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妖女 美雪  作者: ぴい


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「第26話」研究

 美雪は、学校から帰ると彩菜と畑の世話をして、売れたものを発送すると、すぐに秘伝書を研究する。


彩菜「何か分かった?」


美雪「何かね、氷の妖力、風の妖力、火の妖力の3つが基本みたい。この3つを極めたものだけが出来る技が書いてある。へえー。氷の妖力は自分の体内の水分使って出すのと、水を凍らせることが出来るんだ。。何か、基本は一つの妖力しか持ってないらしい。他は訓練だって。ってことは私は極めたということかな?」


彩菜「さすがに分かんない。何が出来るの?」


美雪「そんな簡単な訳ないわね。ねえねえ、3つ極めると空飛べるらしいよ!あと、瞬間移動も。。ただ、瞬間移動は移動先に何もないことに注意しないといけないみたい。。どうも物質同士が混ざって。。つまり死ぬらしい。これは危険ね。やらないほうがいいわ。」


彩菜「えっ。。空飛べるの!すごい!今度見せてよ。金曜日夏休み開始になるから泊まりにくるわ。夜中に庭でやってよ。」


美雪「そうね。やってみましょうか。だけど腑に落ちないことがある。絶対に他に妖力あると思う。例えば治癒の妖力は実際私が出来る。そうか。。闇の妖力もやれると思う。まだ他にもできるはず。」



佳代「美雪。荷物届いてるわよ。」


美雪「ありがとう。」


彩菜「何?それ。」


美雪「前に飲んだサプリ。妖力とか知らなかった時に飲んだら、身体が変だったから。」


彩菜「変?」


美雪「妖力って、寝ないと回復しないんだけど、このサプリ。たぶん妖力回復すると思う。」



 美雪はサプリを飲む。


美雪「やっぱり。間違いない。半分くらい使った妖力が戻ってる。これは役に立つわ。」


彩菜「見えないから、私には分からないな。。」


美雪「ん?待てよ。。自分の妖力使うから減るのよ。空気中の妖力粒を集めて使えば自分の妖力使わなくていいじゃない!」



 美雪は空気中の妖力を自分の前に集めて、そのまま使う。


美雪「風の妖力出すわ。」


 彩菜に向かって風が吹いた。


美雪「出来た!しまった。。サプリ買わなきゃ良かった。」


 

 美雪は数日で秘伝書の技を全て理解し、自分なりに研究を重ねて、新しい妖力も考え出した。

 誰も知らないことだが、もはや、お婆様の妖力の技を既に超えていたのだ。


※※※


 金曜日の深夜、庭で空を飛ぶ技をやることになった。


 秘伝書を見ると、どうやら氷を火で熱して蒸発させていわゆる蒸発圧で浮遊し、風の妖力で進むらしい。


 美雪は何回か失敗しながら、ある程度やると出来るようになった。


彩菜「すごい!本当に飛べるじゃない。でも、30センチくらいね。。高く飛べないのか。」


美雪「危ないから、飛んでないだけよ。もっと高く飛べるわ。でも、すごい妖力と集中力が要るわね。。やっぱり空気中から集めるの正解ね。私の妖力量では長く飛べないわ。」


彩菜「先生達のところまで飛べるの?」


美雪「たぶん飛べる。ただ、スピードがどれくらい出るか分からない。でもさー、秘伝書のやり方理想的じゃないわ。氷より水のほうが蒸発しやすい。水の妖力って。。出来るかな。。あっ、出来るじゃない!液体だから量が難しいな。。空気中の水分使お。」



 美雪は練習を重ね、空気中の水分で飛ぶことが出来るようになった。



美雪「彩菜。見てても楽しくないでしょう?おいで。手繋いで。」


彩菜「何?」


 美雪は彩菜と自分の下に氷の板を作り、その下で水と火の妖力を使うと浮き上がった。


彩菜「うわっ。すごい。飛んでるよ。」


 ゆっくり庭を回る。が、夏の暑さで溶けた氷の板が折れて落ちてしまった。


美雪「高く飛ばなくて良かった。。だけど、水って妖力じゃないわ。妖力使って体内の水分出してるだけ。空気中の水分も集めるの季節によっては難しいな。。んー。試しに黒の妖力を使ってみよう。」


彩菜「黒もあるの?」


美雪「有るは有るけど。。使い方はまだ良く分からないから、今考えたの。」



 美雪が妖力を使うと見えない板が出来た。


美雪「彩菜、乗って。」


彩菜「えっ?どこ?」


美雪「ああ。」



 美雪は砂を振りかけると板が見えた。彩菜が乗ると手を繋ぎ、再び飛ぶ。


美雪「これなら溶けない。ずっと飛べる。黒の妖力で重力無効化したの。完全に無効化してない。少しだけ重さある。風で高さ調整も移動も簡単に出来るわ。もし無くなっても、私が彩菜を掴んで飛ぶから心配ないわ。降りるわよ。」


彩菜「ねえ。黒というより透明じゃない?」


美雪「透明の妖力か。。黒のほうがカッコいいんじゃない?」


彩菜「えっ?美雪?どこ行ったの?美雪?」


 突然美雪が現れる。


美雪「中からは見えるわよ。一緒に入って。黒やるわよ。」


彩菜「どうなってるの?」


美雪「今、外からは見えないわ。光を反射しないから見えなくなるというのか。。ちょっと違うけどマジックミラーみたいなものね。」


彩菜「でも、背景が見えないということよね。バレるんじゃない?」


美雪「なるほど。なら歪の妖力を加えたらいいのかな?いや、歪の妖力なんてないみたいね。。そうか!姿消すのは黒じゃないわ!んー。闇の妖力と名付けるわ。黒と闇は似てるけど別物なの。もしかしたら、後ろの景色を前に出すのかな?。。ちょっと複雑ね。もう少しいい方法ないかな。。」

 

彩菜「また考えましょう。今日は寝ましょう。」


美雪「そうね。疲れたわね。」


彩菜「妖力使ったの?」


美雪「空気中の水分では無理だったから、多少脱水症状ね。でも自分の妖力はあまり使ってないわ。ねえ、明日は彩菜の家に泊まっていいかな?」


彩菜「いいけど?」


美雪「ちょっと妖力の研究は一旦お休みにして、宿題手分けして一気に終わらせましょう。村に行く前に全て終わらせて、思い切り楽しみたいから。」


彩菜「それもそうね。お母さんに確認するわ。」


美雪「私も許可取る。でも、どっちにしても野菜が売れたら来ないといけない。毎日、夕方に収穫して一気に発送しようか。」


彩菜「ねえ。メロン育ってきたね?」


美雪「本当だ。去年儲かったから、今年増やしたからな。結構稼げそうね。寝ましょうか。」

 

 部屋に戻ると、2人で仲良く眠った。


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