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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第54話」解析

 彩菜の父は仕事中に新たな疑問が湧いた。月曜日の夜に美雪を訪れ研究する。

 今日は研究室ではなかった。美雪部屋にある空間を繋ぐ移動装置だ。


彩菜の父「この暗証番号はどうやっているんだ?」


美雪「イメージなんだけど。暗証番号を確認する装置を作ったの。一致した場合だけ異空間を防ぐ扉の闇の妖力が機能を失うようにしたから、扉が真下に落ちるの。下には扉が止まるように板が敷いてある。だから板が落ちると異空間が繋がる。扉が閉まり、中に誰もいないのをサーチして、いない場合は闇の妖力が再度機能して扉が閉まるから異空間は閉鎖される。」



彩菜の父「パソコンみたいな装置か?」


美雪「そんな高性能ではない。というかそんなものは作れないの。お父さんの制御の本やシーケンスを教えてもらったから原始的かな。。イメージとしては補助リレーや押しボタン。自己保持回路やインターロック回路。原始的なの。」


彩菜の父「それはパソコンの内部も同じだよ。基本は電気制御の理屈だ。装置にはむしろ向いているかも知れない。ただ、改造が大変だろうな。暗証番号のボタン押すのを感知するのはどうやっているんだ?」


美雪「イメージだけど。穴が空いた板があって。。正しいの押すと穴が塞がる。全部塞がったか確認するのが起動ボタン押すタイミング。穴が塞がっていたら、闇の妖力が停止する。」


彩菜の父「ボタンと穴を判定する装置は異空間で繋がっているのか?」


美雪「繋がってないよ。装置に妖力が送られて、装置が私の決めた通りに動いているだけ。妖力が穴を塞ぐ。板が妖力だし。」


彩菜の父「それは。。考え方は電気的だが、やってるのはパソコン的だな。。有線で繋がる必要がないということだ。妖力を移動させているというか。。妖力粒が電波的な役割もしているということか。。すごいな。それなら、探査機も不可能じゃないな。このボタンも妖力で作ったんだな?」


美雪「ああ、そうか。お父さん妖力あるから見えるのね。普通の人間は何も見えない。入っても透明よ。室内や押しボタンに妖力粒を塗って色分けしたの。成功すると緑に光るのもそれの応用。光の透過率を三原色で調整して変化させてるの。」


彩菜の父「妖力を使いこなす発想は大学の研究者以上のレベルだな。。よく1人で思いついたものだ。ただただ尊敬しかないよ。」


美雪「おばあちゃんの秘伝書がなかったら不可能だった。」



長老「彩菜のお父さん。美雪。夕ごはんじゃ。」



美雪「あれ?いつの間に来てたの?」



長老「美雪が学校に行った後。9時頃かな?弁護士さん達、祭りの用意で忙しいらしかったから退屈で、大輝さんに電話したら、来いって。肥料買いたくてな。連れてってもらったんじゃ。食事じゃ。考えてばかりじゃ良い知恵も浮かばんぞ。」


彩菜の父「食べようか。」



 皆で食卓を囲む。


佳代「今日は何を?」


彩菜の父「美雪さんが、探査機を作りたいって。先週妖力の理屈は推論だけどイメージ出来たから、移動装置の理屈が分からなかったから聞いてたんです。大輝さん専門の電気回路の理論で妖力を制御回路のように利用してるみたいだけど、制御の元との接続は妖力を電波的というのか、電子的というのか。。そんな使い方しているようだ。」


大輝「ということは。。やろうと思えば何でも実現出来るじゃないか。。」


彩菜の父「そういうこと。妖力の移動速度が測定したいんだが。。光速を超えられるのか。。」


長老「光速は超えられなかった。東京に住んでた頃に友人と実験した。月に飛ばして戻るまでの時間が10秒超えてた。ほぼ一定じゃった。」


彩菜の父「速いな。」


美雪「それよ!重力が関係してる。妖力の重さは光より遥かに重いのよ。あれ?光って質量あるのかな?まあ、いいか。重力無効化したら光の速度にはなると思う。つまり妖力には重さがある。実際に妖力村の妖力は空に上がると減ったわ。空気と同じよ。」


彩菜の父「これって。。まさか。。。ダークマターじゃないか?」


美雪「どうだろう。ダークマターじゃない気がするの。私も考えたけど量がおかしいと思うし、地球に与える影響が小さ過ぎる。」


彩菜の父「確かにそうかも知れない。まあ、分かったところで世の中に発表も出来ないしな。」


美雪「それに速度は意味がないわ。瞬間移動出来るから、光速はインチキだけど超えられるわ。」 


彩菜の父「なあ。ロケット作って月にも行けるのか。宇宙服も簡単じゃないか。」


佳代「それはダメよ。月は多くの学者が常時様々な方法で観察してる。何か気づかれるかも知れない。エイリアンいて、向こうに見えたら終わりかも知れない。」


彩菜の父「そうだな。学者の研究心は捨てよう。まずは、美雪が実現したいものを目指そう。そういえば長老。さっき祭りとか言ってたけど何するの?」


長老「良く知らないけど、来週の土曜日、日曜日に祭りがあるそうじゃ。村の人達が店出して。。先生達はお好み焼きらしい。楽しみじゃ。」


美雪「花火あるの!」


長老「あるらしいよ。先生と弁護士さんも10万円払ってたよ。あれ何で払うんじゃ。」


大輝「付き合いだろうね。1個の花火代だよ。たぶん、打ち上げスケジュールに協賛で名前が入るよ。世話になっているから、うちの会社も協賛しようか?」


大輝「弁護士さん。週末の祭りって。花火のスポンサー集まったの?。。。あっそう。だったら、うちの会社が出すよ。。分かった。今から行くよ。」


佳代「何。急ね。大学が毎年スターマインの費用出してたらしいけど、今年、ランク下げたらしい。スターマイン200万円協賛してくるよ。」



長老「200万円!やめとけ。ウナギがどんなけ食べれるんだ。」


美雪「大丈夫よ。お父さんの会社は毎年20億は黒字よ。お父さん1億くらいもらってるから。それに会社のお金でしよう?税金払うなら寄付しても痛くない。」


長老「税金?高いの?」


彩菜の父「法人税は49%じゃなかったかな?消費税が更に10%もある。詳しくは知らないけどね。」



佳代「いつか住むなら、寄付もアリね。おばあちゃん。散歩行こうか。スーパーにたこ焼きあるから買い物ついでに食べる?」  



長老「思い出した。たこ焼きじゃ。お好み焼きが何かに似てると思ったんじゃ。」


美雪「東京に10年住んでたのにお好み焼きもウナギも知らないの?」


長老「あまり外では食べなかった。貧しかったしな。ラーメンとか。たこ焼きは近くに店があったからな。」


美雪「ケーキは?」


長老「知らんな。。」


美雪「あら。。お母さん。」


佳代「分かった。分かった。たこ焼きはやめてスーパーでケーキ買いましょう。おばあちゃん両方はダメよ。」



長老「そんな。。」


佳代「仕方ないな。ケーキ小さいの買うからね。たこ焼きは半分ずつ。散歩しながらゆっくりね。」


 佳代とおばあちゃんを見送ると研究室に行った。


 赤外線量を測る装置や、仮想装置を有線で妖力で繋いで、地下に潜らせてみる。戻して記録データを吸い出すことは出来たし、リアルタイムで妖力管の中から送られるデータを入力する装置も作るとかなりデータが一致することが分かった。


彩菜の父「かなりノイズが乗るな。。美雪。データ送信方法を変えよう。空中の妖力を空間内だけ無くすのは難しいだろう。」


美雪「なんか妖力って。通過するみたいね。排除は不可能よ。地面の中の妖力がある限り無理だと思う。」


彩菜の父「データを送る直前にストローブ信号をつけよう。」


美雪「ストローブ信号?」


彩菜の父「ああ、今からデータを読めって合図だ。美雪。あまり混ざらない妖力。。いや、無理だな。様々な妖力粒を組み合わせて自然界とは違う状態を作ろう。例えば必ず4個繋げるとか。。0と1では4ビットでは情報量が少なすぎる。画像送るのは困難だ。」


美雪「0と1にしなければいいわよ。氷、火、風、闇、黒はあるし、電気も。」


彩菜の父「えっ!区別して処理するってこと?2進数じゃないの!受ける側も2進数じゃないってこと?それって。。量子コンピューター超えてるじゃないか。。恐ろしい情報量だ。それが出来るならすごいことになる。電気の妖力はノイズになる可能性があるから避けよう。スマホのアプリで様々なデータを5進数に変換して表示するように作ってみるから、表示された数字を見て妖力が配列する仕組みを考えてみて。スマホの出力端子から出力するのは、回路構成の知識が足りないから無理だと思う。それと、スマホのバッテリーが無くなるまでしか使えない。」


美雪「分かった。やってみる。5進数で何桁?」


彩菜の父「4桁で十分だろう。」


美雪「一応8桁対応しておくわ。」


彩菜の父「もう9時回ってる。帰るよ。」


 スマホ画像を数値化するアプリを彩菜の父は考えることになり、持ち帰った。

 大輝は戻ってきていた。程なくしてお母さんとおばあちゃんが帰ってきた。


佳代「スターマインは?」


大輝「商工会も大喜びだ。引っ越しに有利になるだろう。」


美雪「おばあちゃん。調子悪いの?」


佳代「もう!だから言ったでしょう。ケーキ買ったら、トイレ行ってる間に自分でケーキ買って。。」


美雪「おばあちゃん。いくつ食べたの?」


長老「4つじゃ。。」


佳代「私には2つって言ったわよね!」



長老「す、すみません。。」


大輝「まあまあ。いいじゃないか。おばあちゃん。美味しかった?」


長老「あまりに美味くて。。つい。佳代さんに従うのが正確じゃ。良く分かったよ。胃がもたれた。」


佳代「おばあちゃんはかわいいわね。おばあちゃん。明日はどうするの?」


長老「畑の手入れをしないといけない。」


美雪「彩菜と行くわ。明日の朝、お父さんと肥料運ぶから。おばあちゃん。泊まったら?」


長老「そうじゃのう。なら、今日は佳代さんと寝たいな。いろんな話をしたいな。」


佳代「あら、かわいい。いいわよ。」



 おばあちゃんは、東京時代の話や雪や雪の親の話をして昔話に花が咲いたようだ。


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