「第32話」帰還
美雪と彩菜は昼前に実家に戻った。
2人が戻ってくると、バーベキューが開始された。
弁護士「美雪さん。何が欲しい?」
美雪「ウインナー!」
彩菜「私も欲しい!」
弁護士「はい。どうぞ。」
医師「今回は肉は牛肉のみにした。旨いぞ。どんどん食べなさい。」
みんなでバーベキューを楽しんだ。
美雪「片付けは私がやります。」
美雪は闇の妖力を使い。器具や鉄板、網などを川に瞬間移動させ、川の水の流れを変化させて一気にキレイにすると庭に並べる。
火と風の妖力を調整して乾かすと、倉庫に移動した。
弁護士「うわー。すごいな。むちゃくちゃキレイに汚れ落ちてたよ。」
医師「誰も見てないけど、危ないから外では妖力使うのはやめよう。」
美雪「ああ、それは大丈夫ですよ。川まで透明シールド張ったから、私達以外誰にも見えてないから。」
彩菜の父「んー。あまりにも凄すぎるな。。」
彩菜の母「ところで、どこまで行ってきたの?」
彩菜「えっと。。涼しい部屋に入って話しましょうか。」
大輝「そうだな。日焼けするからな。」
みんなで美雪の実家のリビングに戻る。佳代が飲み物を運ぶ。
佳代「自分の好きなの飲んで下さい。」
彩菜「えー。。。お婆様に会ってきました。」
医師「えーっ!良く無事に戻れたな。。」
弁護士「会えたということか!」
大輝「うそだろう!あまりに無茶だよ。。頼むよ。」
彩菜の母「彩菜。あなた何故止めるか相談しないの!何かあってからじゃ遅いのよ!」
彩菜の父「まあまあ、無事に戻れたことだし。それで?」
美雪「あのね。彩菜が行く方法を思いついたの。お婆様の家まで透明化して行ったから、お婆様以外誰も気づいてないわ。」
彩菜「お婆様。すごくいい人だったわ。美雪のこと、ずっと雪さんだと思ってたよ。過去の説明だけで2時間かかっちゃった。」
美雪「お婆様は、妖力技が気になってたみたい。雪さんの話、私の育ての親の話。弁護士さんと先生の話。。このメンバーしか事実は知らないことも理解してもらった。」
彩菜「お婆様。すごく感動してたみたい。でも、明らかに妖怪って人たち。まあまあいたけど、お婆様は人間と変わらない感じだった。」
美雪「目的はお婆様に会うことと、死者の村に連れてってもらうこと。死者の村は約束した。だけど、4人に人数制限されたから、最初はお父さんとお母さんだけ。他の人は別の日に。だから明日の10時くらいに4人で妖怪村に行きます。他の妖怪に見られてはいけないから、今日と同じで、透明化して行きます。」
佳代「雪さんに。。雪さんに会えるの!」
美雪「たぶん。。」
佳代は「あなた。」と号泣する。
大輝「多少の危険があったとしても、どうしても行きたい。」
医師「お約束のウナギは予約を夜に変更しようか。」
彩菜の父「なら、明日の昼は遠いけど4人でステーキ屋に行きますか。私が奢りますよ。」
弁護士「じゃあ。お言葉に甘えますか。」
彩菜の母「そういえば今日の夜食の買い出し行かないと。」
弁護士「それなら私が乗せて行きますよ。」
佳代「今日の夕食は私も一緒に作りますから、買い出しお願いします。」
彩菜の母「お父さん。今から行きましょう。」
彩菜の父「分かった。」
医師「美雪。妖怪村の話は、みんな揃うまで一旦ストップな。」
美雪「じゃあ、お風呂の掃除してくる。ついでに洗濯しようか。」
洗濯を終えると買い出し組が帰宅した。
美雪「そういえば。ねえ先生。なんか家から来る途中に大学あったけど。。あれ、農学部あるのかな?」
医師「あるよ。有名大学の学科の一部が移転してきたからな。工学部だけ移転してないみたいだな。文系と情報系、建築、土木は移転してる。レベルそれなりに高い大学だぞ。駅も実質専用で作られたからな。」
彩菜「農学部あるなら。。いいかも。調べてみようか。」
美雪「そうね。」
佳代「ここから3キロくらいね。ここからなら通えるわね。」
美雪「家からも通えるよ。家と実家を時空で繋げるから。」
大輝「えーっ?危なくないか?」
美雪「確かに秘伝書のやり方は危ない。だから、自分で開発したから大丈夫だよ。お母さん。メロン1個残ってるよね。明日おばあちゃんにあげたいの。」
佳代「あるわよ。妖怪はメロン食べるのかな?」
彩菜「たぶん、人間と変わらないと思う。」
医師「わしらも雪さんと純一さんと会えるかな。。」
美雪「先生はたぶん大丈夫。弁護士さんが資格ないわね。。何とかするわ。ねえ、弁護士さんは?」
彩菜の父「自分の買い物を片付けに行ったよ。」
医師「資格ないって。。どういうこと?」
美雪「妖力ないと死ぬんだって。先生は前に妖力を私が入れたわ。未だに満タンね。使わないから当たり前ね。弁護士さんは妖力ない。今日、私の氷を食べてもらうわ。お父さんもお母さんも妖力入ってるから大丈夫。」
弁護士「ただいま。」
美雪はオレンジジュースに自分の氷を入れて弁護士に渡す。
美雪「はい。駆けつけ一杯。」
弁護士「ん!何だ。。すごく美味しいな。。何か、力がみなぎるな。」
美雪「それは当たり前。私の体液入りだからね。」
弁護士「えっ?」
彩菜「死者の村に入るには妖力がないといけないの。」
弁護士「何か複雑だな。。」
佳代「さあ。夕食作りましょう。」
明日の食事が重めのため、軽めのメニューにした。
シンプルでも、みんなで食べる食事はやはり美味しかった。




