「第112話」感情
日曜の朝、さよは弁護士さんが夜遅く帰ってきたようで心配になり、様子を見に行った。
弁護士さんは顔に口紅の後をつけ、女の匂いをいっぱいつけて寝ている。
さよ「ちょっと!先生どういうことよ!」
さよは怒りに震えている。
弁護士「さよ。。おはよう。今日は仕事はないぞ。」
さよ「女の匂い。。不潔よ。そんなことするなら、私に何故しないの?」
さよは、カッと頭に血がのぼり、弁護士に馬乗りになると服を脱ぎ始める。
弁護士「おいおい。冷静になれ。」
さよ「なれな〜い!大好きだし、恩人だもん。他の女を抱くなら、何故、私を選んでくれないの?」
弁護士「だから、冷静に。さよ。抱いてないから。お金目的の若いお姉さんとお酒飲む店に行っただけ。だいたい、さよは私には我が子のつもりだ。温泉のビジネスパートナーでもある。みんなに迷惑かける関係になってはいけない。服を着なさい。」
さよ「そうなの!へー、そんなお店あるんだ。。お酒飲むだけなの。。いくら使ったの?」
弁護士「30万。おっぱい触らせてくれたよ。」
さよは、弁護士の手を自分の胸に持っていく。
弁護士「な、何してるんだ!」
さよ「お金払わなくても、タダで触れるのに。。もう!」
弁護士「とにかく服を着なさい。」
彩菜「あらら。。何よ。いつもそんなことしてるの?」
さよ「あの。。いや、これは。。」
弁護士「あのな?さよ。お前は養子で私の子だ。養子を解消しても、結婚は出来ない。」
さよ「えっ!そうなの?」
弁護士「お前、よく試験受かったな。」
さよ「勉強しなかったな。。試験出なかったし。。つまり、私、弁護士さんと結婚出来ないの。。くやし〜い。」
彩菜「さよさん。嫉妬深い女だね〜。美雪の時といい。。弁護士さん困らせたらダメよ。人間になるためには、他に方法なかったのでしょう?だいたい人間は2番目とか言ってるのに、そんなことで嫉妬してたらダメよ。弁護士さんと性を楽しめるようにならないと。ごはんよ。弁護士さんも来たら?」
弁護士「彩菜さんの考え方もすごいな。さよ、昨日の子より柔らかいな。。へー違うんだな。」
さよ「きゃー。何してるの。」
弁護士「嫉妬深いか。。確かにな。お前、そんなことしてたら、いったい何人と。。良くないな。」
さよ「私、直さないといけないのは分かってるの。。」
弁護士「それはそれでいいと思うよ。少しマイルドにならないとな。仕方ない。」
服を着たさよの頬にキスをする。
弁護士「昨日の女の子より、さよのほうがいっぱいしたぞ。キスされたけどしてないからな。さよだけだ。」
何故か落ち着くさよだった。
2人も朝食にやってきた。
長老「さよ。お前、相手が弁護士さんだからいいが、そんな迫り方したら、他の男なら妊娠してるぞ。」
さよ「しないわよ。妖力ない男は妊娠させれないはず。雪さんも言ってたから。間違いないと思う。」
美雪「えっ。。そうなの?。。私どうなるのかな?」
彩菜「そんな相手なら、どうせ妖力入れるでしょう。心配ない。けど。。私達難しいわね。妖怪と妖力のことを隠して結婚は出来ない。美雪、さよさんが振ったから火炎小僧にしたら?」
美雪「考えられない。。でも火炎小僧って、彩菜じゃないかな?何か接し方が違うのよね。」
彩菜の祖母「鋭いわね。村で過ごした時の印象だと、美雪さんは尊敬の目。彩菜は愛情って感じはあったよ。」
さよ「いや!お兄ちゃんはダメ。」
彩菜「また嫉妬して。火炎小僧は無いから大丈夫よ。」
弁護士「しかし。先が思いやられるな。。」
美雪「えっ?つまり、あなた弁護士さんの赤ちゃん。。」
さよ「頭に血がのぼったから。。でも弁護士さんならいいかな。」
弁護士「ダメだよ。先に早く死ぬんだから。一応子供はいるんだ。もう会わないがな。」
さよ「辛い思いしたのね。。大丈夫。私はずっと愛すから。」
長老「お前。妖怪村に閉じ込めるぞ!あまりに危険過ぎる。」
さよ「ごめんなさい。気をつけるから許して下さい。だけど、30万も使うって珍しいわね。無駄遣いしない人なのに。」
弁護士「ああ、あれは先生の奢りだ。何十年も行ってなかった。わしは使ってない。」
美雪「先生にしても珍しいわね。夕食のおもてなしくらいしか贅沢しないわよね。いいことあったのね。ねえ、そんなことに30万円使うなら、誰か抱いてきたほうが安かったんじゃないかな?」
弁護士「目的が酒であって、女はつまみ。競馬で1000万当たって、今まで競馬で使ったお金取り戻したからだとさ。競馬引退出来るって喜んでたよ。」
彩菜「ギャンブルにお金使う人だったの!」
弁護士「宝くじもやらない人だ。競馬だけは男のロマンなんだとさ。よく分からない。」
美雪「私もよく分からないけど。。楽しむならいいんじゃない?」
大輝達も家からやってきた。
大輝「先生競馬好きなんだ。。いくら賭けたら1000万になるの?」
弁護士「10万1点買いで万馬券とか言ってたな。」
佳代「万馬券に10万って、相当なむちゃくちゃよ。」
弁護士「俺が言った馬に賭けたんだけどね。むちゃくちゃなのか?」
大輝「万馬券にそんな額を1点買いって。。お金捨てるようなものですよ。凄まじい運だな。。」
佳代「ねえ、先週のメインレースよね。これ当てる人はバカだわ。こんなの買わないわよ。」
美雪「詳しいわね。ごはん食べる?」
佳代「ああ、もう食べたからいいわ。私は時々1000円くらいやる程度だからね。ロマンって分かるわよ。」
大輝「佳代はお金目的でやってないよな。俺はロマンは感じなかったから1回で辞めた。」
佳代「お金稼ぐなら真剣にやらないといけないものが始まるから。私は1000円賭けたけど戻ってきたから参加してない。あんなの買うって尊敬するわ。」
さよ「戻ってきた?勝ってないのに?」
佳代「馬が暴れて出走取り消し。お金戻ってきたの。あれなかったら倍率更に上がってたんじゃないかな。ちょっともったいないわね。」
弁護士「ちょっと先生と夜の買い出し行ってくるよ。さよ。行くか?女の監視するのなら。」
さよ「信じて待つ。長老に怒られるし。」
佳代「何?どうしたの。」
彩菜が経緯を話す。
佳代「あまり良くないわね。。さよさん。1人決めた人だけよ。」
さよ「弁護士さんでもいいけどな。。」
長老「じゃが、その後で火炎小僧にも嫉妬したぞ。あれではダメだな。」
さよ「やっぱり買い出し行こうかな。」
長老「さよ!」
さよ「こんな人数の買い出し大変だよ?手伝いしないと。嫉妬じゃないよ〜。」
大輝「確かに。さよさん。行こう。俺も手伝う。」
佳代「あなたまさか、さよさんが。。」
彩菜「お母さんの嫉妬もかなりね。お父さんにも頼もうか?」
大輝「これ以上行くと荷物が乗らなくなるから大丈夫だ。」
佳代「だって。裸で馬乗りなんて。。綺麗だし。」
さよ「もうしないから安心して下さい。行ってきます。」
弁護士さん達は買い出しに出かけた。
長老「やれやれ。全く。さよと佳代は妖怪村に閉じ込めるか。」
佳代「私もなの!」
ちょっと納得いかない佳代だった。