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妖女 美雪  作者: ぴい
125/131

「第125話」苦悩

 大晦日から3日は温泉を休みと開業時から決めていた。


 各家庭は大掃除をすると1日は過ぎていった。




 医師と一緒に出かけた美雪達が帰ると、新たに加わった3人を除くメンバーが既に美雪の家に集合していた。


 久しぶりに長老が捕まえてきた天然ウナギが夕食になり、みんなで食べる。


彩菜「こんなにウナギ捕まえて大丈夫なの?」


長老「前より増えてたぞ。たまには捕らないといかんな。」


彩菜の母「やっぱり美味しい。別格だわー。」


佳代「無理やりな理由ね。甘酒あるから、美雪達も飲む?」


美雪「うん!だけど、かき入れ時に休んでいいのかな?」


大輝「初めから決めてたことだ。やっぱり正月は家族と過ごすべきだ。温泉に来てる場合じゃない。だから、来れなくするのが正解さ。」


彩菜の父「もし、予約取ってたとしても埋まらなかったと思うよ。それに理由つけて休めるのは、年末年始しかないだろう。夏休み前の点検の5日間と年末年始しか休みない。サービス業だから仕方ないけど、働き過ぎだな。」


彩菜の母「妖怪のみんなも仕事上達したし。そろそろ週1日交代で休んでもいいと思うわ。そもそも妖怪が週1日休んでるのよ?」


彩菜「私達は大学行ったりして休んでるからな。」


彩菜の父「それは休みではないぞ。4日の宿泊も少ないな。来年は延ばしたほうがいいんじゃないか?30日も少なかった。30日から5日まで休みでいい。」


美雪「宿泊は休みでいいけど。30日は日帰りのお客さんは多かった。」


彩菜の父「確かにな。温泉だけなら、負担は少ない。宿泊を30日から5日。温泉は31日から4日を休みにしようか。」


美雪「来年はそれで行きましょう。働く過ぎも幸せにはならない。何か役員会みたいね。」


さよ「ちょっといい?モニターに映すわよ。夏休みから急に宿泊の稼働率は上がった。夏休み開けに更に稼働が上がったのは、メディアが取り上げたのと、リピーター率が上がっているからなの。秋の連休に研修室すら個室に変更して、稼働率100%の日があった。年末まで平日は80%。週末は90%を超えている。予約も1ヶ月前に埋まるようになった。稼働率低下要因はキャンセルだから、キャンセル料入るから実は一番美味しい。このキャンセルを埋めることが出来たら稼働率は100%を超えるの。前日と当日キャンセルの穴埋めが出来るようにホームぺージ見直したら利益は増える。」


彩菜の父「怖ろしい能力だな。キャンセル出たら電話で問い合わせして先に入金したら宿泊可能に変えるか。」


美雪「採用よ。みんな休みも仕事してるじゃない。さよさん。終わり!飲むわよ。」


さよ「もう!利益率の内訳もあるのに。。また今度話すわ。」



弁護士「みんな、飲む前にちょっといいか。」


医師「どうした。」



弁護士「いや。さよには言ったが。。悩んでてな。」


大輝「どうしました?」


弁護士「武なんだが。。私の実子なんだ。武はまだ知らない。」


さよ「亡くなった奥さんとの子らしいの。雄太さんと亮太さんは、新しい旦那さんの子なんだって。」


弁護士「言うべきなのか。。言わないほうがいいのか。私は武を幸せには出来なかった。仕事ばかりで家庭を顧みなかった。不幸にした。離れ離れになったから人生を見つめ直して、村に越したんだが。」


彩菜の母「それは、私達が口を挟む問題ではないけど。。唯一の肉親よね。知ったのに言わないで、弁護士さんが後悔しないのかな。」


さよ「あの。法律では、私と武さんは結婚は出来るから、そこは問題ないからね。」


医師「結婚したら、ややこしいが親子になるのか。」


美雪「私と逆だからな。。あなたは私達の子じゃないって。悲しいとか無かった。大切にされたという事実があるからね。ただ血縁が重要とも感じないわ。ここにいるみんな同じくらい大切よ。」


彩菜の母「私も最初から知ってはいたけど、誰とも血は繋がってない。けど大切な家族だった。すごく難しいわね。でも弁護士さん死ぬ時に言わずに死んでいけるの?過去を反省したら未来は開けるわ。」


佳代「結婚が決まる前に言わないなら、一生言うべきではないと思う。」


さよ「そういえば、私、大学受験はやめることにした。畑も大学行かなくても美雪さんと彩菜さんから学べる。大学でいい相手見つける目的もあったけど、目的のどちらも不要になったの。武さんのことは私からは何も言わない。待つ。けど2人のために出来ることは全てやるつもり。」


彩菜の祖母「弁護士さん。自分が正しいと思う通りにしな。私達が全力で支えるから。これは自分で答えを出さなくてはいけないこと。まだ日はあるからね。」


弁護士「皆さんありがとう。言うよ。いつかは分からないが。せっかくの休みだ。楽しく飲もう。武が来た翌日には知っていた。今知った訳ではない。しかし、社長は立派だ。見事だよ。」  


美雪「社長はやめようよ。おばあちゃん。静かね。」


長老「いや。なんで、こう。。過去に繋がりのある人間が集まるのかな?ってな。久美子といい。不思議じゃ。もちろん雄太さんと亮太さんは関係ないとは言えるが、彩菜や両親から久美子にたどり着き、雄太さんと亮太さんから弁護士さんは息子にたどり着いた。分からん。こうなると、わしの娘の旦那は誰と繋がりがあるのかのう。」


美雪「ないわよ。雪。。お母さんに繋がっただけ。遡るとしても何代も前の誰かだからね。」


彩菜の父「妖怪がバレないように力が加わっているというのか。引き寄せられたというのか。。不思議なのは確かですね。」



さよ「幸せのためよ。私、全く無関係よ。美雪さんに嫉妬したら、こうなっただけ。妖怪が広まらなくて良かった。それでいいわ。でも、血が繋がってるのは彩菜さんと両親。おばあちゃんと彩菜さんのお父さん。美雪さんと長老。弁護士さんと武さんだけでしょう?この中で多数とも言えないわ。長老。今日は何を飲むの?」



長老「ん?気分は雪だな。」


医師「雪さんから始まったようなものだからな。」


弁護士「それがいいな。」



 気持ちに何となく区切りをつけ、切り替えて大晦日から新年まで宴は続いていった。


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