「第46話」考察
彩菜の父は、盆休みに実家でくつろいでいた。墓参りや、家の修理、親の買い物の付き合いをして、やることは全てやった。
父は、妖力について考えていた。
父「何故別の空間を使うのか?空間をそのまま遮蔽してはいけないのか?空間をそのまま使うほうが安全だ。。出来るはずだ。」
父「母さん。明日帰るよ。ちょっとやらないといけないことがある。あと、母さん。こちらに越してこないか?ただ、僕も田舎に引っ越す可能性がある。考えておいて。」
母「分かった。けど、何故田舎に?」
父「都会はもう嫌なんだ。あと、田舎に友人の実家があり、何度か行ったが、すごく楽しくて合っているんだ。」
彩菜の母「すごく魅力的なのよ。機会があれば連れて行きますよ。」
母「いいかも知れないな。。少し考えさせてくれ。」
父「僕らも、今考え始めたし、彩菜が大学生なり、働くなりした後しか難しいと思う。少なくとも高校卒業までは田舎への引っ越しはない。」
母「考えるよ。ゆっくり寝て気をつけて帰れよ。」
父「ありがとう。朝食べたら帰るよ。」
夜、彩菜に連絡して明日昼頃にそちらに行くことを伝えた。
※※※
朝食を食べると、自宅に寄り、着替えなどを持つと、そのまま美雪の家に向かった。
彩菜の父「こんにちは。」
彩菜「早かったね。昼食べる?おばあちゃんのごはん美味しいよ。」
彩菜の母「おばあちゃん。名店のウナギとマスクメロンよ。」
長老「ん!。。」
美雪「あらら。うちのお父さんと被ったわね。マスクメロンだけ。」
佳代「昨日食べちゃったから、夜食べましょう。ウナギは。。」
彩菜の母「大丈夫。人数分あるわ。」
美雪「あのウナギ、むちゃくちゃ美味しいからね。夕食決まりね。」
医師「お父さんの実家はどれくらいかかるの?」
彩菜の父「2時間弱ですね。妻は幼馴染みだから、すぐ近くなんです。両方1日ずつは行きました。」
弁護士「微妙な距離だけど。。近いほうかも知れないですね。」
彩菜の母「あっ!炊飯器買ったの?」
美雪「何と!今日エアコンも変わりました。村に用事ない時は、おばあちゃんこちらに住むって。家を使ってもらうほうがありがたいから、助かるわ。」
彩菜の父「エアコンは20年も経つと進化してるから電気代安くなるから正解だよ。壊れないやつは案外使えるからね。替え時だったと思うよ。」
長老「さあ。食べなされ。」
彩菜の母「ん!この黒いの美味しい。おばあちゃんが作ったの?」
彩菜「そう。おばあちゃんの料理、ヘルシーなのよ。」
美雪「鮎は彩菜が作ったわ。」
彩菜の父「いや〜。美味いな。お婆様は何でも出来るな。すごいわ。」
彩菜の母「なに。。モジモジして。照れてるの?」
美雪「ああ、たぶんスマホデビューしたから、連絡先交換したいのよ。食べ終わったら交換してあげて。」
彩菜の父「もちろんですよ。」
2人が登録すると、長老は電話帳が増えて嬉しそうだ。
彩菜と佳代が片付けをする。
彩菜の父は、隣の部屋で美雪と話し合う。
彩菜の父「美雪。昨日考えたけど、何故、空間を入れ替える。空間を閉鎖したら、移動装置は出来るはずだが。」
美雪「やってみるわ。。。ダメね。重力が無効化出来ない。一番最初は氷を熱して水蒸気の圧力で飛んだの。おばあちゃんが考えた方法。あれ、音がすごいし、安定感なかったから、自分で考えたの。」
彩菜の父「しかし、何故だ。。。空間を入れ替えると別次元になるのか?仕切るたけでは重力が無効化出来ないとは空間が関係しているとしか思えない。。入れ替えると出来るということはそういうことだ。だが、なんかしっくりしないな。。」
美雪「あとね。この間、お父さんに言われて異空間の入れ替え先が明確になったおかげで緊急時に安全に瞬間移動が可能になったから、安全になったと思うの。」
彩菜の父「なるほど。それなら、今の方法が最適かも知れないね。」
美雪「ねえ。お父さん。この間、地下に潜ったんだけど、暗くて何も見えなかったの。地下とかを探りたいんだけど、出来ないのよ。異空間にスマホ入れて潜らせたけど、異空間の境までしか見えなかった。海に入るみたいに出来ないかな。」
彩菜の父「うーん。。思いつかないな。。周りを透明化して、少しずつ探すのなら可能かも知れない。」
美雪「あのね。1メートルくらい潜ったけど、上下左右の感覚が分からなくて、あまりに危険だから、すぐに戻ったの。認識が逆さまになると地球の中心に加速して向かうと思う。」
彩菜の父「つまり、潜水艦みたいに地下を探りたいということか。。自分が入るのは危険だな。異空間といっても重力が深いほど重くなるし、圧力がすごい。装置が押し潰されたり、何が起こるか分からない。海で試すと分かりやすいかも知れないが。。浮力が新たに加わるのか、全く分からない。それに人がいるからな。私も考えるが非常に難しいと思う。異空間である以上、外部の情報は見える部分だけになるだろう。あまりに難しいな。本来なら推測で計算するだけの物理学が、現実となると。。分からないし、危険が伴うし。下手なことは出来ない。」
美雪「そういえば。お父さんは死者の村は行きたいですか?」
彩菜の父「私は純一さんや雪さんとは面識がないから、行っても話があまりない。」
美雪「そういえば、長老の集まりで許可されたからお父さん達も村には行っていいの。ただ、偉い人4人だけしか会ってはいけない。妖怪村の住人が混乱するから、今はダメなんだって。」
彩菜の父「妖怪村は行ってみたい気持ちはあるな。」
美雪「また、相談しましょう。あっ。あのね。自宅の異空間を作り直すから、ここと繋げたいんだけど。」
彩菜の父「危険だな。。大輝さん日曜に帰りますか?」
大輝「そのつもりです。」
彩菜の父「でしたら、美雪さんを連れて朝帰ってもらえないですか?美雪さんがこちらと繋ぐらしいから、こちら側がどうなるか、私が電話繋ぎながら見たいです。危なくなったら即中止にしたいから。私はそれ見届けたら帰ります。」
美雪「繋がったら、歩いて帰れるよ。」
彩菜の父「車どうするの。会社通えないよ。」
大輝「繋がったら、弁護士さん。装置使ったら街にすぐ行けますよ。車なら私の家の使えばいいです。」
弁護士「それはいいかも知れないですね。2時間くらい時間短縮になる。頑張ったら街は1日で済むかも知れない。」
彩菜の母「ねえ、お父さん。今日の夕食は、私達が担当だから手伝ってよ。お父さんは中華お願い。ごはん硬めに炊いてるから。」
彩菜の父「分かった。作るか!」
父はお得意の炒飯と餃子を大量に作った。
最高のウナギに炒飯と餃子。デザートにマスクメロンと、長老大喜びの夕食になった。
ウナギのあまりの美味さに長老は悶絶している。
医師「このウナギは確かにすごいな。」
弁護士「ひょっとして、皆さんの家から30分くらいの。。行列の出来るウナギ屋?」
彩菜の母「そう!でも今日はお盆だからか、行列少なめだった。だから帰りに買ったのよ。」
大輝「やっぱウナギはこれが一番だな。」
佳代「タレが違うのよね?でないと美味しい理由がない。」
彩菜の母「良く分からないのよね。タレだけじゃないのでしょうね。タレもらっても同じ味には出来ないと思うわ。」
交替で風呂に入ると、恒例の飲み会が始まり、美雪と彩菜は、彩菜の両親の土産のポテチとジュースを楽しんだ。




