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妖女 美雪  作者: ぴい
122/131

「第122話」給料

 翌日月曜日の午前に役員会が開かれた。役員以外は一斉に大掃除をした。妖怪達の妖力は大活躍で短時間でピカピカになり、除菌もしっかり出来たようだ。


 彩菜の家族が夕食を食べながら話す。


彩菜の母「役員会はどうだった?」


彩菜の父「まあまあかな。大輝さんと美雪さんが給料上げる議題を出したが、投資額回収するまでは増やさないと2人以外全員反対で否決したよ。」


彩菜「まずは元取って、内部留保増やさないと認めない。美雪が見つけなかったら今はないのに、更に還元って要らないわ。年収600万円ってサラリーマンなら役職者なら確かに物足りない額よ。責任もサラリーマンより重い。けど家族所得が1800万円の家庭なんてなかなかない。おばあちゃんはもらわないけど、畑の利益配分が多くなったからね。私達も畑の収入はあるからね。」


彩菜の母「畑の収入だけでギリギリ生活は出来てる。何とか給料には手出さなくて済んでるわ。」


彩菜の祖母「あなた達の家を売らなくても済んだ。息子の退職金も残ったんだろう?最初の最悪想定より良い状態なんだから十分だろう。」


彩菜の父「畑だけで生活出来るというのは自信にはなったな。だが、天候に左右されるからな。しかし、秋は宿泊客の予約が増えたな。日帰りより単価がデカいから大きいな。研修施設もそれなりに利用されてる。あれ平日に利用されるから非常に貴重な存在だよ。大輝さんのアイデアはすごいと思う。」


彩菜「お父さんとお母さんの料理も必要不可欠な存在って大輝さん言ってたわよ。みんな不可欠よ。私が一番役に立ってないわね。」


彩菜の父「美雪さんにとっては彩菜の存在は絶対だ。雄太さんがいようが、それは変わらない。ところで結婚はどうするんだ?」


彩菜「私はいつでもいいけど、雄太さん奥手だから、美雪と雄太さんがまだまだだから。卒業区切りでもいいかな。」


彩菜の父「まあ、相手は社長だし。今は見習いだ。気兼ねするなというのが無理だと思うよ。」


彩菜の母「あなた、家はどうするの?」


彩菜「考えてないな。ここでもいいかな?亮太さんはいいみたい。」


彩菜の父「畑潰して建てるか?」


彩菜「私達の始まりは畑。だから畑は譲れない。もちろん温泉も今は欠かせない。だけど、いざとなれば温泉施設の向こうに中途半端な土地あるし。」


彩菜の母「そういえば、道路の反対側は?温泉水脈の確保で買ったんでしょう?」


彩菜「あったわね。林を開拓しないといけないわ。家は建てれるけど。そんなお金使うより、亮太さんは家族というものが大事なのよ。」


彩菜の父「そんな過去があったら。。確かにそうかもしれないな。」


彩菜の母「しかし、今のままだと、あなた達200歳まで生きるんじゃない?ヤバくないかな?」


彩菜「30年とかで温泉売却したらいいし、妖怪村に引っ越ししたらいいから。」


彩菜の父「一応だがな。歳を自在に取る。つまり時間の流れを早くする技は既に確立しているんだ。未来に行くのも実験で出来た。危ないから研究としては確かめられた時点で中止した。違う土地に移り永久に生きることも可能だ。子供にも戻れる。だが、幸せになるとは思えないな。」


彩菜「そんな技を確立してたの。。温泉やめて投資で稼ぐのも可能か。。でもね、全く魅力感じないわね。」


彩菜の父「弁護士さんの妖力がきっかけだ。だろう?結局はそうなるの。今の生活が魅力的だからそんなのは価値ない。世界一の金持ちにもなれる。宇宙を滅ぼすことも可能さ。器のないヤツは持ってはいけない技術だよ。美雪さんは立派だ。」


彩菜の祖母「いろいろ苦労した長老は偉大だよ。美雪さんより優れた面はかなりある。頭の良さは美雪と変わらないだろうな。あの家系は天才だよ。」


彩菜「お母さんもおばあちゃんも美雪に命助けられたんだよ?私だって。長老が偉大なのは当たり前。美雪が産まれたのは長老あっての話だしね。」


彩菜の母「亮太さん達は?」


彩菜「給料なら住み込みだから月25万円と畑の利益を少し。本人は、もらいすぎだって。卒業したら私達と同じか家賃分減るくらいに増える。妖怪も投資分返ったら上がるわ。」


彩菜の父「ボーナスで調整だ。急にお客さん減ったら給料は減らしにくい。あまり企業としては良い方法ではないが、会社に良心があるから問題はない。しかし、監査役も一流。全て一流だ。非常に強い組織だ。これで成功しないはずがない。」



彩菜「おばあちゃん。畑任せっきりでごめんね。」


彩菜の祖母「この歳で仕事があるのはありがたいよ。温泉の手伝いも楽しいし。彩菜達やさよさんが出荷してくれるから問題はないよ。」


彩菜の母「雄太さんと美雪さんを何とかしないとね。全然進展してない。美雪さんは温泉の仕事をし過ぎだと思う。ちょっと大輝さんに相談するわ。2人が自由な時間を作ってあげないと難しい状態だと思う。ああ、明日も忙しいし。。寝ましょうか。」



 美雪の時間を作ることを皆考えながら眠りについた。



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