「第118話」長男
お互いの過去のことを理解し合うと、話題は徐々に兄に切り替わっていった。
美雪「そういえば、お兄ちゃんは何してるの?何歳?独身?」
雄太「なんか。。えらく食い付きますね。兄は東京で働いて、28歳になったばかり。人格は私達も尊敬するくらい立派です。だけど、会社辞めたいみたいです。たぶん、兄もこの環境は気に入るだろうな。。」
亮太「間違いないな。あの、兄だけ例外認めてもらえないでしょうか。」
美雪「ちょっと考えるけど。。たぶんダメでしょうね。例外はね。でも例外じゃなければいい。」
雄太「えっ。どういうこと?」
美雪「もしもし、悪いけど戻って来て。今すぐよ!」
大輝「まあ、例外についてはみんなで考えてみるよ。順調なら10年かからないで負債なくなるな。」
雄太「あのー。かなり大規模ですが、融資はいくら受けられたのですか?」
大輝「ああ、すまない。言い方が悪かったな。融資は受けてないよ。私は会社を経営していたんだ。温泉見つけたから会社売却したんだよ。だから、100億回収したら十分投資分返るってこと。最近の集客から予想すると、みんなの給料や税金を払っても低く見積もっても10年で回収出来るかな?」
弁護士「お邪魔するよ。。大輝さん、5年だよ。なるべく見ないようにしてるがな。金額デカいから、やっぱり気になってな。おや?旦那さんは今日やってきたんだな。」
彩菜「弁護士さん、知ってたの!」
弁護士「ああ、未来を見たら偶然だけどね。あまり言うと未来変わるらしいから言わなかった。それに人生がつまらなくなるから、あまり見たくなない。ただ仲間の危機だけは起きないかだけは確認してる。その時に偶然、旦那さん見たんだ。」
雄太「あのー。。未来が見れるのですか!つまり、妖怪ってことですか!」
弁護士「残念ながら私は人間だ。美雪や長老が妖力を身体に注入したら、知らないうちに能力が使えるようになった。」
彩菜「自分で妖力使える人間は弁護士さんだけよ。他の人は満タンにして溢れさせないと力は使えない。」
さよ「はあはあ。。。美雪さん。。何よ急に。どうした。。うわー。ひょっとして、彩菜さんと美雪さんの彼なの!カッコいい。いいな〜。」
亮太「うわー。し、写真集の。。」
雄太「なんだ。知ってる人なのか。むちゃくちゃ可愛い子だな。。」
長老「ほら。」
雄太「うわっ。ヤバ。。幼いのに、こんな格好!」
美雪「彼女はさよさん。あなたの好きな妖怪よ。26歳になったのかな?もう良く分からないね。」
亮太「何で?」
彩菜「実は、ここは時間の流れが5倍遅い。妖怪村は10倍遅い。ねえ、おばあちゃん何歳?」
長老「何歳なのかな?正確な年齢は813歳じゃないかな。」
雄太「マジですか。。尊敬します。」
長老「そ、そうか?なんか、再婚も悪くないな。」
佳代「コラ、美雪の幸せ取らない!」
さよ「私は、264歳かな?」
彩菜「あれ?前、256歳って言ってなかった?」
さよ「ああ。街に出かけたり、温泉施設とかは時間を変換して加算してたの。でも、あまり意味ないから、もう正確に計算するのやめようかと思って。」
美雪「そんな計算してたの!すごい複雑じゃない?。。まあいいか。つまり、お兄ちゃんとさよさんがくっつけば例外じゃなくなるでしょう?魅力ないはずがない。童顔に最強ボディーなんだから。」
亮太「なるほど!呼ぶ。週末に呼びます。けど。。中学生か高校生くらいに見えるな。。」
彩菜「童顔美少女。けど私達より大人の26歳。すごいでしょう?ああ、身体だけじゃないわよ。さよさんは天才だからね。既に人間の戸籍も取得したから形式上は人間なの。まだ、人間界に来てたったの1年。それで弁護士資格取ったのよ?すごくない?英語も普通に会話出来るから、外人さんの対応でも大活躍よ。」
雄太「いや〜。すごいな。。それでこの身体。」
さよ「あっ!次のぺージはエッチだから見ないで〜。」
美雪「酔っぱらうと脱ぐから中身も見れるわよ。あれ?もしかして。。さよさんのほうがいいのかな?妖怪だし。」
雄太「いやいや。美雪も妖怪だから。僕は美雪だけ。」
弁護士「ちなみに中身は更にいいからな。」
雄太「そうなんですか。。」
彩菜「あら?迷ってるような。。」
さよ「もー。恥ずかしいよ〜。でも、美雪さんにも彩菜さんにも。。おっぱい負けてるからな。。」
亮太「そうなの!全然そんな感じには見えないな。」
彩菜「ああ、私のお母さんが下着のプロだからね。分かる訳がないわ。」
雄太「いや、美雪さんだけです。」
彩菜「美雪、何とかおっぱいで取り戻せたわね。」
雄太「違いますよ。」
弁護士「まあまあ。しかし、無理やり丸く収まるもんだな。アパートさっさと引き払って温泉住み込みのほうがいいだろう。」
大輝「今週いろいろ学んで来週気持ち聞かせてくれ。」
雄太「気持ちは決まってますよ。断る気はないですけど。。断ったら殺されるんでしょう?後は問題は兄だよな。。」
長老「殺しはしないぞ。永久に監禁するだけじゃ。」
彩菜の母「それは、殺されたのとあまり変わらないわよ。」
さよ「そうそう忘れてた。私、来年農学部受ける。」
美雪「えーっ!」
医師「なんだ。ずいぶん騒がしいな。。おや?見慣れない顔だな。」
彩菜「私達の婚約者。」
医師「つまり。。話したのか。。ん?君たち双子か?」
美雪「ええ、みんな話をしたわ。あのね、彼らの両親も、お母さんと同じ場所で亡くなったそうなの。」
医師「そうか。。それは。。苦労したのだろうな。」
弁護士「そんなことあるのか!いやー。それは辛かっただろうな。。」
大輝「ということは、同じ街に住んでいたのか?」
彩菜「隣街らしいわ。あちらは、ちょっと田舎よね。」
弁護士「いい男じゃないか。じゃあ、お祝いだな。」
医師「よーし、派手にいくか!2人は今日はわしのところに泊まりなさい。」
美雪「ちょっと夕食の鮎取ってくる。雄太さん一緒に行きましょう。」
雄太「ああ。釣るの?」
彩菜「お父さん。亮太さんは料理か得意なの。家族の担当だったんだって。」
彩菜の父「ほう。一緒に作るか!」
美雪が見たこともない技で鮎をバケツに入れる。
雄太「うわー。すごいな。。あっ!そうか。。だから、あいつら転んだのか!僕が助ける必要無かったな。。考えたら、2人はすごく冷静だったな。。つまり、余裕だったのか。まあ、当たり前だな。」
美雪「まあ、確かに消し去るのも簡単よ。能力がある者には責任が伴う。だから、やらないけどね。やらなかったから雄太さんを好きになったし。」
雄太「僕が助ける必要はなかったのか。」
美雪「必要だったわよ。助けたから好きになったのよ?しかし。。最近、鮎取りすぎだな。しばらく休みにしないといけないわね。」
雄太「結構いるじゃない。」
美雪「だいぶ減ったわ。やっぱり村の生活はいいわ。街の嫌な圧迫感ないから本当に好き。妖怪の血のせいなのかな。。でも、彩菜の家族も気に入ってるか。。いい?私達、5倍時間進むの遅いエリアにいるから正確な老化が分からなくなるからね。大学とかは普通だし。バラバラだからね。ただ、間違いなく長く生きられるけどね。」
雄太「何で時間の流れが違うのかな?」
美雪「それは、先生や彩菜のお父さんと研究して解明したわ。けど、ものすごくややこしいから、また話すわ。さあ、戻りましょう。」
さよ「ねえ、鮎取れた?調理は任せて。」
みんなの人生が急激に動き始めたようだ。