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妖女 美雪  作者: ぴい
127/131

「第127話」双子

 みんなで派手な宴会をした翌日の1月2日は各自の家族だけで過ごす日にした。


 彩菜の一家は家に亮太を招き1日を過ごす。


彩菜の父「卒業したら結婚するのか?」


亮太「許して頂けるなら、そうしたいと思っています。あと、出来ましたら同居したいです。私は家族との生活というものがなかった。だから、あたたかい家庭は夢なのです。」


彩菜の母「私も兄だけ。両親は小学校の時に事故で失ったから気持ちは分かる。主人のお父さんとお母さんに引き取られ、愛情いっぱいもらった。だから理解出来るわ。」


彩菜「家建てるとお金もかかるからね。私達がお金は一番苦しいから。でもね。美雪達が進展しないと先に結婚は出来ないわ。私、美雪と出会わなかったら、今はなかった。美雪が幸せになってくれないと先には無理。」


彩菜の父「2人はどうなの?」


彩菜「初めて会った時に美雪が一目惚れしたのは分かった。2人とも気持ちはある。けどなかなかね。忙しいのと不器用だから。なかなか進展してないわね。」


彩菜の祖母「まず、自分達が幸せになることを考えなさい。他の人の幸せはどうにも出来ないこともある。」


亮太「兄さん。柔道ばかりだったからな。相手は社長だし、すごく勇気いると思う。だけど、愛しているのなら。。きっと。もちろん僕は僕なりに努力するよ。」



※※※


 一方、美雪の家には雄太が訪れた。


美雪「あっ。来た!おはよう。お父さん。お母さん。今日1日昔の街に行こうか。」


佳代「そうね。ここは雄太さん何回も来てるし。久しぶりにあっち行くか。」


長老「わしは、先生と妖怪村に出かけてくるよ。明日帰ってくるから、街を楽しんできな。」


美雪「妖怪村に用事あるの?」


長老「ずいぶん帰ってないから、挨拶と病気の治療して。。夜は宴会だな。ああ、あと雄太さん達が村に入っていいか確認してくるよ。」


佳代「じゃあ。気をつけて出かけて下さいね。私達は行くわ。」


美雪「雄太さん。入って。」


雄太「えっ?どこ?」


美雪「ああ、妖力入ってないから見えないか。まだ入れないほうがいいかもね。お父さんにつかまって。」


大輝「頭ぶつけないようにな。」


美雪「いい?扉閉めるわよ。」


雄太「あっ!壁がある。」


 緑に光ったのを確認すると佳代が扉を開ける。


大輝「移動するよ。」


雄太「はい。」



 佳代が扉を閉めて、すぐに開けると自宅に繋がった。



雄太「えっ?」


大輝「まず出ようか。寒いな。暖房つけるか。」


美雪「私がやるわ。」


 美雪は、火と風の妖力で家を一気に暖める。



雄太「これは、すごいエネルギー量だ。」


大輝「たいしたことはない。彩菜のお父さんが言ってたけど、空間を繋ぐには発電所1日分のエネルギーが必要らしい。初めてやった時はものすごい眩しさだった。」


美雪「危ないから接続は1時間くらいかけてやるようになった。興味あるなら、量子論で説明出来るから、後で説明するわ。授業では仮説でしょうけど、私達は証明出来ているから。」


大輝「国にバレたら命が危ないから、人に言ってはダメだからな。」


雄太「まず旅行会社が抹殺にくるでしょうね。アニメの何とかドアーみたいだ。」


美雪「それとは違う。あれは出来ないよ。私のは、一度その場所に行かないと繋げられない。瞬間移動で行くのは可能だけど、向こうに何もないか確認出来ないし、人に見られたら終わりだから交通機関使って行くしかない。繋ぐ時はエネルギーを吸い取られるの。分離する時はエネルギーを放出する。危ないから何重にも保護してある。」


佳代「ねえ、アルバム見る?」


雄太「はい。是非。」


大輝「懐かしいな。美雪のお母さんはとびきりの美人だったからな。初めて来た日の写真だ。これが初めて村を訪ねた時。」


雄太「へー。あっ!弁護士さん達若いですね。」


佳代「お母さんのスマホからたどって連絡して出かけたの。今の始まりね。」


大輝「これは、中学の運動会だな。」


雄太「たしかに。。デカい。」


美雪「いやだ。恥ずかしいよ。。」


佳代「この時は妖力があることは本人が知らないから、世界記録クラスで走って。。かなり困ったわね。」


雄太「彩菜さんと仲いいですね。」


美雪「保育園で出会って。。毎日のように遊んで。勉強して。ずっと仲良し。」


雄太「美雪さんは幸せだな。私はおばあちゃんだけだったから、写真もない。でも、おばあちゃんは大切にしてくれた。」


大輝「亡くなった時はショックだっただろう。」


雄太「そうですね。。柔道だけが支えだった。」


美雪「私達は誰も血は繋がっていない。けど家族。あるのは愛情だけ。でも、それすら無い家族もある。だから幸せ。」


雄太「本当のお母さんは?」


佳代「最後のぺージにあるわ。信じられないくらい美人よ。ほら。」


雄太「うわー。。」


大輝「すごいだろう。美雪もすごいがな。」


佳代「彩菜のお母さんがメイクしたら美雪は超えるわね。」


雄太「お父さんも優しそうだ。今住んでいる家なんだね。」


佳代「温泉完成した時に記念で一緒に入って。夢みたいだったな。」


大輝「そうだな。嬉しかったな。」


雄太「えっ?あの。言っていることが良く分からないんですが。。」


美雪「ああそれもそうか。あのね、妖怪は死者と会えるの。特別許可で死者村から連れてきたの。時間の流れが違うから、すごく神経使ったわ。」


雄太「会えるの!すごいなー。信じられない。全く常識が通用しない。」


佳代「聞いた時はびっくりした。実際に会ったら涙が止まらなかったわ。」


美雪「また頭混乱させたかな。後で理屈は話すわ。ねえ、街歩いて昼食を食べましょうか。あの和食屋さん。やってるかな?」


佳代「あそこは大丈夫。2日ならやってるはず。」


大輝「では、打ち合わせしよう。経費にするからな。」


雄太「温泉の打ち合わせですか。分かりました。」


佳代「まじめね〜。ただ話するだけよ。料理のアイデアも参考にしたいしね。」



 家族で街を歩く。


雄太「確かに知ってる街だ。けど、あまり来なかった。」


佳代「近いの?」


雄太「駅2つ分西です。」


大輝「ああ。俺の会社の近くか。」


雄太「何の会社ですか?」


大輝「建設会社。」


雄太「ああ、あの会社ですか!すごい。尊敬します。彩菜さんのお父さんの会社に売却したのですよね。いや〜。すごいなー。」


佳代「意外な接点ね。」


雄太「出会ってはいないですね。かろうじて知ってるだけです。」



 家族で外食。雄太には初めての経験だった。久しぶりにアルバムを見る家族と初めて見た雄太。家族の歴史を知り、家族に加わりたい気持ちが強くなった。

 夕食はインスタントラーメンとカレーと質素だったが、雄太には何を食べても幸せに感じた。


 美雪に理論をいろいろ教わった後は、大輝と2人で寝ながら話をした。


 雄太は、必ず美雪と幸せになると強く決意した。



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