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妖女 美雪  作者: ぴい
113/131

「第113話」豪食

 午後からは、彩菜の両親も加わり、しゃぶしゃぶの用意で大忙しだ。


 美雪達は、彩菜の父に収穫を教えながら、売れた分の梱包発送をする。


 全ての発送作業が終わったが大人数でかなりの時間がかかる。


美雪「時間短縮しないとマズいな。」


彩菜の父「さんざん会社でやってきたから。。そうだな。50%短縮は可能だね。この人数になると、リーダーは作業してはいけない。ちょっと作業方法まとめるから、明日やってみよう。」



彩菜の母「お父さん。終わったなら手伝いお願い。」


彩菜「先生の奢りなのに、先生手伝いしないんだ。」


彩菜の母「本命の肉や刺身を遠くまで仕入れに行ったわ。すごい美味しいらしい。」



 夕方に先生達は帰ってきた。


大輝「ただいま〜。遠かったなー。これは最高の材料だよ。あんな値段見たことない。」



 男連中が刺身を切ると奥さんとさよが盛り付けた。



先生「お手伝いありがとう。今日は皆さんに還元したいから奮発しました。食べましょう!」


全員「いただきます。」



 和気あいあいと豪華な夕食が始まる。


佳代「マグロは冷凍よね?アニサキスが心配で。」


先生「大丈夫だ。そこは確認して買った。」


大輝「漁師と直接交渉してたから。すごい金額だったな。確かに凍ってた。ああやって解体するんだな。」


彩菜の母「なに、この肉。。美味しいわね。初めて食べた。」


さよ「うわーっ。美味しい!今までのと全然違う。」


美雪「肉がこんなに美味しいなんて。。」

彩菜「刺身すごい!」


彩菜の祖母「昔、築地の中なら食べたわね。ここまでの味はかなり奮発したね。」


長老「久美子。わしは連れてってもらってない。内緒なのか!」


彩菜の祖母「あなたに会う前よ。いろいろ1人で行くの好きだったのよ。肉は初めて。刺身は築地で近いのは食べれたの。」


彩菜「おばあちゃん。食べ物の嫉妬は、さよさん並ね〜。2人とも妖怪村に閉じ込もったら?」


長老「すみません。許して下さい。」


さよ「あのねえ、閉じ込める権限は長老しかないから。今の村長にもないんじゃないかな?長老はものすごく偉大で絶対なんだからね。」


医師「こっち来てから一度も感じたことないな。そんな絶対君主なのか。」


美雪「そのわりに、私達と交流するの許可取ってたじゃない。」


長老「友好的に交流するのは命令ではダメじゃ。全員一致。それにせっかく村長辞めたから、戻りたくない。顔を立てたんじゃ。あまりに美味いな。先生ありがとう。」


佳代「ちょっと!泣かなくても。。」


彩菜の母「食には貪欲だから、そっとしておけばいいわ。」


彩菜の父「そういえば、よく当てましたね。万馬券1点買いって。人生勝負じゃないですか。」


医師「命がけという金額ではないぞ、デカいレースは10万と決めてるんだ。年3回かな?」


佳代「春と秋と年末ってことね。それは競馬やる人の掟みたいなものね。年末は全部行く人いるよ。」


医師「10レースを弁護士さんが当てて、11レースはコレって言うから、買ってやるよって。長年馬やってる俺からしたら買わない組み合わせだ。弁護士さん3番の出走取り消しまで当てたからな。」


彩菜「えっ。どうして?」


弁護士「なんかな。。最近映像が浮かぶんだよ。それを言っただけ。選挙の当選とか、為替とか当たる。」


美雪「えっ!つまり未来が見れるの?」


弁護士「調子にもよるけど、かなり見える時はあるな。」


長老「もしかして、お腹空いた時じゃないか?」



弁護士「ああ、確かに!長老すごいな。」



彩菜「長老。隠してるわね!」


長老「いや、隠してはいない。わしが生まれる前に未来が見れる妖怪が1人だけいたらしい。誰も持たない妖力だったみたいだが、妖力出すとすぐに消えてしまうとか。。未来が見えるだけで、攻撃とか出来なかったと聞いたな。」


美雪「死者の村にいるの!」


長老「もういない。」


彩菜「消えちゃったってこと?」


長老「順番で生きた者の世界に行った。どうも前の記憶や妖力は消えるらしい。別の妖力になるようだ。生まれ変わりは誰かは分からないし、見つけてもその妖力は分からない。過去に1人だけの伝説の妖力だ。」


 

 食事の片付けを終えると、美雪が弁護士さんにお願いする。


美雪「弁護士さん。妖力出して。」


弁護士「いや、出せないよ。」


美雪「私が入れるから、指から出すイメージ。」



弁護士「こうか?」


美雪「あれ?弁護士さん。妖力減ってるよ!自分で使ってるわ。先生。サプリお願い。」


先生「3つならカバンにあるが。」


美雪「私も1個ある。たぶん足りる。」



 サプリを飲む美雪。


美雪「弁護士さん。入れるわよ。」



 タンクのデカい弁護士さんは美雪のサプリを全て使うと、ようやく満タンが近くなった。


美雪「先生。サプリもらうね。次のサプリで満タンになるから、出るわ。入れるよ。」


 弁護士さんの指先が金色に光る。


さよ「うわー。綺麗。」


長老「金か。。初めて見る。。すぐに消えるな。これが伝説の妖力か。」


彩菜の父「美雪。黒の妖力と闇の妖力で保存出来ないか。」


美雪「おばあちゃん。変わって。」


長老「分かった。」


 長老が妖力を注ぐと金色に指先が光る。美雪が素早く闇の妖力をくっつけると眩しい光を放ち、消える。


美雪「あっ。。ヤバい。」


大輝「どうした。」


美雪「もう戻ったけど。。周りの妖力が全て消えた。」


 美雪は今度は黒の妖力を使うと、閉じ込めることは出来そうだ。


彩菜の父「なるほど。金は黒の中だと安定するんだ。金と闇は磁石のプラスとマイナスだな。相性がいい。悪いとも言えるな。弁護士さんの身体から出ると消える。つまり、空中では不安定なんだ。美雪。黒の妖力で透明な箱と真っ黒を用意して閉じ込めなさい。」


美雪「分かった。やるね。」


 かなりの妖力を閉じ込めることに成功したが、透明の箱は少しずつ消えていく。


長老「黒の箱は消えてないな。」


彩菜の父「はっきり分からないが、光の当たる差しかない。光で分解されるな。大気でも消えるかもな。とにかく不安定物質だ。」


大輝「これは何の力?」


美雪「おそらく。私が探し求めていた、時間を進める妖力。だけど、今のままでは確かに何かの時間を進めるとかには使えない。未来が見えるだけって分かるな。弁護士さんが歳取るの早くなってないね。もし、爪が早く伸びるとかあったら言って。妖力抜くから。」


さよ「こんな貴重な妖力。。私、やっぱり弁護士さんの赤ちゃん産まないと。」


彩菜「何でそうなるの。あなたじゃなくても弁護士さんの子供なら誰でも同じじゃない。弁護士さん。美雪どう?」


弁護士「いや〜。赤ちゃんの時から知ってるからなー。大輝さんにどうやって報告するの。」


大輝「美雪が決めたらいいけどな。」

佳代「そうね。幸せならいい。」


彩菜の母「私より大胆だわ〜。すごいなー。」


さよ「美雪さんなんかに勝てない。。」


長老「お前。本当に閉じ込めるぞ。死者の村に閉じ込めようか?」


さよ「だって。弁護士さんの遺伝子は残さないと。妖力が高い人にひかれるのは妖怪の本能よ。私、すごく欲しいもん。」


長老「分からんことはないが、2人が愛し合ってじゃない限り許さない。」


医師「弁護士はモテモテか。いいな。」


さよ「先生は人生を救ってくれたから、私。赤ちゃん作ってもいいわ。」


美雪「おばあちゃん。さよ。閉じ込めるべきよ。」


彩菜の父「まあまあ。さよさん。もっと恋の勉強しなさい。さよさんは温泉経営には欠かせない人だ。」


さよ「努力します。」


長老「さよ。いろんな男の子供産んじゃダメだ。」


彩菜の祖母「本当にダメなのかね?」


佳代「さすが、一番大胆ね。」


彩菜の父「今の世の中にないだけで、間違いではないかもね。ただ、複数を愛すって出来るのかな?私には分からない。」



美雪「いや〜。そっちの話題されても。。経験ないからなー。まず妖力調べましょうよ。先生も協力して下さい。」


弁護士「俺、妖怪村ではモテモテなのか。。何か嬉しいな。」


さよ「先生は既にモテモテよ。病気治してるから。本気で狙ってる妖怪いるわ。」


医師「そうなの?俺も嬉しくなってきた。」


さよ「も〜。2人とも産むわ。」



美雪「分かった。さよさんって。。ただの欲張りよ。」


長老「情けないけど、そうだな。さよ。お前は本当に愛した1人だけだ。そうでないとお前は幸せにはなれない性格だ。」


さよ「頑張るから閉じ込めないで。」


美雪「明日から妖怪が来るから、皆さん。温泉で働く研修のご協力をお願いします。」


医師「じゃあ、少しだけ飲んで解散するか。」



 夢の完成の可能性のある妖力が見つかり、期待する美雪だった。



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