「第29話」帰省
ついに待ちに待った帰省の日になった。真実を知り、美雪にとって正真正銘の帰省である。
母親2人は、前回同様に検査のために朝から絶食している。
他の人は、うどん屋で軽く食事をして、買い出しをすると美雪の実家に到着した。
弁護士がやってきた。
弁護士「皆さん。お久しぶりです。2人とも、また綺麗になったな。。何かデカくなったな。。」
美雪「へへ。2人を喜ばそうと、彩菜のお母さんに目立つ下着にしてもらったの。いい?」
彩菜「減るもんじゃないから、触っていいよ。」
弁護士「えー。。犯罪になりますから、やめておきます。」
彩菜の母「だから!その、減るもんじゃないって考え方、やめなさいって言ったでしょう!ところで先生は?」
弁護士「ああ、昼過ぎに急患みたいで。でも、あれは。。治らないな。」
佳代「じゃあ検査遠慮するほうがいいかな。」
弁護士「問題ない。ぎっくり腰だ。診ても治らないよ。」
大輝「美雪。余計なことするなよ。我々以外秘密だからな。」
彩菜の父「今回も今日の夕食は私達が作りますので。」
弁護士「すまないね。いい酒買ったからね。」
佳代「それは、楽しみだわ。」
大輝「しまった。つまみ買ってない。」
彩菜の父「ベーコンとか、ウインナーとか買いましたから、私が作りますよ。」
弁護士「スルメなら持ってくるよ。」
大輝「助かります。ゆっくり取り掛かりますか。」
弁護士「私も手伝うよ。人数分、鮎釣ってきたから、調理は任せる。」
父「塩焼きにしますか。」
大輝「それ、最高ですよ。つまみになるんじゃない?」
佳代「子供達がかわいそうだから、鮎は夕食にしましょう。じゃあ検査行ってくるわ。」
医師「前に検査するべきと言ったけど、美雪さんがいるから。。もう検査無駄だな。ついに全部伝えたんだな。美雪さんから電話かかってきたよ。若い頃の私はカッコいいね。って。。もう、カッコ良くないらしいわい。」
佳代「お二人にサービスで胸強調ブラを希望したから、あとで見てあげて。」
医師「それは楽しみだな。」
2人は検査をしたが、全く問題はなかった。検査を終えると医師と一緒に美雪の家に向かった。
医師「久しぶり。。確かに、すごいな。君たちメロン立派だよ。」
美雪「いくらなんでも、そこまでじゃないでしょう。あっ!メロンあるよ。今年は4つ持ってきたんだ。」
医師「なかなか贅沢だな。」
彩菜「ねえ検査は?」
医師「全く問題ない。」
夕食までの間に佳代は、2人に話した内容を伝える。
弁護士「秘伝書って何?私は初めて聞いたな。」
医師「どれ。。これはずいぶん古い文字だな。内容が分からない。」
美雪「解読に苦労したわ。でも、内容も古いのよ。その秘伝書の内容だと、空はこうやって飛ぶの。」
美雪は30センチくらい浮かぶと、風が起こる。
弁護士「おいおい!嘘だろう。。」
美雪「これさー。あまりにもやかましいから、飛んでるのまる分かりなのよ。だから、私が開発した方法なら静かなの。ほら。」
医師「本当だな。。」
彩菜「先生達。美雪と並んで手を繋いで。」
美雪「ちょっと待った。シールド板。。いいわよ。」
2人が手を繋ぐと、美雪は浮き上がる。
弁護士「うわ、うわ。飛んでる。初めてだ。」
医師「生きた心地しないな。。」
彩菜「もっとすごいわよ。先生達は、こっちに座って。美雪、あれやって。」
美雪「ああ。透明シールド。」
美雪が消える。
美雪「同じ場所にいるわよ。先生触ってみて。」
医師が触ると何もない。通過してしまう。
大輝「何だそれ!」
佳代「いつの間にそんな。」
彩菜の父「えっ?いったい、どうやってるの?」
彩菜の母「。。。」
美雪「シールド解除。。簡単に言うと四角い異空間に入っているの。」
医師「空はどうやって?」
美雪「闇と黒の妖力を調整して、重力を無効化したの。闇と黒の妖力は、秘伝書にも書いてないから、自分で考えた。けど、気をつけないと宇宙まで飛んでくし、地下も。気をつけないと危ない。ただ、もう慣れたから調整出来るようになった。もちろん異空間は真空だろうが高圧だろうが遮蔽したら関係ない。宇宙の果てまで一瞬で行ける。ブラックホールの中心だって行ける。本当に存在してるか知らないけどね。」
彩菜の父「私、工学部だったけど。。つまり、地球の物理法則。。いや、宇宙のかな?それから抜け出してるってこと?恐ろしいことしてるな。。」
彩菜の母「前は見えなかったけど、触れることが出来たのに。。」
美雪「お母さんが言ったから思いついたのよ。あと、もう妖力は空中から集めて使っているから、今は私は妖力は消耗しないわ。先生このサプリ。妖力を回復するのよ。買ってから思いついたから、要らないと思うけど。」
医師「いったい何の成分が回復させるんだ?ちょっと研究してみよう。」
美雪「秘伝書に書いてあるのは全て出来るようになったわ。」
彩菜「美雪。一旦やめましょう。料理が停止してるわ。」
弁護士「ちょっと川に行こうか。」
医師と弁護士と美雪と彩菜の4人は敷地の横の川に行く。
弁護士「なあ。美雪さん。あの鮎穫れる?1人2匹ずつにしたいから追加で捕まえたいんだ。」
美雪「瞬間移動は混ざるから危険ね。異空間に入れて運ぶわ。」
美雪は鮎をシールドで囲うと、重力を無効化して、こちらに引っ張る。
美雪「生け捕りしたけど。どうするの?」
弁護士「酒のつまみが足りないから。生け捕りじゃなくていい。」
美雪がシールド解除すると、鮎は跳ね、弁護士が捕まえた。
医師「これ、僕ら以外に知られたらマズいよ。命が危ない。美雪。とにかく気をつけないといけない。」
美雪「そうね。普段は家でしかやらないけど、ちょっと開放感でやってしまった。。」
外で話し込むうちに、食事の準備が終わったようで、呼ばれた。
みんなで豪華な食事をすると、美雪と彩菜はお風呂掃除をした。
美雪と彩菜が風呂に入るうちに、大人は宴会が始まっていた。
彩菜「ねえ。ところでさー。秘伝書にお婆様の妖力は残っているの?」
美雪「あるわね。」
彩菜「同じ妖力なの?」
美雪「どういう意味?」
彩菜「何と言うのか、全く同じものなのか、人によって。。ああ妖怪か。。妖怪によって違うの?つまり区別つくの?」
美雪「私と違うのは分かる。何と言うのか。。遺伝子が違うような感じかな。。区別はつく。」
彩菜「だったら、この秘伝書と同じ妖力を探したら、お婆様のところに行けるんじゃない?」
美雪「あっ!。。。」
彩菜「ねえ、明日の朝早くから内緒で行こうか。」
美雪「あなた。。天才ね。」
彩菜「お母さん。盛り上がってるところにごめん。あのさー。明日の午前中、新しい植物探してきていいかな?」
彩菜の母「いいけど。。昼に帰ってきなさいよ。弁護士さんがバーベキューしてくれるから。」
美雪「だったら、朝食要らないから、朝早く出かけることにする。今日はもう寝るわね。」
2階で横になる2人。
美雪「あなた本当にすごいわね。私、全く思い付かなかったわ。。」
彩菜「危険が伴うから、非常時は、自宅に瞬間移動するのは意識しておかないといけないわね。あと。。お菓子とか、念のために持っていきましょう。生き延びる必要ある場合もあるかもしれない。」
美雪「分かったわ。もう寝ましょうか。明日は何時にする?」
彩菜「明るくなるだろうから、朝5時にしましょう。」
美雪「分かったわ。おやすみ。」
美雪は思った。ひらめきと危機管理は、彩菜のほうが遥かに優れている。彩菜はすごいな。。
盛り上がっている大人をよそに、明日に備えて2人は先に眠った。




