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07 居場所


 それなりにこの村に馴染んじゃうと、知り合いとかも出来ちゃうわけで。


 討伐依頼もサクサクこなせる結構イケてる冒険者っていう評価なんですよ、俺。


 まあ、実際は全部イオちゃんにお任せなんだけど、現場を見られてるわけじゃ無いし。



 で、そうなると、村娘さんたちにも人気が出てきちゃったりするわけで。


 つまりは、結構モテモテ。


 って、イオちゃんが嫁って知ってるのに、みんなの前でも平気でモーションかけてくるんだよね、ここの女の子たち。


 積極的なのかな、アッチ方面に。



「ここは魔物が跋扈する、生存面においてそれなりにキツい世界なので、戦闘力や経済力において優秀な男性は一夫多妻が推奨されています」

「強い男性の種を得るのは、女性にとってステータスたり得るのです」

「生活が保障される高い地位や経済力も、魅力なのです」

「もちろんそれらを得るために、女性たちも自らを磨く努力を怠りません」


 なるほど、俺本来の男としての魅力よりそっちが優先されることもあるってことね。


 まあ、俺はイオちゃんひと筋ですけど。



「良き人材は、冒険を安全かつスムーズに遂行する手助けとなります」

「素敵なパートナーも、アマツさんの日常生活をより快適なものとしてくれるでしょう」

「私に遠慮せず、いろいろと楽しんでください」


 えーとつまり、イオちゃん的には、一夫多妻もOK?



「仲間を増やすことを躊躇しないでください」

「女性・男性問わず、家族・友人・恋人は、豊かな人生の良きパートナー足り得るのです」


 あー、今のところイオちゃんとのふたり暮らしを変えたくないかな。


 でも、たまには我慢できなくて浮気しちゃうかもしれないけど、許してね。



「……アマツさんがえっちなことは、身体で理解しております」


 はい、これからもよろしくね。



 ---



 ここでの暮らしは楽しかったけど、そろそろ先に進もうかな。


 長旅に必要なあれこれを準備して、


 お世話になった村のみんなに挨拶回りしたら、


 いよいよ出発。


 うん、みんなからお見送りされちゃうと、さすがにちょっと泣けちゃうね。



「心残りは無いのですか」


 あの村で出来ることは、存分に楽しんだと思うよ。



「村の乙女たちが総出でお見送りしてくれましたが」


 えーと、責任取らなきゃいけないようなことはしてなかったから大丈夫。



「たくさん我慢したのですね」


 本当、我ながらよく我慢出来たなって。


 いつも頑張ってくれているイオちゃんのおかげです。


 これからもよろしくね。



「我慢は身体に悪いですよ」


 その分、イオちゃんに、もっといっぱい頑張ってもらうってことで。



「そろそろ仲間が必要かも」


 家族なら増えちゃいそうだよね。



「すぐに欲しいのですか?」


 えーと、まだいいかな、旅を続けたいし。



「了解です」


 ごめんね、いろいろ任せっぱなしで。



「嫁ですから、遠慮せずに甘えてください」


 うん、そうする。


 でも、いつかは腰を落ち着けて子育てとかしちゃうのかな、俺でも。



「そうしたくなるような居場所を見つけるための旅でもあるのかもしれません」


 だよね、まずは旅を楽しもうか。



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