「第110話」馬遊
美雪は温泉敷設で妖怪が働けるように着々と準備を進め、目標とする日曜にはほぼ形になった。
彩菜と彩菜の父を呼び、問題ないか確認してもらう。
彩菜の父「これ、妖力ある人間には外から見えなくなる。」
美雪「そうよね。家から温泉が見えなくなるの。どうしよう。」
彩菜「透明にしたら?」
美雪「知らずに妖怪が近づいたらケガするわよ。」
彩菜「例えば。近づいたら赤く光る。更に近づいたら電気ビビビとか。」
美雪「それいい!それでも近づくのは仕方ないわよね。ちょっと作ってみるわ。」
彩菜「出来た?」
美雪「一応。誰が試す?」
彩菜「じゃんけん。ぽい!」
美雪「私なの?作ったのに?」
彩菜「料理は作った人が味見するわ。」
美雪「そういう問題かな?」
美雪が近づくと壁は赤く光り、更に近づく。
美雪「痛、痛、痛た。痛い!」
彩菜「どう?」
美雪「かなり。。耐え難い痛みね。。」
彩菜の父「やってみるよ。。痛っ!。。これはかなりだな。死ぬことはないな。けど。ちょっとなー。高齢の妖怪は危ないかもな。」
美雪「おばあちゃんに試して。。」
彩菜「バカなこと言わないでよ。何考えてるのよ!ん?けどさー。電気の妖力持つ妖怪には効かないんじゃない?」
美雪「あーっ。そうじゃない。。これ結構難しいな。」
彩菜の父「壁の裏と表を逆さまにくっつけたら?入ると戻ってしまう。が妖力あるものだけ。」
美雪「治癒の湯に入ると、その人もなるかも。」
彩菜の父「これは難しいな。。妖怪だけが抜けられないって条件だよね。妖力を条件にしたらダメだね。」
さよ「あのー。特定の者だけってことよね?」
彩菜「あら、いつの間に。」
さよ「美雪さんの叫び声が聞こえたから、飛んできたの。」
彩菜「空飛べるようになったの?」
さよ「急いで来たって意味よ!あのね、妖怪に美雪さんの妖力つけて、それがついている妖怪は通れなくしたら?」
美雪「やっぱり天才ね。それなら、いけそうね。あっ。でも私も通れないんじゃ。。」
さよ「上手く作れば通れると思うけど。。私には分からないな。」
美雪「いけそうね。考えてみるわ。早くしないと妖怪に仕事の説明しないといけないからね。」
彩菜の父「何人くらいで考えてるんだ?」
美雪「100人くらいかな?」
彩菜の父「月3000万円?キツイな。」
美雪「最大よ。お客さんの状況で変えないと。夜だけの信頼出来る妖怪いたらいいんだけど。」
彩菜の父「さすがに妖怪の食事まで作れないから、従業員は弁当を頼むか。」
彩菜「数でバレないかな?」
美雪「妖怪の中で料理得意な者に厨房で作業してもらうかだね。」
さよ「食事付きで、非課税で30万は多すぎよ。20万でも多い。外にいけないならネットショップで買うくらいでしょう?必要ない額じゃないかな?」
彩菜「何を買うのかな?」
さよ「サプリと食料とお酒くらいかな。あと衣類や靴とか。。私が説明して納得してもらうわ。厚生年金も健康保険も税金も取られないのよ?私達が平均50万でも35万とかじゃないかな?もう少しあるかもしれないけど、固定資産税とか自動車税とか更に払うから。。30万円はないかもね。ただ、畑の利益や節税もあるけど。妖怪の給料は抑えないとマズいわ。裏金みたいなものだから、何かの費用に混ぜないと使途不明金になるから。まあ、弁護士さんと相談するわ。」
彩菜の父「ややこしいな。」
さよ「ややこしいけど、やらないと仕方ないから。」
彩菜の父「いや、違う。弁護士2人いるから。」
彩菜「いや、弁護士さんとさよさんで問題なくない?」
彩菜の父「それもそうか。」
さよ「みんな疲れて頭回ってないわね。今日は終わりにして、家で楽しみましょう。おばあちゃんが鮎の塩焼き作ってたよ。」
彩菜の父「お腹すいたな。帰ろうか。」
彩菜の家族と美雪の家族、もちろんさよも美雪の家で塩焼きを食べる。
弁護士さんは先生の家に遊びに来ていた。
弁護士「んーー。先生は競馬好きだな。」
医師「競馬は男のロマンだ。」
弁護士「調子どう?」
医師「5レースの1回だけ取った。3万負けだよ。」
弁護士「かなりひどいな。」
医師「10レースは2から散らせば固いからな。11レースだけはメインだから10万行くよ。」
弁護士「2つ負けたら?」
医師「15万だ。いつもと違ってメインレースデカいからな。特別だ。」
弁護士「10レースは負けだな。13-9だな。」
医師「お前なあ。13はともかく9は無いぞ。まあ素人だから仕方ないけど。無いものはない。」
結果、10レースは13-9で65倍だった。
弁護士「ほらね。」
医師「何で分かるんだ。。お前すごいな!」
弁護士「金はもう要らないだろう。何かな、ゴールのイメージが見えたんだよ。最近まあまああるんだよな。選挙とかも当たるし。」
医師「11レースは?」
弁護士「。。10-14だな。」
医師「あのな。10も14もあり得ないぞ。どっちもどうにもならない馬だ。本命は1か3だ。。面白い。10-14を10万1点買いだ。」
弁護士「本気かよ!確かに3買うのは負けにはならないな。」
医師「10-14なのに?ああ、複勝ってことか?」
弁護士「いや、出走取り消しで返却される。」
レースが始まると、3の馬は暴れてゲートインせず、出走取り消しになり、10-14が入った。
医師「おいおい。ウソだろう。お前、美雪さんよりすごいな。見えたってことなのか?」
弁護士「スタートとゴールのイメージは見えたな。儲かったか?」
医師「130倍!。。」
弁護士「いくらよ。」
医師「1300万円。」
弁護士「派手に奢る必要あるな。」
医師「税金持ってかれるな。。まあ、負けるよりいいか。しかし、どうなってるんだ。。」
弁護士「さあな。聞きたいのは俺だよ。しかし、金って持ってるやつに集まるんだな。」
医師「よし、来週みんなに最高級の肉買うから、しゃぶしゃぶだ。みんなに伝えておく。まずは今日お前に奢らないとな。何でもいいぞ。」
弁護士「じゃあ。ウナギ屋で贅沢しながら、チビチビやるか。タクシー使うぞ。」
医師「なかなか贅沢な使い方だな。今日ならリムジンでも構わないぞ。」
弁護士「成金みたいなのはやめよう。」
2人だけで贅沢な夕食を楽しんで帰宅した。