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妖女 美雪  作者: ぴい
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「第106話」引渡

 彩菜の家は年末に完成し、引き渡しが行われた。仲間総出で荷物を運び込む。


 彩菜の父は、美雪が一時的に自宅と彩菜の新築した家を異空間で繋ぎ、お父さんも村から会社に通えるようにした。


彩菜の父「こちらから通えると生活費も浮くから助かるよ。あと1年頑張るよ。」


大輝「温泉は完全に完成するのは再来年の3月になりそうだから、少し時間が空きますよ。」


彩菜の父「準備がありますから、予定通り退職します。畑作業は今から勉強する。」


彩菜の母「さあ。料理出来たから食べて下さい。」


弁護士「新しい家はいいな。」

医師「立て直してもいいけど。。MRI買おうかな。」


彩菜「美雪の装置のほうが高性能でしょう?」


医師「一般客には使えないからな。そんな装置買うなら医者辞めたほうがいいな。」



さよ「おうち。素敵ね。私も建てたいな。」


弁護士「私の敷地の一部なら、さよにやるから建てていいぞ。」


さよ「いくらくらいなの?」


医師「贅沢言えばキリがないが。。3000万円くらいあれば何とかなる。」

弁護士「さよの給料なら5年も頑張れば建てれるかもな。銀行から借りる手もある。」


さよ「結婚する時に考えるわ。今は長老と暮らすほうが幸せだし。」

長老「相変わらず。お前はかわいいのう。」


美雪「私達の家は大きさがちょっと足りないかな。」


医師「十分だろう。今まででも全員泊まったじゃないか。」


美雪「お風呂が渋滞するから。。」


弁護士「そんなものは、温泉出来たら解決だろう。」


美雪「それもそうか。」



佳代「私達も美雪が大学生になったら、引っ越しね。」


大輝「既に引っ越したようなものだよ。」



 正月からは、実質全員が村で生活するようになった。彩菜の祖母は長老と暮らしたいのか美雪の家に泊まることが多かった。



 いよいよ受験になった。美雪の東京の大学も彩菜の京都の大学も合格する自信はあった。何故か本命大学は不安を感じていた。


大輝「合格発表見に行くのか?」


美雪「新聞見たら分かるからね。本命大学は見に行く。手続きとか知りたいから。」



 1週間後、弁護士さんが新聞を持ってきた。


弁護士「2人とも合格だな。」


美雪「良かった。高校との約束果たせたわ。」



彩菜「美雪!」


美雪「どうした。」


彩菜「私達、合格だって。」


美雪「弁護士さんが教えてくれたよ。本命大学の結果が一番重要だから、どうでもいいわ。」


彩菜「違うわよ。私達の行く大学合格だって。先生が向こう行くついでに見てきたって。」


美雪「あら。」



彩菜の父「おめでとう。日本で1、2のレベルの大学に受かる人間が受からないはずがないだろう。」


医師「言わないほうが良かったか?」


美雪「結果分かればどっちでもいいかな。彩菜。見に行きましょうか。」

彩菜「そうだね。」


医師「派手に祝うか!ウナギと寿司両方だ!」


長老「やったー!」


弁護士「長老。あなたの祝いではないから。」


長老「わしは食えんのか。。」


彩菜の祖母「心配しなくて大丈夫だよ。」



 2人は大学を訪れ、自分の目で確かめると安堵した。



 夜、美雪の家に全員集まり、合格祝いが開かれた。


佳代「おめでとう。」


彩菜「ありがとうございます。」

美雪「しっかり農業学びます。」


さよ「良かったわねー。おめでとう。ねえ、私。弁護士試験合格したけど、弁護士になれるの?」


弁護士「は?いつの間に。。1回で合格?」


美雪「えーっ!私の東京の大学より難しいわよ。お祝いの主役はさよさんよ。」


弁護士「本当だ。合格じゃないか。。」


大輝「さよさん。すごいなー。」

彩菜の母「すごい子が現れたわねー。」


長老「そんなにすごいのか?」


医師「日本で一番難しい試験だ。何教科かは受かると思ったが。。まさか全てとは。。」


さよ「でも、私は弁護士はどちらでもいいの。税理士取って、温泉のお手伝いのほうが重要なの。」


弁護士「あのな。さよ。先に弁護士と言った理由は何故か分かるか?」


美雪「もう。あるってこと。」


さよ「ある?」


弁護士「弁護士の資格取ると税理士の資格は自動的にもらえる。」


さよ「えっ。えっ。本当に?私、税理士になったの?」


彩菜の父「そうだよ。勉強してたのに知らなかったの?」


医師「わしは知らなかったが、弁護士さんには教えてもらった。最強の資格だよ。」


さよ「やった。。私、みんなの仲間になれる。」


彩菜の母「資格なくても仲間よ。食べなさい。」


彩菜の父「しかし。気分いいな。自分の母校を蹴って地元の大学。痛快だな。」


医師「美雪さんの工学部なんて。。日本で100番とかじゃないと受からないだろう。。」


彩菜「模試で全国2位だったわよ。意味ないから一度しか受けなかったけど。」


彩菜の父「それは、あの大学も逃げられて悔しいだろうな。」


美雪「彩菜だって63番だったじゃない。」


医師「あのな。そんなやつがあの大学落ちる訳がないだろう。」


 3人の合格祝いになり、派手に祝った。



 後日、東京の大学から特待生で合格の通達が来たがお構いなしで蹴るという前代未聞の人間になった。



 目標を果たし高校からは感謝された。2人に刺激されたのか、有名大学に合格する同級生は例年より多く、2人の母校は、やがて進学校に変わっていくのだった。


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