「第22話」進学
美雪達は中学3年生になった。
いつもと違い、美雪が彩菜の家に遊びに来ていた。
彩菜の母「ねえ、美雪さん。あなたは、どこ受験するの?」
美雪「決めてない。」
彩菜「もちろん一番の進学校でしょう?」
美雪「私は、彩菜が行く学校に行くわ。ねえ、彩菜はどこに行くの?」
彩菜「決めてないなー。」
美雪「じゃあ、あそこにしようか。一番近いわ。中学校よりも近いから、時間が有効に使える。」
彩菜の母「えっ!あそこは平均より下の子が行く学校でしょう?うちの子はともかく、もったいないじゃないの!」
美雪「もったいなくないでしょう。公立だから安いわよ。」
彩菜の母「いや、そういう意味じゃなくて。」
美雪「高校なんてどこでもいいわよ。大学なんて行きたくなったら、高校さえ出たらどこでも行けるわ。」
彩菜「だったら、あそこにしましょう。ねえ、滑り止めはどうするの?」
美雪「私はあそこしか受けないよ。万が一不合格になったら、二次募集で適当に受けるわ。大丈夫。彩菜が行きたい大学が受かるように勉強教えるから心配しないで。」
彩菜の母「お父さんが反対しそうだけど。。まあ、私が何とかするわ。」
どうにか、お互いの両親を納得させ、一番近い学校を受験し、2人とも合格した。
2人の成績だったら試験さえ受けたら合格するのは当たり前のことだった。
※※※
2人は無事進学して高校生になった。
両家が彩菜の家に集まり、ささやかな合格祝いをする。
美雪「お父さん。去年、受験って実家行けなかったから、今年の夏は行こうね。」
彩菜「合格祝いだからね。」
大輝「分かったよ。先生達にも報告しないといけないからな。」
彩菜の父「申し訳ないけど。個人的には、自分が行くのが楽しみなんだよな。」
佳代「それは全員同じでしょうね。」
美雪「元気かな。。」
彩菜の母「去年の夏に、健康診断に日帰りで佳代さんと行ったけど、元気にやってたわよ。そういえば健康診断の約束しないといけないわね。」
大輝「いつにする?」
彩菜の父「例年通り、8月1週の金曜日から日曜日でいいんじゃないですかね。」
美雪「やったー。決定ね。。あっ!イチゴが売れた。」
彩菜の母「へー。今年はイチゴなの。」
美雪「彩菜のアイデアなの。果物のほうが高く売れるのよね。いっぱい出来るから、2人で手分けして売ってるの。」
彩菜「冬に大根で、春先がなかったから、私のアイデア。イチゴ終わったら、そのままきゅうりやメロンだから。」
美雪「そうだ!メロンの前にビニールシート交換しないと。」
彩菜「今年は材料の費用は私が出すわ。お父さん。週末にホームセンター連れてって。」
彩菜の父「ああ、いいよ。」
美雪「イチゴ収穫に行きましょう。」
大輝「やれやれ。では今日は解散しますか。」
次々と売れ、2人はイチゴをいっぱい収穫して、箱に入れると発送した。
学校はもともとレベルが低い学校だったため、2人は最初のテストの成績は一番と二番だった。
美雪「ねえ彩菜。行きたい大学は?」
彩菜「そうね。。一番行きたいのは。一番近いあの大学ね。ただ、あそこレベルが高いから。。」
美雪「学科は?」
彩菜「出来たら農業科がいいな。でも、働くの考えたら。。経済とかがいいのかな。」
美雪「あそこは確かにレベルが高いわね。。彩菜。確実に合格するなら成績二番は必ず死守しなさい。」
彩菜「分かったけど、何で?」
美雪「私は推薦辞退して受験であそこ受けるから、あなたは推薦で行きなさい。推薦優先順位1位なら、他人に推薦枠を取られる心配はないわ。」
彩菜「あなたは。。受験でも大丈夫か。日本一の大学ても合格しそうだからね。」
美雪「そんな大学は、合格出来ても行かないわよ。私、都会は嫌いなの。」
彩菜「ねえ、何で都会嫌いなの?まあ、確かに私も好きじゃないけど。」
美雪「分かんない。何か気づいたら嫌いだなって思ったから。」
彩菜「まあ、いいか。」
美雪「実家楽しみだな。。」
彩菜「まだ期末テストもあるし、きゅうりもメロンも。これから夏が1年で一番忙しいわよ。みんな終わらせてから考えましょうよ。頑張ったご褒美よ。」
美雪「それもそうね。」
高校生活を楽しんでいるのか微妙だったが、人生を楽しんでいるのは間違いようだ。




