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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第49話」相談

 盆休み明け、朝からおばあちゃんは村へ、先生達は仕事へ向かった。



 美雪と彩菜はのんびり相談していた。


美雪「彩菜。私、やっぱりあの大学気になる。」


彩菜「こちらの生活、すごく気に入ったし農学部は興味あるわ。」


美雪「農学部は偏差値50くらいか。他の学部は60近いわ。案外レベル高いわね。まあ、私達のニーズは農学部だからね。」


彩菜「美雪は経済も興味あるって言ってなかった?」


美雪「あの時は特に考えてなかったからね。家の庭で畑やるのなら趣味だけど、こちらでやるなら本格的だから学びたいわ。経済、物理、数学なんて別にネットとか本で自分で学べるから、わざわざ大学で教えてもらわなくていいわ。農業のノウハウは、なかなか情報が無いから大学行くなら農学部がいいな。学校に推薦枠あるかな?」


彩菜「もともと平均で受かる高校で成績上位なら受験で受かるんじゃない?」


美雪「聞くだけ聞きましょう。その前に両親に許可ももらわないといけないわね。」



 おばあちゃんが帰ってきた。


彩菜「あら、おばあちゃん。お疲れみたいね。」


長老「美雪に何とかしてほしい。そればっかりじゃ。わしは村を捨てたいわい。」


美雪「ねえ。地下の村って本当に要るかな?こんな田舎を開拓する人はいないと思うの。非常用で良くないかな?だいたい、太陽当たらないよ。健康には良くない。ばい菌も繁殖する。食べ物どうするの?聞いているだけで無理としか思えない。」


彩菜「あのね。イメージだけで話すけど。透明化の逆で村の回りだけ岩で囲まれているように見せかけて、壁作るほうが良くない?通れる専用の隠し通路だけつけて。」



長老「なるほど。。。お前さん。天才じゃのう!それは簡単だ。引っ越す必要がないじゃないか。だが、それを出来るのは結局美雪だけじゃ。」


美雪「急ぐなら夏休み中にやるけど?ああ、姿消してやる必要があるのか。。なかなか厄介ね。」


長老「そこまで急いではおらん。どれくらいかかるかのう。」


美雪「広いからな。。分からないな。」


彩菜「ねえ、マップの上空写真だと妖怪村って林に隠れて見えないわね。上手く出来てるな。。」


長老「なんじゃ。スマホはそんなことが出来るのか。木を切る計画があったぞ。」


彩菜「そんなことしたら、あっという間に国が侵入して終わりね。」


美雪「それってさー。つまり空から見えてはいけないってことよね。薄い異空間を延々と繋げるほうがいいわね。岩に見せるって。。」


彩菜「良く分からないけど、写真引き伸ばして壁のクロスみたいに貼り付けたら?」



美雪「それ簡単ね。出来るかも。ちょっと小さいやつ作ってみようかな。」



 美雪は試行錯誤して、夕方には何とか出来る方法を確立した。


美雪「光は通らないけど、壁は出来たわ。おばあちゃんの示した場所は元々森林に覆われている。境い目は光はあまり通らない場所ばかりだからいいわよね。木を避けながら壁作るから複雑になるわね。透明化した黒の妖力の間にいろんな色の砂をはさみ込んで岩の壁みたいに見せるから。高さは10メートルくらいでいいかな?厚みは1センチあれば黒の妖力で強度確保出来るけど、地下に更に5メートル埋め込まないといけないわね。。姿見えないように透明化して作業か。まあ、あそこ妖力粒いっぱいあるからな。」


長老「何故、地面に埋め込まないといけないんじゃ。」


美雪「お父さんに聞いたけど電柱とかは外の長さの3分の1を埋め込まないといけないって定められてるの。たぶん地震とかで倒れないように基準が決められているんじゃないかな?」


長老「人間の世界はそんなことまで掟で定めているのか。。」


彩菜「ねえ。危険な生物いるかも知れないから、手の部分だけ穴開けるとか出来ないかな?」


美雪「それは出来るわね。」


長老「土曜日に会合開くから、提案してくるわい。土曜日まで待ってくれんか。」


美雪「そういえば、妖怪って村から出るの?」


長老「今は絶対に出ない。掟で禁じられているんじゃ。」


美雪「それなら、壁に気づくことはないわね。おばあちゃんは何で掟を破ってるの。」


長老「それは美雪が役員をねじ伏せたから特別じゃよ。」


彩菜「いや。その前から来てたよね?食べ物に釣られたんだよね。」


長老「失礼じゃな!。。まあいいじゃないか。彩菜、さっきの絵を見せてくれんか。」


 長老は航空写真で囲むエリアを示した。



美雪「これは。。1日は無理かな?でも2日もあれば出来そうね。黒の妖力いっぱいいるわね。死者の村からもらっちゃうか。あそこは必要ないくらいあるからね。」


長老「いや〜。村の悩みが解決する。非常にありがたい。何とか認めさせないといけないな。」


美雪「でもやっぱり火事とかのために、地下は残したほうがいいわね。長老を努める者だけが使える、壁を一発で消す装置も用意するわ。私達、親に相談したいことあるから、一旦土曜日の会合中に家に帰るわ。終わったら戻ってくるからさあ。」


長老「分かった。問題解決じゃ。さっさと夕食食べて宴じゃな。」


彩菜「何かなー。私達は宴は関係ないからなー。」



 長年の悩みの解決の糸口が見つかり、長老は酒がすすんだようで、珍しく酔っ払った。

 弁護士と医師は初めて見る酔った姿を見て楽しそうだった。


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