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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第35話」初食

 美雪の後ろから次々と姿を現す。


弁護士「おいおい!美雪。誰を連れて来たんだ!」


美雪「これは、私じゃないから。彩菜が美味しいもの食べれるからって誘ったのよ。」


彩菜「おばあちゃん。食い意地すごいのよ。」



医師「。。。ん?。。もしかして、長老。つまり雪さんのお婆様ということか!」


彩菜「そうだけど、ただの楽しいおばあちゃんよ。」



彩菜の父「仮にも、村の長なんだぞ!彩菜。無礼はやめなさい。」


彩菜の母「まあまあ。これは、はるばるお越し下さり感謝いたします。」



美雪「ちょっと。おばあちゃん。何をモジモジしてるの?」



長老「いや。その。。メロンは食べれるのか?」



彩菜「ちょっと、おばあちゃん。メロンが目的なの?ごめんね。もう無いよ。最後の1個だったの。また、来年ね。」



医師「わしの育てたやつならあるぞ。帰りに持ってくるよ。」


 おばあちゃんは満面の笑みになる。



大輝「そろそろお店に行かないといけませんね。」


彩菜の父「車に行きましょうか。母さんと弁護士さんと先生は私達の車に。他は大輝さんに乗って下さい。」



 一路、ウナギ屋に向う。


長老「うわっ。早い。車はすごいのう。。ん?なんじゃ。ここは。。」



弁護士「ウナギの名店ですよ。先生が見つけた極上のウナギが食べれる店です。」


医師「純一じゃよ。純一が見つけて教えてくれたんだ。雪さんにも食べさせたそうだ。」



長老「ウナギを食うのか!人間はあんなもの食うのか?」


美雪「おばあちゃん。食べたことあるの?」


長老「あんな気色悪いもの食うわけないじゃろう。」


彩菜「食べた後で、同じこと言ってくれるかな?」



 店に入りウナギが出てきた。お婆様は真っ先に完食してしまった。



佳代「んーー。確かに食への意地はすごいわね。。」


長老「あのー。。気色悪いと言って申し訳ありませんでした。不測のいたすところです。しかし。。何故じゃ。何故、美味いんじゃ。。分からん。村の者には内緒じゃな。川にいるのはわしが食べる。」


美雪「ちょっと、村の長がやることじゃないわね。」


彩菜「あのね。私達が妖怪に話すことはないからね。私達が姿見せたら殺されるんだよ?だから口封じは勘弁よ。」


長老「馬鹿もの!そんなことするか!こんな美味いもの食べさせてもらった方に。」



医師「そういうこと平気でするのは人間だけかも知れないな。。」


長老「いや、今の妖怪は半分くらいのヤツはするよ。」


弁護士「荒れてますねー。長老。しっかりしないと。」


長老「まあ、後で話すが。いろいろあってな。昔は良かったんじゃが。。」


彩菜の母「お婆様。楽しい食事にしましょうよ。」


彩菜「おばあちゃん。1個食べる?」



医師「彩菜さん、大丈夫だ。蒲焼き追加する。」



 蒲焼きが出てくると、涙を流しておばあちゃんは食べた。


彩菜「300年泣いてないと言ってた人が1日で3回泣いてない?しかも、2回食べ物よ。」


佳代「いいことじゃないの。」

大輝「すこし恩返し出来たかな?」



 またもや、楽しい食事が終わり、美雪の家に戻る。


医師「ああ、メロン忘れた。取ってくるよ。」



美雪「おばあちゃん。ここに異空間作るわ。向こうと一緒の番号押すの。ちょっと離れて。今から向こうとこちらを近づけるから。。妖力足りないな。自分のも使うか。」


 美雪はサプリを大量に口に入れ、妖力を使いながらサプリを少しずつ飲み込み、妖力を放出する。次第に明るくなり、突然爆発的な光を放つと、元に戻った。


大輝「なんだよ、今の光は。。」


美雪「時空を繋げた。むちゃくちゃ疲れるわね。。サプリ追加。。おばあちゃん待ってね。こちらも安全装置を装備するから。」


 いろいろと保護機能を追加する。


彩菜の父「安全装置?」


美雪「ええ。扉開いたまま時空を繋げたら、無限に時空が繋がり続けて大変なことになる。」


彩菜の父「ブラックホールみたいなものか。」


美雪「なるほど。闇の妖力って。結構、相対性理論に近いかも。私って。。宇宙破滅する力あるのね。でも光の速さは超えられない理論。量子力学になるのかな?」



医師「ヤバい能力持ったな。。悪用する子じゃないからいいか。」



彩菜の父「膨張している宇宙が収縮するのか?」


美雪「たぶんだけど。。ビッグバンの逆が起こるんじゃないかな。何億分の1秒とかで、宇宙が収縮する。けど、高エネルギー状態の無になるから、インフレーション理論のやつよね。すぐに再びビッグバンが起こるんじゃないかな。。みんな、人間の頭の中の世界だから、本当かも分からないわね。」



彩菜「インフレーション理論って何よ。物価と関係ないの?」


彩菜の父「経済用語じゃない。物理だ。インフレーション理論は名前しか分からない。」


美雪「私も読んでも理解出来なかった。無にエネルギーが高い状態と無い状態って意味が分からない。無に何故エネルギーがあるの?たぶん言葉が間違ってるのよ。あっ。くだらない話してる場合じゃない。おばあちゃん入って。。。扉閉めるわよ。ちょっとゴミ忘れたから取ってくるわ。」


美雪「おばあちゃん。暗証番号押して。」


長老「1。。0。。1。。。9。押したぞ。」


美雪「緑のボタン押すの。間違えた時は、扉を開閉して、やり直すの。」


長老「緑、押すぞ。」


 空間が緑色に照らされる。


美雪「扉開いて。」


 長老が扉を開くと、長老の家の装置の中に繋がっている。2人が長老の家の装置に入ると扉を閉める。内部は緑色には光っていない。


美雪「おばあちゃん。扉を開けて。」


長老「ああ。」


 扉を開くと長老の家だ。


長老「なんと。。。」


 美雪はメロンの皮の入った袋を取ると、戻ってきた。


美雪「あれ?おばあちゃん。妖力使ったの?」


長老「いや、極度の緊張で漏れたようじゃ。」


美雪「えっ!お漏らししたの?妖力お漏らしってどうやるの?分かんない。」


長老「いや、わしも初めてじゃ。どうやるって、分からない。。お漏らしって言うのやめてくれないかのう。。恥ずかしいじゃないか。」


美雪「これ飲んで。空っぽじゃない!5粒飲んで。水よ。」


長老「なんじゃ!これは。。妖力が入ってくる。。」


美雪「おばあちゃん。妖力量すごいね。あと6粒かな?飲んで。」


長老「満タンになったな。何だこれは。」


美雪「普通に売ってるサプリよ。また買っておくわ。ウナギより全然安いから。ちなみにウナギより、私達のメロンのほうが高いわよ。ウナギが4000円。メロンは6000円。サプリは600円ね。私は空気中から直接妖力取り込むから、サプリは緊急時しか要らないわ。」



長老「わしの800年は何だったんじゃ。」


美雪「おばあちゃんの研究があったから、私は今の力なの。さあ。おばあちゃん。戻るわよ。もう一度やってみて。今度は黙って見るから。」


長老「あれ?反応ない。」


美雪「安全装置の試験になってちょうどいいわね。おばあちゃん?何かおかしくない?」


長老「ああ、扉か。」


美雪「正解。安全装置なかったら宇宙一回滅んでたね。」


長老「も、漏らしそうじゃ。」


美雪「どうやるの!」


長老「だから、良く分からない。」


美雪「安全装置あるから、失敗しても問題ないから大丈夫よ。さあ、やって。」


 長老は暗証番号を押すと緑色に光り、扉を開けると、美雪の実家の装置部屋に繋がっている。入って扉を閉めると、緑色には光っていない。


美雪「もう一度扉を開けて。」


 長老が扉を開けると美雪の実家に戻ってきた。



佳代「何。5分も経ってないじゃない。」


美雪「ゴミ取ってきただけだから。」


大輝「本当に行ってきたのか。。」



美雪「ええ。おばあちゃんか、私となら全員一緒に行けるわ。暗証番号があるから他の人は単独では行けない。あっ。大丈夫だけど、扉は必ず閉めてください。予想外のことが起こると宇宙が破滅する可能性あるから。」


長老「分かった。」



彩菜の母「お婆様。メロン食べますか?」


長老「お願い出来るか。」



彩菜「やっは。おばあちゃん、かわいいな。」


 メロンを食べると、長老と弁護士、医師が純一と雪を熱く語り合う。



美雪「お母さん。お父さん。私達、やることありそうだから、夏休み中、こちらにいるわ。」


彩菜「ダメかな?」



 4人とも異論はないようだ。


大輝「帰る時に連絡して。」


美雪「大丈夫よ。飛んで帰る。。けど、こっち来たいなら連絡するけど。」


佳代「来るかは相談すればいいけど、帰る時に連絡くれないとご飯の用意とかあるでしょう?」


美雪「分かったわ。」



彩菜の父「明日から仕事ですから、我々はそろそろ戻りましょうか。」


彩菜の母「そうね。あなた達、食事大丈夫?」


美雪「大丈夫じゃないかな?彩菜がいたら料理は心配ないから。私のはマズいけど、生き延びることは出来るでしょう。」


佳代「そうね。。一応、毎日電話だけしてね。様子も知りたいから。」


彩菜の母「彩菜もね。」


彩菜「分かった。」



大輝「お婆様。先生。弁護士さん。私達は帰ります。子供達は夏休み中はこちらにいるそうですから、気にかけてやって頂けると助かります。」


医師「まかしとけ。」



弁護士「いろいろありがとうございました。気をつけてお帰り下さい。」


 みんなで両親を見送ると、美雪は移動装置を改造している。


彩菜「何やってるの?」


美雪「毎回装置を1から作るの面倒だから、改造してるの。扉開くとシールドが解除されて、扉が閉まると自動でシールドと、音が遮断されるようにしてる。なかなか複雑だな。」




 改造が無事終わり部屋に戻ると、弁護士達は、夜遅くまでおばあちゃんと話をしていた。


 相談の結果、次の土曜日に死者の村に行くことになった。

 弁護士と医師は自宅に戻り、おばあちゃんと美雪と彩菜は美雪の家で眠った。


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