表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖女 美雪  作者: ぴい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/131

「第43話」証明

 日曜の朝、彩菜の両親は美雪の実家にやってきた。時間を合わせ、弁護士と医者も訪ねてきた。


彩菜「お父さん。ちょうど食事終わったところよ。どうしたの?」


彩菜の父「長老。お久しぶりです。実家に帰る前に説明しないといけないと思ったから。美雪さん。異空間はいくつ作った。」


美雪「えっ?いっぱい。。ほとんど消したけど。」


彩菜の父「残っているやつは?」


美雪「えっと。。このおばあちゃんの家と繋いだ装置と。おばあちゃんの家の装置。それから移動装置。あっ!あと、おばあちゃんの家の1階の部屋丸ごとのが一つ。。他はないわ。」


彩菜の父「まず、移動する異空間を作ってくれないか?」


 美雪が異空間を作る。


美雪「作ったわ。中にこれを置いてくれ。」


 美雪は装置を置くと、彩菜の父が中に入り数値を見る。


彩菜の父「やはりな。。空気の流れ込みも感じない。気圧が同じということだ。実際、重力も同じだった。つまり、同じ高さの地球上のどこかと入れ替えているんだ。入ると空間を閉鎖するよね?」


美雪「しないと落ちちゃうから。。」


彩菜の父「いいかい。これは、安易に作ってはいけない。閉鎖したら、どこかの場所に四角い壁が出来る。車がぶつかる可能性もある。見えないから危ない。」


美雪「閉鎖しなかったら?」


彩菜の父「判断側の空間に車が通ったら、中にいる人は車にひかれる。非常に危険だ。交換した空間がどこか分からないならば使うべきではない。」


美雪「じゃあ、すぐ隣の空間と入れ替えたら?」


彩菜の父「えっ!出来るのか?それなら非常に説明しやすい。試したいことがあるんだ。先生、そのウイスキーと日本酒の瓶を下さい。」


 医師が彩菜の父に渡すと父は部屋の2箇所に瓶を置く。


彩菜の父「さあ瓶を置いた空間同士を入れ替えるように作ってみて。」



 美雪が空間を作ると、瓶の途中から反対側に姿を現す。


彩菜「うわ!分裂した。」


弁護士「なるほど。。」


彩菜の父「瓶の途中の高さから空間が入れ替わったんだ。私が下から手を入れるよ。」


 父の腕が入ると、手が反対側から出てくる。


彩菜の父「これは危険でも何でもない。が、この状態で閉鎖した瞬間に私の手はバラバラになる。」


 彩菜の父は瓶を取る。


彩菜の父「美雪さん。片方を閉鎖してごらん。」


美雪「したわ。」


 彩菜の父は空間を触ると「ほら。壁になってる。。反対側も壁だ。車がぶつかると事故だよ。」


彩菜「でも、このあと全方向の時空を繋げて、音を遮断するのよ。」


彩菜の父「やってみて。」


美雪「やった。」


彩菜の父が空間を横切ると足以外が先に通過し、身体がくっついた。


彩菜の母「ウソでしょう!今、足が。。」


彩菜の父「それは、空間と関係ない人に見えるだけ。本人は普通だ。結果的に一番安全に作っている。。。恐らく反対側の空間も同じはず。。うん。やはり同じ状態だ。通過する人や物には問題はないが、離れて見ている人にはバレる。やはり、どの空間と入れ替えたかはっきりさせて場所を選ばないと非常に危険だ。装置を作る最中に、もし空間が海の中だったら無限に海水が出てくる。線路なら電車が。空高くなら気圧が違うからみんな吸い込まれる。宇宙なら、太陽内部なら。。頭のいい美雪さんなら、いかに危険か分かるだろう。」


美雪「でも、この装置は出入りする時しか閉鎖してない。つまり扉を開ける瞬間だけが最初の状態になる。」


彩菜の父「持ってきた場所が分からないならば、作り直すべきだ。世に知れたらどうなる。すごい利用価値がある。君の命も危ない。安易に作ってはいけない。」


美雪「この部屋を異空間専用にするわ。他の空間は使わない。」


彩菜の父「それなら大丈夫だろう。あと、異空間を繋ぐ時は時間をかけて繋ぐこと。エネルギー量がものすごい。一気に繋ぐと爆発する。が、恐らく妖力量が足りないから出来ないだろう。もし出来てもやってはいけない。大きな発電所が1日に発電するくらいのエネルギーを使うから。ものすごく危険だ。接続には1時間くらい使いなさい。」


美雪「分かった。」


彩菜の父「それでも危険が伴うから、作ったものは解除しないで使うほうがいい。じゃあ、彩菜。実家に行ってくるよ。こっちのほうが楽しいから、早めに戻るよ。」


彩菜の母「美雪さんのご両親も早めに戻って遊びにくるらしいわ。じゃあ行くわね。」


美雪「。。。私、とんでもないことをしてたかも。。」


彩菜の父「大丈夫だ。しっかり理屈を理解して使うなら心配いらない。お婆様と会えたのも美雪の力だからね。」


 美雪は泣きながら、彩菜の父に抱きつく。


彩菜の父「大丈夫だ。いい子だ。。しかし、おっぱい大きいな。」


美雪は「いやだ。」と真っ赤になる。


彩菜「あとは大丈夫だから、気をつけて行ってきて。」



 彩菜の両親は実家に帰って行った。



医師「彩菜さんのお父さんって。。」


長老「天才じゃな。あの頭脳で、美雪の技があればすごいことになるぞ。」


弁護士「自分の身体で試すなんて、よほど自信があるのでしょうな。実際、正しかった。発電所1日分って危険だよ。一歩間違ったら全員死んでたよ。無知ほど怖いものはないということだな。。」



 彩菜は、美雪がこんなに落ち込むのは初めて見た。



彩菜「おばあちゃん。美雪を立ち直らせるのはおばあちゃんしか出来ない。家族の愛しかない。私達夕方まで出るから、2人で過ごして。」



彩菜「おじさま達。私を遊びに連れてって。」


弁護士「ああ、分かった。1時間くらい先の遊園地行くか。」


 3人は出かけて行った。



 おばあちゃんは、美雪を膝枕して、雪の思い出話をしたり、美雪に会えて嬉しかった話をすると落ち着きを取り戻し、2人で協力しながら、装置を作り直した。おばあちゃんの部屋全体を囲ったものは壊し、最低限の大きさに変更した。



 夕方に3人は戻ると、みなが美雪のことが心配なようで、もう元気を取り戻していたが、弁護士も先生も美雪は我が子のように愛しい。美雪の家で5人で一緒に眠った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ