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妖女 美雪  作者: ぴい
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「第18話」宿題

 夏休みに入り、メロンの実がなっているようだ。


彩菜「美雪。やったわね。」


美雪「あなたと一緒に作ったんだよ?」


彩菜「ねえねえ。1個、おじさんのところに持っていきたいな。」


美雪「不味いかも知れないから、まず私達が食べないと。」


 2人は毎日メロンを観察しながら、売れた野菜を収穫しては宅急便で送った。



佳代「あなた達。いっぱい売ってるけど、儲かってるの?」


彩菜「私は、ようやく最初の10万円を取り返しました!苗や種のお金も。ここからは儲けです。だけど、水道代とか美雪に払ってもらってるから、厳密には儲かってないかな。でも、取り戻したらいいの。家族が食べる分を確保して、残りを売るんだ。」


美雪「私は、今年は平均月3万円くらいかな?」


佳代「水道代引くと1万円か。」


彩菜「違いますよ。引いて3万円ですよ。」


美雪「春先は売るもの少ないからね。メロンがどうなるかで大きく変わるわ。美味しくないと売れない。2個がもう少しで採れるの。4日くらい寝かせてから食べるらしいからギリギリなの。」


佳代「何が?」


美雪「お医者さんに1個プレゼントするんだ。だから、前の日に何とか1つ食べたい。」


佳代「美味しいかな?そんなに簡単じゃないわよ?」


彩菜「そうだ!美雪。メロンの自由研究やろうよ。あと採って食べる写真撮ると完成出来るから。」


美雪「そうね。一気に終わらせましょう。」



 彩菜は家に連絡して、自由研究終わらせるから遅くなると伝え、パソコンで画像を貼る。美雪はメモを見ながら、文章を書いていく。途中からファイルをコピーして、同じデータの後半部分を彩菜が文章入力する。

 夜9時前には2人のファイルを合体させると、最後の写真と感想を残して完成した。美雪が印刷して、お互いに読んで修正ヶ所を探すことになった。


彩菜「自由研究終わったら、宿題全て完了ね。あと1週間で終わるわね。」


美雪「4日寝かすから2週間よ。」


彩菜「そうか。去年より終わるの遅いね。」


美雪「メロンさんが、終わる日を決めるから仕方ないわ。そういえば、何も食べてないじゃない。」


 リビングに行くとご飯が用意され、彩菜の両親が来ている。


彩菜の父「終わったか?」


彩菜「あとは収穫して、食べると終わり。何しに来たの?」


彩菜の父「村に泊まりに行く相談だよ。法事を調整したよ。」


彩菜の母「彩菜。今週末、法事があるから実家帰るわよ。」


彩菜「メロンが。。」


美雪「日曜の夜に帰るんでしょう?日曜の夜に収穫しておくから、木曜日の夜に食べましょう。美味しかったら、お医者さんに1個持って行くの。」


大輝「かなりタイトなスケジュールだな。」


彩菜の父「金曜日は朝からですか?」


大輝「10時くらいの出発でいいかな?途中で買い出しして、夕食は私達がもてなします。」


彩菜の父「昼は?スーパーで適当に食べますか?」


大輝「いや。私達、スーパーでは飲食店には。。途中に美味しいステーキハウスありますから、行きますか。」


彩菜の母「たまにはいいんじゃない?」


大輝「土曜日は弁護士さんがバーベキューごちそうしてくれるらしい。夜はお医者さんが、ウナギ屋に連れてってくれるって。日曜日は昼前に帰りますので、レストランでも行きますか。」


彩菜の父「どうやら、大輝さんに任せるのが一番ですな。2泊で家族で出かけたら、10万以上かかりますからね。それに比べたら全然安い。」


佳代「そうだ。お母さん。健康診断は?」


彩菜の母「5年くらいやってないわ。」


佳代「それはダメね。先生にやってもらいましょう。心電図にエコー、胃カメラもやってくれますから、私予約するから一緒にやりましょう。」


彩菜の父「是非お願いします。私は会社でやるけど、母さんはやらないから、助かります。」


彩菜の母「私達は旅行というより検査に行くみたいなものね。」


佳代「あっ!金曜日に検査なら。。私達、朝から食べれないわ。夕食だけになる。」


大輝「そうなら、ステーキは日曜の帰りにしよう。」


父「彩菜。食べたか?そろそろ帰るぞ。」


大輝「近いとは言っても夜は危ないですね。次からは、私が送り届けますよ。」



美雪「ねえ。あなたが心配だから迎えに来たみたいね。いい両親ね。」


彩菜「あなたの両親も同じじゃない。お互い幸せね。帰るわね。」


 家族はスマホのライトを照らしながらメロンを観察する。初めて大輝の防犯システムが作動した。


 大輝が飛んできて装置を止める。


 申し訳なさそうに帰って行くと、再び防犯システムを作動させた。


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