「第28話」妖力
美雪は、帰省前に妖力の学びが納得出来る状態になった。
美雪「彩菜。私の考えでは、妖力は氷、火、風、治癒、電気、黒、あとは闇かな?闇は名前としてイマイチね。この8種類かな。まだあるかも知れないけど、これだけを使えばほとんどのことは出来る。」
彩菜「黒と闇が良く分からないな。。」
美雪「似てるけど、微妙に違うのよ。私も最初は混乱してたけど、黒と闇を上手く混ぜて使ったら重力に反発出来るの。つまり秘伝書より簡単に飛べるの。闇を使ったら透明シールドを作れる。あとね、あなたのお母さんが言ってたやつは、闇の妖力を多めに混ぜて使えば出来るわ。簡単に言うと四角い異空間に入るの。目の前と背中の部分の空間をくっつけるの。そしたら通過出来る。だから、飛んでるのは誰にも知られない。鳥がぶつかることもない。」
彩菜「あなたが考えたの?」
美雪「そうよ。闇と黒は混ぜたりして使うといろんなことが出来るから、使い方によってはかなり使える。けどね。空を飛ぶのは方向感覚狂うと制御不能になる可能性がある。だから、飛んでる下に。。そうね。まあ、簡単に言うと落下防止ネットを並走させるの。シールド解除したらネットに落ちるわ。あとね。私の部屋に常に何もない空間を作ったから、本当の非常時は、そこに瞬間移動する。考えられる安全策は全てしたつもり。」
彩菜「凄すぎてついていけないし、理解出来ない部分がいっぱいある。」
美雪「大丈夫よ。あなたは私と手繋いでたらいいだけ。でもね。秘伝書。。気づいてないのかな?瞬間移動の技は時空を超えてるのよ。闇の妖力だと気づいてないみたいなのよ。。秘伝書の瞬間移動は、身体を粉々にして、別の場所で組み立てるのよ。だから混ざるんじゃないかな?私のやり方なら、時空をくっつけて移動するだけから、混ざらないと思うんだけど怖いから試せない。」
彩菜「あのー。。身体バラバラにするほうが怖いんですけど。。」
美雪「大丈夫よ。あなたはバラバラには出来ないから。だから、時空くっつける方法を思いついたのよ。私だけ出来ても意味がない。でもね、秘伝書ではバラバラにしても時空移動してるのよ。気づいてないのかな?そこに何か理由があるのかも知れないわね。まあ、一旦は極めたから、妖力研究はこの先はのんびりやるわ。元通りの生活して楽しく生きましょう!」
彩菜「ねえ。私って妖力無いよね。。当たり前か。」
美雪「妖力粒は前に身体に入れたからな。。私が背中に手をあてて妖力粒入れるから、手から出してみて。」
彩菜「どうやるの?」
美雪「妖力量がいっぱいになったら勝手に溢れるから。もうすぐいっぱいよ。」
彩菜「どう?」
美雪「ん?あなた。。これって、ひょっとして治癒の妖力じゃない?私、さっき手を切ったから傷に指を指してみて。」
彩菜「こう?うわっ!傷が消えた!」
美雪「あなた治癒能力は、私より遥かに上だわ。」
彩菜「でも、ガン治したんでしょう?」
美雪「それは良く分からないけど。。火事場の馬鹿力ってやつじゃないかな。今やれと言われたら出来る自信ない。でも彩菜なら楽勝で出来るわ。」
彩菜「美雪に妖力入れてもらわないと出来ないのか。。」
美雪「サプリ飲みながらなら出来るかもしれないわね。自分で出せない以上は溢れさせるしかない。」
彩菜「ねえ。そういえば明日は10時出発よね?出発前にフリマの出品消さないと。」
美雪「そうだね。あっ。メロン食べる?」
彩菜「食べたいけど我慢する。明日余分に持って行きましょう。」
美雪「そうね。去年より早く植えたから、もうラストのメロンだもんね。」
彩菜「お得意様がかなり買ってくれたから、かなりの黒字になったわね。」
美雪「スペックの高いパソコンでも買おうかな。。妖力の計算したいのよ。私達お金使わないから貯まる一方ね。」
彩菜「私は始めたの遅いから、美雪ほどは貯まってないよ。私は、もう少し貯めるわ。免許取らないといけないし。」
美雪「免許か。。夏休み終わったら通う?年齢制限あるのかな?でもさー。大学行くなら大学入ってからで良くない?車買わないでしょう?」
彩菜「そうか。。みんな就職するから免許取ってるのかな。。大学行くの半分もいない学校だからね。大学の学部はどうするの?」
美雪「何となくだけど。農学部がいいなって。ただ、あまりないからな。。経済学部かな。。まだ分かんない。彩菜は?」
彩菜「私も農学部は考えてた。まだ決めかねているわ。あなた理系のほうが得意でしょう?」
美雪「それは事実だけど、大学で学ばなくても既に理解してるから大学で学ぶ価値がない。農業のノウハウなんて学ぶ機会かないから、貴重な学習になる気がするの。まあ、また考えましょう。」
彩菜「物理も数学もかなりのレベルだもんね。サイン、コサインの知らないやつ使って怒られてたもんね。」
美雪「アークサイン?サインの逆数よ。ハイパーボリックサインとかあるけど、実生活で全く要らない。量子論とか相対性理論とかは面白いから気づいたら。。マクロもミクロも突き詰めると不思議よね。実生活で役に立たないのは変わらないわね。ねえ。巨大な光速で飛ぶロケットの中で、小型の光速で飛ぶロケットがあると、外からどうやって見えると思う?」
彩菜「光の2倍の速さなんじゃない?そんな巨大なロケット出来ないでしょう。」
美雪「それを言ったらおしまいだよ。。物理の世界では光速を超えることはないの。本当かとうか分からないけど、大前提なの。だから、時間の進み方が変わるらしい。もし光速超えることが出来るとしても光がこちらに飛ばないから見ることは出来ない。なんか大前提が間違ってる気もするのよね。」
彩菜「そういうことは、お父さんと話してくれないかな。考えたら寝れなくなりそうだし、明日の準備あるから帰るわ。」
美雪「考えたら楽しいけどな。。また明日ね。」
美雪も明日の準備をすると、早めに寝ることにした。




