「第111話」豪遊
美雪は、月曜から壁の作業に取り掛かり、金曜日までかけるとようやく満足出来る状態になった。完成したものを彩菜の父やさよに試してもらい、問題ないという結局になった。
美雪「これで来週から妖怪に説明と教育が出来るわ。」
彩菜の父「妖怪それぞれの長所を見極めたいから、母さん達も含めて参加出来る人には参加してもらおう。」
さよ「私も、来るわ。弁護士さんには行けないって伝える。先生も診査あるから無理でしょうね。そういえば日曜の夜は先生の奢りらしいね。」
美雪「いいことあったのかな。私、明日は畑作業用の妖力装置作るわ。イメージだと、苗植えるのと収穫以外ほとんど出来ると思うけど。。愛情を与えないと味が落ちる気がするから、作業出来る時はみんなでやりましょう。温泉始まったら畑作業は相当無理だから仕方ないわ。」
彩菜の父「味変わるかな?」
彩菜「先生のメロンと私達のメロンは差があるから、たぶん影響あると思う。」
さよ「愛情かな?もしかして妖力じゃないかな?」
美雪「違うと思う。私、一切畑には妖力使わない。植物にも妖力が入っていないのは確認してるの。」
さよ「だったら。。やっぱり愛情ってすごいのね。」
彩菜「中学からやってきたから、こうやると愛情が伝わるって、何となく分かるの。」
さよ「その勉強がしたいな。愛と妖力は私、頑張っても難しい。」
彩菜の父「妖力はともかく、愛情はそのうち分かるよ。来た時より理解してると思うよ。帰ろうか。」
翌日の昼間は、美雪は様々な畑用の妖力装置を作る。その間に、さよは村に出かけて給料の説明を行い、妖怪から納得を得られた。
村から帰宅するさよ。
彩菜「さよさん。すごいよ。水撒きも草取りも栄養分の補給も美雪の装置がやってくれる。耕すのは前に作ってもらったし。植えるのと収穫だけになりそう。」
さよ「畑の収入維持したまま、温泉経営が出来そうね。」
美雪「梱包も装置作れそうだけどやめた。お客様に出荷する最終状態は確認すべきだと思ってね。」
長老「わしらは何をしたらいいんじゃ。」
美雪「昼間に草取りや水撒きは時間あれば、やればいい。時間ない時に装置使うだけだから。おばあちゃん達も温泉では戦力だから。料理作るのに欠かせない2人よ。」
彩菜の祖母「そろそろお昼作ろうかね?」
彩菜「おばあちゃん。甘口カレー作っておいたから、温めて。」
みんなで昼食のカレーを食べる。
さよ「美雪さん。妖怪に給料は納得してもらったよ。」
美雪「儲かったら、均等に給料はあげるつもりよ。もちろん。私達、創業メンバーがまず上がるけどね。」
彩菜「イチゴの出荷いっぱいよ。昼から収穫しましょう。」
美雪「やっぱりさー。郵便局とコンビニが温泉敷設に出来るらしいけど、発送は前の家の宅急便さんにすべきね。」
さよ「あら。どうして?」
美雪「村の農家の人に見られるから。畑作業してるのすら見られてないから不自然だし。農協とかいい顔しないだろうね。トラブルは避けたいわ。」
さよ「それもそうだね。私、温泉で野菜とか販売したら手数料ないからいいと思ってた。」
彩菜「私達の作る物は、やっぱり美味しいから。。村人は良くは思わないと思うわ。」
美雪「妖怪と違って、人間の妬みとかは陰湿よ。」
さよ「まあ、妖怪は気に入らないと殺すからね。さっぱりしてるわね。」
彩菜の祖母「それはさっぱりとは言わないわね。どちらも良くはないけど。」
彩菜「さっぱりというより、バッサリね。」
美雪「いや、面白くない語呂合わせね。そろそろ収穫始めましょうか。」
みんなで収穫したものを何往復かして夕方までに発送を終えた。
美雪「しかし。。これ以上作っても売れない可能性あるわね。大学で勉強したから、実をたくさんならせる方法も身につけたけど、そろそろ上限のような気がする。」
さよ「需給バランス崩れると価格に影響出るからな。今は注文と釣り合ってはいるね。」
彩菜「みんなで収穫して半日がかりよ。大丈夫かな?」
美雪「箱詰めは手でやるとして。コンベアで家まで流すとかはやるほうがいいわね。」
彩菜「宅急便屋さんに来てもらう?」
さよ「妖怪に手伝ってもらう?食べ物お礼したらやってくれると思う。もし、作って余るなら妖怪に頼むほうがいいかも。」
美雪「今の量のピークは手伝ってもらわないと難しいかもしれないわね。」
さよ「ねえ。免許取らなくていいかな?」
彩菜「自動車免許?」
美雪「必要かもね。けど今からでは開業には間に合わないわよ。」
彩菜の祖母「必要になったら取ればいい。移動なら美雪の装置で出来る。」
美雪「移動先に人がいなければね。確かに必要になったらでいい。」
彩菜「街で取ればいいわ。私達の家から近い場所に自動車学校あったよ。」
佳代「あなた達。夜、おでんにする?」
彩菜「いいわね。お父さん達も呼ぼうか。私、呼んでくるわ。」
弁護士さん達は、飲み屋に出かけたらしく、不参加となったがみんなでおでんを食べ、楽しい夕食になった。
先生達は、2人で派手にお金を使って楽しんだようだった。