生あまり機嫌良くなかったね。」


彩菜「それは仕方ないでしょう。学校初めて、日本一のレベルの大学に合格する可能性のある人間が、そんなこと言ったら。」


美雪「そうなの?」



美雪は職員室に戻り「先生。大学は希望の大学に行くけど、受験だけなら日本一の大学も受けましょうか?合格しても行かないですよ。学校のアピールになるなら受けますよ。」


彩菜「私も日本一の大学は無理でしょうけど、有名大学なら受けますよ。」


先生「ちょっと校長室に来なさい。」



 先生が校長に説明する。



校長「話は分かった。我々は確かに合格した学生がいるということが非常にありがたいので、行かないのは構わない。希望大学に推薦してあげたいのだが、推薦すると受験が出来なくなる。だから申し訳ないが行きたい大学も受験で進学して下さい。」



美雪「大丈夫です。」

彩菜「私、どこ受けようかな。」


先生「まあ、まだ日はある。それより、明日からテストだぞ。」


彩菜「もうテスト勉強は終わったよ。2年生の勉強が全て終わったから、今は1年から復習してるの。」


校長「授業要らないじゃないか。。先生。3年の教科書手配してあげて。私のポケットマネーでプレゼントするから、合格頼みますよ。もちろん希望大学合格だけでも、我が校には結構な快挙ですけどね。」



美雪「じゃあ、2年のうちに3年の勉強は終わらせて、3年生は受験勉強に集中しましょうか。」



 帰宅すると、実家の畑の手入れをする。


美雪「おばあちゃん。頑張り過ぎじゃない?あまりやることないよ。」


彩菜「水だけまくわ。」


美雪「おばあちゃん。食事は?」


長老「美雪達が勉強忙しいみたいだし、大輝さんは温泉のことで毎日遅いみたいだから、先生達と食べることになってるわい。」


美雪「昨日で勉強終わったけど。。まあ、いいわ。今週末はテストも終わるし、今週末にはみんなでこちらに来るから、金曜日までは試験に集中する。おばあちゃん。畑任せるわ。」


長老「大丈夫じゃ。」


彩菜「じゃあ。おばあちゃん。また金曜日ね。」



長老「おお。畑は任せな。テスト頑張るのじゃぞ。」


美雪「まあテストより。。今は温泉のほうが気になるけどね。」



 2人にとってはテストを頑張るも何もなく、名前を書き忘れないことと、体調管理だけで十分だった。


 無難にテストを終えると、親が仕事を終えて帰宅するのを待ち、直ちに夕食を食べないで6時前に実家に向けて出発した。


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