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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第53話」推論

 新学期が始まった最初の土曜日、彩菜の父と美雪は妖力に関する話し合いを行った。


彩菜の父「美雪。妖力について聞きたいんだが。妖力は形があるのか?」


美雪「ある。小さな丸い粒なの。身体に入ったあとは分からないけど、感覚だけなんだけど身体から出ると丸い粒。私は妖力粒って呼んでる。」


彩菜の父「なるほど。。粒なのか。妖力粒は全て同じなのか?」


美雪「違う。氷と火と風と闇と黒で違うし、おばあちゃんのと私の同じ氷でも違う。」


彩菜の父「ん?同じ妖力でも違うのか。。つまり人によって違う。ん?確かサプリで妖力回復するって。。」


美雪「するわ。私もおばあちゃんも。副村長も確か。。妖怪は皆回復する。」



彩菜の父「んーー。となると。。恐らく身体に入る時に妖力粒は同じ物になるように変化させてると言うか。。要らない部分を取り除いているんじゃないか?美雪の身体から出る時は氷と火で違うのか?」


美雪「違うわ。別のものよ。おばあちゃんが言ってたけど、妖怪は普通は一つの技しか使えないって。使えるのは、おばあちゃんと亡くなったおじいちゃんと私だけみたい。」


彩菜の父「何故変わるんだ?」


美雪「何ていうか。。イメージなのよ。私は指の一本一本で違う妖力を出すようにしたら出来るようになった。妖力ってまだまだ他にもあるの電気とか治癒とか。」


彩菜の父「イメージか。。区別すると分かりやすいんだな。恐らく同じ指、いや架空な指のイメージでも出来るんじゃないかな?全て出せる指みたいなイメージしたら、手を出さなくても出来ると思う。」


美雪「今でも、同じ指で氷でしょう?。。火!。。ほら出せるの。でも、これだと同時に出せなかったんだ。同時に出さないとおばあちゃんの秘伝書では空が飛べなかったから、指を分けたの。でもイメージだと思う。足の下で氷出して、火で蒸気にして飛んだから。あの飛び方は音がすごかった。音を下げるために闇を使って重力を無効化した。」


彩菜の父「色は?」


美雪「無い。透明。息すると粒が入ってくるのが分かる。だけど意識した時しか妖力粒は気づかない。それに口から空中の妖力入っても、吸収は出来ないの。妖力を一旦バラバラにしないと吸収出来ない。黒と闇の妖力でバラバラに出来る。自分が出す妖力は当然見える。火や氷になるからね。ただ、融けて蒸発したりしたら妖力粒になってしまうから見えなくなる。」


彩菜の父「頭の中で形を変えてるのかな?確か空中の妖力粒を直接使うって。。」


美雪「かき集めてバラバラにして身体に入れて、形変えて出すような。。良く分からない。」


彩菜の父「見ただけでは区別つかないんだろ?」


美雪「私には見えない。。感じるだけ。身体に入ると初めて認識する。そういえば。妖力村の近くはものすごい量だったの。取り込んで使おうとしたら身体に入り過ぎてパンクしそうになって、コントロール出来なくなって怖かったわ。今は入ってきた中で一部だけ、必要なだけ取り込むようになったから、コントロール出来る。でもおばあちゃんは、ある程度妖力粒が見えるみたいなの。でも私には見えない。妖怪には見えるのかな?見えることに重要性を今のところ感じないから、研究してないの。だから理由は分からない。」


彩菜の父「空中に火の妖力があって、火の妖力だけかき集めているのか?」  


美雪「違うわ。何でもいいの。それを変えているの。すごいごちゃ混ぜになってるから、取り出すより、変換するほうが。。待って。黒の妖力を上手く利用したら個別に取り出せるかも。。ちょっと研究しないと分からないわ。」


彩菜の父「それなら、目で見えなくても、黒の妖力を使えば、量は見えることになるんじゃないか?そういえば、そのままの妖力で使うことはないの?」


美雪「ない。というか、それは出来ない。自分の形に変えないと無理。コントロールが出来ないの。それでは、意味がなくて使えるとは言えない。」


彩菜の父「それなら、同じ妖力を集める意味はないな。どうせ形を変えるのだから。例えるなら、妖力は原子。妖力粒は分子の集合した化合物か?」


美雪「ちょっと違うと思うかな。身体に入った妖力は分子だと思う。HじゃなくてH2の分子。というか何も考えないと氷になるからH2Oかな?化学物質のイメージかな?あっ!そういえば。前におばあちゃんが緊張したら、妖力が全部お漏らしみたいに全部出ちゃったって。。聞いたら分かるかも。」


彩菜の父「その時、回りは凍ってないのか?」


美雪「何も変わらなかった。」


彩菜の父「空中の濃度が上ったんじゃないか?」


美雪「いや〜私、その頃は既に吸収量を調整出来るようになってたから、必要数以外無視するようになってから。。気づかなかったな。妖怪村ってもともと妖力粒がいっぱいあるから、分からなかったな。」


彩菜の父「となると。漏れても周囲に変化はないかもしれない。つまり体内では原子のようなものだよ。電子と陽子がいっぱい集まった状態みたいなもの。身体から出す時に例えば銅や鉄に変えているようなイメージだ。」



美雪「ああ、近いかも。。」


彩菜の父「妖力の元が身体の中にあり、全ての妖怪の体内では同じ状態じゃないかな?それを加工しているとしか考えられない。人間には無いんだよな?」


美雪「無いと思う。入っている人は見たことない。ただ、私が注入した人は持ってるわ。」


彩菜の父「へー。僕は?僕も妖力使えるの!ちょっとやってよ。」


美雪「私が妖力入れるから、指から出して。満タンになると溢れ出すから、能力は分かるわ。」



彩菜の父「こうか?」


 大きな炎が上った。


美雪「火だね。。彩菜は治癒だったわ。」


彩菜の父「ちょっと氷出すイメージするから、もう1回。」


 再びやるが、火が出た。



彩菜の父「分からない。何らかの力でコントロールしているのかな。。ああ、ずいぶん時間経ったな。また今後にしようか。」


美雪「お父さん。水中や地下を探査する装置作りたいの。どんな場所も通過は出来るから可能だと思うの。」


彩菜の父「考えてみるけど、問題は情報をどうやって取るかだ。」


美雪「スマホしかないと思うの。スマホを探査機にすれば、電波が届くなら他のスマホで見れる。」


彩菜の父「なるほど。。だが、遮蔽しているのだろう?テザリングでは距離が限られるし、電波は無理だ。探査機に何か。。例えば妖力をケーブルみたいに繋いでこちらに情報送らせたらいいかも知れない。だが、なかなか難しいかな?まずスマホで録画したらリアルタイムは無理でもスマホ回収したら、後で見れるぞ。また考えようか。」


 本格的な研究は、始まったばかり。美雪の目指すものを実現するために彩菜の父は考えるのだった。


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