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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第34話」再会

 死者の村の入口を入ると、すぐに扉があった。


長老「妖力がないやつは弾かれる。」



 1人ずつ入ると、全員通過出来た。


美雪「遠いの?遠いなら飛ぶわ。」


長老「無論、歩いて行けるんじゃが、ここではすぐに行けるんじゃよ。さあ、わしと手を繋げ。目をつむるのじゃ。わしが雪を想像すると飛んで行く。いいと言ったら目を開けるんじゃ。」


長老「良し。目を開けるんじゃ。」



 眼の前に部屋がある。ノックすると扉が開いた。


雪「お婆様。。お身体お変わりありませんか?」


長老「雪。。幸せになったのか?」


雪「ええ。とてもいい人生だったわ。」


長老「お前に会いたいと訪ねてきたよ。」


雪「大輝さん!佳代さん!。。何故、来れたの?」


 大輝の後ろから彩菜が顔を出し「こんにちは。はじめまして。」


美雪「記憶ないけど。。お久しぶりです。」



雪「えっ!。。美雪。美雪なの。。純一。純一。来て。」


純一「何だよ。慌てて。人生長いんだから。。。」


美雪「お父さん。。来ました。」


純一「えっ。美雪か?まさか、みんな死んだんじゃないよね?」


大輝「大丈夫です。生きてます。美雪は高校生になりました。」


長老「ごめんな。お前の両親の話を出来なくて。」


雪「こっちで会ったから、気にしないで。さあ。入って。」


 美雪が今までのことを説明した。



純一「しかし、美雪は立派になったな。大輝さんと佳代さんのおかげだ。」


大輝「私達は会ったけど、話すのは初めてですね。こんなにも会いたくて、話ししたかったことはなかった。私達の人生を救ってくれてありがとうございます。」


純一「雪の判断が凄かったんですよ。私ではない。」


長老「良かった。本当に良かった。」


雪「お婆様が泣くの初めて見た。」


長老「そりゃそうじゃ。泣くのは300年ぶりじゃ。」


彩菜「さっき、メロン食べて涙出てたわよ。」


長老「か、辛かったんじゃ。」


美雪「おばあちゃん。言い訳がおかしくないかな?まあ、辛かったとしましょう。泣いた事実は変わってないじゃない。」



長老「。。も、申し訳ありませんでした。」


雪「美雪!おばあちゃんに失礼でしょう!」


佳代「たぶん一番失礼なのは。。彩菜さんじゃないかな?」



長老「彩菜は本当に、憎めないヤツじゃよ。」



美雪「ねえ。おばあちゃん。死者の村。どう考えても闇の妖力と異空間使ってるじゃない。」


長老「言われてみたら。。そうかも知れないな。」


彩菜「あの。私は美雪の友達なだけです。」


長老「雪、なんとな。美雪は、秘伝書の全てを理解したぞ。それどころか、2週間で秘伝書を遥かに超える妖力の使い手になっているのじゃ。わしなんか比べものにならないくらい上じゃ。最高と言われたお前の母さんより遥かに上なのじゃよ。」


彩菜「それは隔世遺伝ってやつかな?」


佳代「本当にあるんだ。。」



美雪「あっ!」


長老「どうした。」


美雪「いやね。。。闇の妖力使ったら、たぶん。。過去に行ける。。でも、未来に行けないと戻れなくなる。。どうしたら出来るのか。。まあ、考えよう。」



佳代「ダメよ。それはしてはいけないわ。バランス崩れて世界が滅ぶ可能性があると思う。絶対ダメだからね。」


美雪「考えるだけよ。やらないわ。あまりにも危険なのは、私だって分かるから。」


彩菜「ねえ。そんな話をするために来たんじゃないでしょう?」



 それぞれが、想い出話や、気持ちを伝える。大輝と佳代は、ずっと残ってしまっていた、生きてしまった後悔の気持ちが消えた。

 


 美雪は、お父さんとお母さんに甘えた。それは、とても安らかで、初めての感覚だった。



 彩菜は遠巻きに話を聞きながら、おばあちゃんと仲良くなっている。



長老「まもなく1日経過する。戻される。そろそろ帰るぞ。」


雪「美雪。また、教えてね。」

純一「幸せにな。彩菜さんも大切にしてくれてありがとう。」


彩菜「感謝するのは私なんですよ。美雪と出会えなかったら、きっと。。私は心を閉ざして、1人ぼっちだった。」



長老「また来るよ。えーと。次は。。誰だったかな?」


美雪「弁護士さんと先生連れてくるわ。」


純一「本当か!それは楽しみだな。。なあ、雪。」

雪「すごく楽しみだわ。さあ、お婆様。叱られる前に。」


長老「ああ分かった。みんな手を繋げ。目をつむれ。戻るぞ!」


 死者の村の出口に戻った。


長老「間に合った。。」


彩菜「おばあちゃん。間に合わないとダメなの?」


長老「腕をちぎられるから、痛いんじゃ。でも、まあ。。すぐ生えるけどな。」


大輝「いや、僕ら生えないですよね?」


長老「。。そうじゃろうな。。」


佳代「そんな大事なこと、最初に言って下さいよ!」


美雪「大丈夫よ。私か彩菜が治癒妖力で治すから。」


彩菜「痛いのは?」


美雪「消えないでしょうね。。待てよ。黒の妖力と闇の妖力で時間切り取れば消えるかも。。」


佳代「絶対ダメ。時間に干渉はいけない。」


美雪「分かったわよ。」



大輝「1日経ったら、みんな心配してるだろうな。」


長老「それは大丈夫じゃ。あそこは時間の流れが10倍遅い。2時間半しか経ってない。」


大輝「えっ!1年いたら。。24年経過するってこと?」


彩菜「違うでしょう。24年いたら、1年経過するってことでしょう。」


佳代「なんか難しいわね。」



美雪「おばあちゃんの部屋に戻りましょう。」



 おばあちゃんの部屋に無事に戻った。



美雪「そろそろ戻らないと夕食間に合わないわ。」


彩菜「ねえ、おばあちゃん。来る?夕食むちゃくちゃ美味しいよ。」



長老「。。。いや、その。。。う、うん。」



彩菜「やっぱり、おばあちゃんは食い物に弱いのね。」



美雪「みんな入って。。いいわね。閉じるわよ。透明シールドと、音の遮断は大丈夫ね。。じゃあ出発するわよ。」



長老「うわーっ!なんて飛び方を。。も、ものすごいな。。しかし、良く妖力続くな。。」


美雪「だから、使ってないって。。空気中の妖力粒使ってるの。着くわよ。」


彩菜「ねえ。8分しかかかってないじゃない!」  


大輝「これは時速200キロ超えてるな。。凄まじいな。」



 無事美雪の家の敷地に着くと、そのまま部屋に入ってシールドを解除した。


美雪「ただいま。」



彩菜の母「おかえり。」


 全員無事戻り、皆が安堵した。


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