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妖女 美雪  作者: ぴい
116/131

「第116話」配達

 両親を温泉に招待した翌日、美雪と彩菜は死者の村に出かけた。


雪「あら。」


彩菜「調味料持って来ました。」


美雪「調子悪いとかない?歳とったとか。。」


雪「無いわね。あなた。」

純一「どうした?」


雪「身体に変化ないかって。」


純一「無いな。全く問題ない。この間は最高に幸せだった。」


美雪「良かった。大丈夫とは思ってたけど。不安はあったから。」


純一「温泉はいつ開店するの?」


美雪「10日後ね。緊張してる。みんなの生活かかってるから。」


純一「なんか畑だけで生活出来そうだったけどな。母さんは、ジャムとか作って、利益率さらに上げたからな。」


美雪「未使用の瓶いっぱいあったのそれなんだ。」 


彩菜「出来るかな?」


美雪「温泉落ち着いたら考えましょうか。」


彩菜「なんかさー。学校行く意味あるかな?」


純一「勉強して損はないぞ。」


彩菜「農業の勉強は確かに役に立ってる。けど、温泉上手くいったら必要ないし、農業の知識は身についてるし。お父さん。美雪は東京の日本一の大学合格したんだよ。しかも成績1位で。大学卒業レベルは既にあるんだって。」


純一「それなら要らないかもな。」



美雪「温泉とどちらか選ばなくてはいけなくなったら大学やめるけど。。問題ないなら卒業まで行くわ。また来るね。元気でね。」


純一「わざわざありがとうな。気をつけてな。」



 家に帰ると長老も心配していた。


長老「おお。美雪。どうじゃった。」


美雪「全く問題ないみたい。」


長老「良かった。」



美雪「お母さん。たまには街で過ごさない?」


佳代「いいけど。私は結構行ってるわよ。」


美雪「温泉始まるといけなくなるし、たまには行きましょう。」


彩菜「家も話してみる。」


美雪「じゃあ、収穫終わったら、そのまま向こう行って、泊まったら。明日もどろうか。」



 みんなで家に出かけた。


彩菜「この畑から始まったのね。」


美雪「そうね。こんなの想像してなかったな。」

 


彩菜「こっちいるかな?」


美雪「お父さんが言ってた。どうしても売る必要がある時までは残すべきって。噴火するかもしれないし。美容院も宅急便も。今は必要ね。」


彩菜「夜は家に泊まる。今日はこちらで家族団らんね。」


美雪「来週から学校始まるし。忙しくなるわね。」



彩菜「今頑張らないでいつ頑張るの?ってことね。」



彩菜の父「彩菜。帰るぞ。」


彩菜「明日収穫あるから午後3時には帰らないと。」


彩菜の父「分かった。」


彩菜の母「何食べる?」


彩菜「んー。何でもいいかな?美雪。また明日ね。」



 両家は家族団らんの1日を過ごした。


※※※


長老「今日は、さよと2人だけか。」


さよ「私がごはん作る。」


長老「いいもの食べ過ぎだから、そうめんにしよう。」



 軽い夕食のあと、2人で日本酒を飲む。


長老「さよ。お前は人間と結婚するのか。」


さよ「相手が人間ならそうね。私、人間として生きる資格は取ったから、雪さんより恵まれているわ。」


長老「赤ちゃんは難しいぞ。雪もなかなか出来なかったらしい。」


さよ「子供が出来たら完全に人間になりきることも出来る。けど、妖怪が嫌なわけじゃない。だから、妖怪と理解したうえで結婚してくれる人がいい。長老が心配する気持ちは分かる。けど、私の幸せは人間界に来てからなの。それは長老も同じでしょう?美雪さんが道を開いてくれた。誰も不幸にはなってない。確かに妖怪がお金で争うのは不安はあるわね。」


長老「人間界が幸せなのは否定出来ないな。わしはお前を見届けてはやれない。人間界で生きる唯一の妖怪になる。それは心配だぞ。お前、そういえば妖力の勉強はしないな。」


さよ「風って役に立たないから。。他の妖力なんて使えないし。でも水の中で風の妖力使うと水の流れを自由に操れるのが分かった。畑も耕せそう。だから勉強はしてる。使い方のね。結婚したら、両親に報告したいな。」


長老「いよいよ温泉始まるな。」


さよ「おばあちゃんは何するの?」


長老「特に決まってない。人手が足りないところの応援だって。」


さよ「それって。結構重要な役割よ。頑張りましょうね。事件、事故が怖いって美雪さんが言ってた。けど、弁護士さんがチェックするって。内緒だからね。」


長老「分かった。今日は寝るか。」


さよ「そうね。お風呂は朝かな?」



 久しぶりに2人だけで眠った。さよには不思議なあたたかさがあった。

 これが家族なのかな。長老。ありがとう。


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