世界の端っこ
世界に端っこなどあるのだろうか。あるとすれば、それはどんな場所なのだろう。見たこともない装置や財宝で満たされた場所なのだろうか、あるいは何もない真空、いやその真空すらない場所なのかもしれない。
だけど、世界の端っこが特定の場所だとは限らない。場所も時間も球体の様に広がっていて、そのお互い同士に対するシャボン玉の表面の様な濃淡を世界だと思っているだけなのだろうか。それらの揺らぎなんて果てしなくあるだろうから「僕から見た世界」に端っこがあるとはとても思えない。
でも、場所と時間を結びつけるものは何だろう?場所が男で時間が女だとすればその交わりが世界を生み出す…これは神話にはなるけれど、今、僕がここに居ることに対しては直接結びつかない。
もし場所と時間を結びつけているものが物質であり、物質としての銀河や恒星、惑星、そして僕自身がその結合点であるのなら、世界というものは、これらの物資上にしか存在しないし、何度も同じ景色を繰り返しながら変化していく、果てしの無い漣である。
こういった考えは別段、僕が初めてと言う訳でもあるまい。無数にいるだろう僕とは別の人が、無数にある別の場所と無数にある時間で同様に思った事だろう。むしろ、そうでないと困る。もしこの考えが今ここにいる僕だけのものだとしたら、それは僕が、僕の探し求めた世界の端っこにいると言う事になってしまう。それは自己顕示欲は最大に発揮できるけれど承認者もまた居ない世界だ。
幸い、世の中に溢れているニュースの映像や音楽なんかを聞いていても、それらの少しづつが形を変えながら僕に繋がっている様に思えるし、その変化はまだ止まりそうに無いから、考えを言葉に書くことの意味は当面ありそうだ。
ところで、場所と時間の結びつきの固さを知る方法は無いものだろうか?世界がたくさんあったとして、中には物質で全て満たされた世界もあるだろうし、物質が何一つない世界だってあるだろう。
でも今僕が見ている世界はその中間だろう。ある場所では場所と時間が密接に結合し、ある場所では全く結合していない。
そういった世界だから、場所と時間の結びつきの固さを知るためには、物質を機械的や電気的な方法で叩くなり揺さぶってみれば良い。
ちょうど良さそうな物質がある。水晶だ。水晶は一定の周波数で発振するけれど、Spring8を用いた実験ではその際に、格子を作る「SiO4の四面体自体の形状は全く変形せずに、四面体同士を連結するOを頂点とする角度(Si−O−Si角)のみが変形する」らしい。しかも全てのO原子ではなく、(結晶の配置上)特定のO原子だけが電界の向きに呼応して振動する。
従来の仮説では、珪素も酸素も動く事により、結晶が分局するというものであったが、それは違っていたという事だ。もう少し解明が必要である。
もしかすると水晶の発振周波数は、場所と時間との結びつきの固さで決まっているのかしれない。その種類だけ場所と時間の結合点があるのであれば、沢山の水晶を並べて同じ周波数で動かせば、場所と時間が一定の位相で結びついた場ができるのでは無いだろうか。その面から重力波が放射されるのであれば面白いが、もちろんこれは飛躍の多い仮説にとどまる。