「第30話」旅路
彩菜は朝4時半に起きるとリュックに非常食や厚手の服を入れる。美雪の服も入れると、美雪を起こす。
彩菜「美雪、準備したわ。用意して。あっ。ジーパンと厚い靴下よ。危険な虫とか、毒蛇とか危ないから。」
美雪「。。分かった。。。」
彩菜「目を覚ましなさいよ。5時よ。」
美雪「何で起きれるの。。」
彩菜「楽しみだから。。美雪!ブラはいつものよ。妖怪に見せつけてどうするのよ。」
彩菜は美雪の胸を後ろから鷲掴みする。
美雪「な、何するのよ。。」
彩菜「目覚めるかなと思って。。しかし、私を越えたな。。柔らかい。」
美雪「ち、ちょっと着替えられないよ!」
彩菜「ごめん。ごめん。」
美雪が準備を終えると、外に出た。少し明るくなってきて、朝が始まっているようだ。
美雪「彩菜。念の為、紐でズボン同士繋ぐわ。あんまり動くと落ちる。。いや、全面を遮蔽するわ。でも紐はつけるから。」
彩菜「すごい慎重ね。」
美雪「命の危険あるからさ。。さあ。じゃあ行きましょうか。」
彩菜「あっ!美雪。スマホの電源切って。」
美雪「何で?」
彩菜「たぶん圏外とは思うけど、万が一の場合に中継基地が微弱電波拾って記録残る。把握されるから調べられたらヤバいわ。」
美雪「なるほど。。いい?行くよ。」
美雪の妖力技で空に浮かぶと、秘伝書の妖力と同じ妖力の場に飛ぶ。
彩菜「美雪。声は外に漏れるの?」
美雪「ああ、漏れるから、漏れないように遮蔽するわ。完全に別空間になったわよ。妖力粒は通過してる。不思議だわ。。」
彩菜「ねえ場所分かるの?」
美雪「知らないけど、秘伝書に書いた人のところに連れてってという妖力をかけたら教えてくれる。」
彩菜「そんなこと出来るの!」
美雪「いや、出る直前に思いついた。最初は近くまで行って妖力探すつもりだった。正確には、私達が無重力だから、おばあちゃんと秘伝書が引き合う力の方向に進んでるの。自分の進めたい方向と進む方向がズレた場合は進行方向がズレるから気づくわ。時々、一旦止まって秘伝書の引き合う方向を確認するの。まずはあの山で間違いないはずだから、一気に近づくわ。」
彩菜「結構なスピードね。こんなに本格的に使うのは初めてだね。」
30分くらいで山のふもとに着いた。直線で進むとさすがに早い。時々止まりながら秘伝書が引き合う方向へと、更に山奥に進んで行く。
美雪「う、うわっ!」
彩菜「どうしたの?」
美雪「空気中の妖力粒があまりにも多すぎる。ち、ちょっとコントロール出来ない。あ、危ない。ちょっと低空飛行でゆっくりに変えるわ。」
彩菜「大丈夫?」
美雪「村が近いのね。あまりにも空気中の妖力が多すぎてコントロール無理だから方法変えるわ。ここからは空気中の使うと制御出来ないから、体内の妖力を使って進むわ。」
彩菜「ねえ、妖力足りるの?」
美雪「分からないけど、足りない分はサプリ使うから大丈夫よ。妖力が濃すぎるから、間違いなく村が近いはず。ここからはシールドを押すような感じで慎重に進むからね。」
更に30分くらい経つ頃に、ついに妖力村のエリアに入ったようで、様々な妖怪が見えてきた。
彩菜「すっごい山奥ね。しかし、見るだけで、むちゃくちゃ怖いのいるね。。見つかったら殺されるの分かるわ。。」
美雪「ねえ。妖怪って夜行性なのかな?何か顔洗ってるし。。朝に起きるのかな?」
彩菜「雰囲気的に人間と同じね。6時半前か。。あまりいない。まだ寝てる妖怪が多そうね。土曜日は休みなのかな?。。うわー。木がいっぱいあるし、いっぱい家あるし、広いし。。視界が森林で遮られてるけど見つかるかな?」
美雪「たぶん大丈夫よ。何か秘伝書の引き合う力が強くなってる。さっきから逆方向にブレーキかけてるの。。ねえねえ。あの真ん中の建物じゃない?一番偉そうな雰囲気の建物だよ。長老なんでしょう。。。間違いないわ。方向変えると秘伝書の引き合う力で簡単に分かる。あの家よ。もう秘伝書の引き合う力を消す。いい?彩菜入るわよ。」
美雪は歩くスピードにまでスピードを落とし、2階から入ると慎重に1階に降りる。優しそうな、おばあちゃんが座っていた。
彩菜「あれが。。なんか人間と変わらないわね。。」
美雪「間違いないわね。ちょっと一旦サプリで満タンにするわ。」
彩菜「妖力どれくらい使ったの。」
美雪「6割くらいかな。。」
彩菜「ねえ。水分補給するわよ。あと。おにぎり1個ずつ食べよ。」
美雪「彩菜って冷静ね。ちょっと尊敬しちゃった。」
長老「誰じゃ!」
長老が通り抜ける。
長老「気のせいか。。」
美雪「えっ!遮断しても気づくの。。やっぱりすごいわね。おばあちゃんか。。何か嬉しいな。」
彩菜「でも血は繋がってないんでしょう?それに。。ひ孫なんじゃない?しかし、さすが最強の妖力者よね。。美雪。自宅の部屋に瞬間移動出来るようにしておいてね。」
美雪「ちょっと待ってね。私の心臓が止まったら瞬間移動するように、セットするから。」
彩菜「いやダメだよ。あなた死んだら、飛ばされても私は脱出出来ないわよ。」
美雪「なるほど。。確かに意味ないわね。いつでも飛べるようには身構えるわ。」
彩菜「美雪。出るわよ。」
美雪「しかし。。あなた、本当に勇気あるわね。。分かった。じゃあ行くよ!シールド解除。」
気配を感じてじっと見ている長老の目の前に美雪と彩菜が突然姿を現す。
長老はぶったまげた。
長老「う、うわーっ!。。ん?。。。ゆ、雪!。。。雪じゃないか。。お前、幸せに生きてたのか?ああ、雪。村の者に見られたか?お前は死んだことになってるんじゃ。」
美雪「大丈夫。部屋に入るまで、姿消したから誰にも見られてないわ。」
長老「ん?お前は誰じゃ。」
彩菜「おばあちゃん。こんにちは。友達の彩菜です。」
長老「お前。。。人間!。。雪。。なんてことを。。掟を知ってて連れてきたのか。。ん?ちょっと待て。。姿消したとは、いったいどういうことじゃ?」
美雪「おばあちゃん。秘伝書ね。もう時代遅れよ。だけどすっごい勉強になった。それと、秘伝書は間違いがあるわよ。」
長老「何が間違いだと言うのじゃ。この書は主人と500年かけて考えたのじゃ。雪の妖力では理解出来る訳がない。」
美雪「2週間で全て理解したわよ。」
長老「そんな馬鹿な。。氷の妖力しか出来ないお前に出来るはずがない。」
美雪「んー。非常に大きな間違いしてるわよ。おばあちゃん。あのね、私は雪じゃない。美雪よ。雪は私のお母さんよ。」
長老「えーっ!。な、なんじゃと。。」
あまりの衝撃に固まる長老だった。




