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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第59話」探査

 美雪と彩菜の父は美雪の家を調べ、修理箇所を把握すると地下の探査をした。


彩菜の父「しかし。。石と地下水しかない。。当たり前か。」


美雪「黒くなった。石炭かな?」


彩菜の父「固い岩盤じゃないかな。。採取出来ないと何とも言えないけど、もし石炭だったとしても採掘したところで採算が合わないよ。1200メートルか。この層長いな。」


美雪「あっ抜けた!また地下水ね。。あっ。また黒い岩盤になった。更に固そうね」


彩菜の父「お、おい。今。。温度表示がおかしかった気がするけど。。岩盤と岩盤の間に水脈があるんだな。」


美雪「水脈に戻るわ。。あっ。水が74℃。。」


彩菜の父「おい。深さは!」


美雪「1300メートル。」


彩菜の父「なあ。美雪の家の敷地内か?」


美雪「ギリギリ敷地内ね。一部が先生の敷地。」


彩菜の父「2人の敷地の範囲内か?」


美雪「間違いない。水脈は2人の土地の真下。」


彩菜の父「上流を確認しよう。」


美雪「まっすぐに妖怪村のほうに向かっているわ。」


彩菜の父「んー。北に少し行くと国有地だな。下流を確認しよう。バッテリーが少ないから急いで!」


彩菜の父「あっ。穴から落ちてる。どれくらい離れた場所だ。」


美雪「500メートルぐらい先ね。」



彩菜の父「500メートル先までの土地買い占めたらいいのか。。いや途中に川があるからもう少し小さくなる。待って。自分のスマホの地図にエリア囲むよ。ほとんど山林だから、たぶん安いな。」


美雪「何で買う必要があるの?」


彩菜の父「この水脈が通っているエリアだけ所有したら、温泉が独占出来るかもしれない。ちょっと明日、周辺に同じ地下水脈が分岐していないかチェックしよう。しかし、これはすごい水量だぞ。汲み上げても枯れることはない。」



美雪「汲み上げて何をするの?」


彩菜の父「土地も買うし、温泉施設作ればいいじゃないか。比較的道も広いし、街から1時間。ものすごい集客になる。効能が調べたいが。。無理だな。」


美雪「圧力計をカバーしてる部分に水入れて塞ぐなら出来るかも。おわん型の異空間を作って潜らせて、探査機にくっつくようにする。お父さん。初めて使うけど、瞬間移動させていい?正確に移動させるなら、それしかない。」


彩菜の父「瞬間移動は向こうの空間と入れ替えるのか?」


美雪「違うわ。ただ、一瞬で移動するだけ。重力無効化するし、いわゆるワープね。」


彩菜の父「危険はないな。もうバッテリーがない。やろう!」



 美雪が瞬間移動させ、探査機の側面にくっついたのを確認すると、程なくしてスマホの電源が落ちた。美雪は装置を引き上げる。



彩菜の父「美雪。ボール持ってくる。」



 彩菜の父がボールを持ってくると、美雪は圧力装置の下にボールを置く。


彩菜の父「くっつけた異空間だけ、閉鎖を解除出来ないか?」


美雪「たぶん出来る。」


 美雪が異空間の閉鎖を解除し消滅させると、おわん型の空間は元の空間に戻り、お湯がボールに溜まった。



美雪「お父さん。ボール熱いよ。」



彩菜の父「あっ、熱い!これなら、地上に汲み上げても十分高温だよ。成分分析は、私の大学に頼んでみるよ。少し赤いな。。たぶん鉄分が多い。毒性のある成分がないといいが。。」



美雪「みんなには?」


彩菜の父「来週中に成分分析終わらせてもらうから、まだ黙っておこう。期待させてダメだったじゃあ、ちょっと申し訳ないから。もし、水の成分に問題なければ。。全員でこちらに越しても生活出来るだけの収入になる可能性がある。まあ、美雪さんの家は収入無くても問題ないだろうが、家はそこまでにはならないからね。ただ、こちらで畑仕事したら、温泉無くても生活出来るだけの収入は得られるとは思ってるけど。これ実現したらすごいことになるよ。村の収入も破壊的に増えるだろうな。」


美雪「みんなで移住が早く実現するわね!一番の夢だから、良い結果だといいな。」



彩菜の父「明日も祭りの続きもあるから、家の中に入ろうか。」



 美雪達が家に入ると、宴会で盛り上がっている。


彩菜「なんか発見あった?」


美雪「あったかもしれないから、お父さんが来週までに調べてくれる。」


彩菜の父「来週の土曜日に美雪さんの家に行くよ。調査結果がダメでも報告はする。」



弁護士「お父さん。お父さんも飲みましょうよ。せっかくの祭りだ。」


彩菜の父「そうですね。」



 楽しい宴は深夜まで続いた。


※※※


 翌日の祭りは、美雪と彩菜は表に出るなと司令を受けた。

 お好み焼きも適度に売れて祭りは終了となった。



 材料費と税金を差し引いた利益の半分を村に渡す。弁護士さん達は、酒屋の次の2番目の利益だった。



医師「しかし、あの酒屋は悪どいな。。年収の半分くらいを祭りで稼いでいるんじゃないか?」


弁護士「付き合いで買う必要はないな。私が街のスーパーで買うし、ネットでも買おう。あそこしか買えないものなんて無いからな。」

 


彩菜の父「弁護士さん。お酒の販売許可って取れるんですか?」


弁護士「取れるよ。どうするんだ?あいつ潰すのか?わざわざ喧嘩売らなくてもいいと思うけど。」


彩菜の父「もしかしたら必要になるかもしれないから。皆さん。来週の土曜日の夜、大輝さんの家に集合して下さい。」


大輝「何時?」

佳代「でしたら5時くらいに来ていただいて、皆さんで夕食を食べましょう。」


彩菜の母「そうね。来週も祭りみたいなものね。」


医師「じゃあ、わしらは酒だな。いいの持っていくよ。」


長老「佳代さん。。あの。ウナギが。。」


佳代「全くしょうがないわね。」


彩菜の母「じゃあ、私が行列並んでくるわよ。」


彩菜の父「私は、大輝さん達と夕食作るよ。」



彩菜「なんか最近、楽しいな。」


美雪「おばあちゃんのおかげじゃない?すっかり村の人と仲良くなったわね。」



長老「いい人ばかりじゃないか。。そ、そうか?照れるのう。」



彩菜の父「私達は明日から仕事ですし、車で来たから早めに帰りますよ。」


医師「お好み焼きを確保したから、温めて食べてから帰ったらどうだい?」


長老「焼きそばもいっぱいじゃぞ。」



 みんなで祭りの土産を夕食にすると、車に装置を乗せて帰宅した。


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