温泉で初日の出を見る為に山に登ったら、「今朝あなたは目撃者」になりました。
去年の春、残雪の残る雪山に登頂した帰り足を滑らせ滑落した。
直ぐにピッケルを突き立てたお陰で、無傷で200メートル程下まで滑落しただけで済んだ。
滑落した場所から元の登山道まで安全に戻れる帰り道を探していたとき見つけたのが、沢の奥まった場所にあったこの温泉。
湯の温度も40℃前後と丁度良く、ついでだからと荷物を置き服を脱いで温泉に飛び込んだ。
のんびり温泉に浸かっている場合じゃないんだろうけど、単独登山で日程に余裕を持たせての登山だったから出来た事。
温泉に入り疲れを癒やしてから元の登山道に戻り下山した。
その後何度か温泉を訪れ、ベテラン登山家なら比較的安全に行き来できるルートを見つける。
何度か訪れていた時に知ったのだが、この温泉の東側に富士山が見え、角度的に富士山と共に初日の出の御来光を拝める事に気が付く。
後で調べたら温泉から富士山まで約100数十キロの距離だった。
それで温泉に浸かりまだ黒々としか見えていない富士山を眺めながら、富士山のバックに太陽が登るのを今か今かと待っているところ。
1人寂しくね。
一応会社の同僚や部下の女の子たちや飲み屋の女の子をさそったんだよ、だけど全員に断られた。
会社では「それセクハラだよ」と同期で同僚の女性に窘められたり、「セクハラしたいんでしょ」「課長、パワハラに目覚めたんですか?」などと部下の女性たちにからかわれたりして断られる。
飲み屋の女の子には、「正月は彼氏と遊びに行くから」とか「正月くらいは子供と過ごしたいから」と断られた。
それで今年の正月も1人寂しく温泉に浸かっている訳だが、女の子たちを連れて来なくて良かった今思っている。
だって……初日の出を今か今かと思いながら富士山を眺めていたら、富士山の山頂が突然赤く光り爆発したかのように吹き飛び噴火したからだ。
富士山まで100数十キロ離れているのと、風がこちらの方角の西から富士山の方角の東に向けて吹いているのもあって、噴石が飛来する事も火山灰が吹き寄せられる事も無い。
だから私は、噴火する瞬間から溶岩が山頂から溢れ流れ出しているのを余すところ無く目撃している。
初日の出の御来光を拝みに温泉に浸かっていただけなのに、何で? 今朝あなたは目撃者になるんだようー!